2014年06月19日

『東池袋ストレイキャッツ』

杉井光 先生が贈る新作は、ひきこもりで登校拒否を続ける少年がゴミ捨て場で拾った一本
のギターによって生き様が変わっていく様子を描く、切なくて甘い青春と音楽の物語です。
(イラスト/くろでこ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866624-4/


ギブソンES-335──。そのギターにハードロックバンドのギタリスト“キース”の霊が
宿っていたことからギターを練習させられ、ケツを叩かれるように路上演奏デビューを
果たした少年“ハル”が、辛口な点数をつけるも歌を催促してくる“ミウ”と出会う──。

ということでスター・システムだと分かっているのにどうしてここまでを心揺さぶられる
作品に仕上がるのか不思議で仕方がない。自分が演(や)りたい曲と現実の曲との差異に
迷う少女を結果的に救うことになる少年の小さな勇気。音楽を通じて繋がる描写が秀逸。

大事な人、成り行きとは言えギターを弾いて歌うことで腹の底にある熱量を思い出せる
と示してくれた、そんな人を喪った少年の悲しみがあけすけな少女とのやりとりの中で
癒され、想いに上書かれていく過程もまたほのかに青い春を醸し出していて素敵でした。


#(参考)

#◆東池袋ストレイキャッツ曲目解説
#【 http://d.hatena.ne.jp/hikarus225/20140610/1402368581


posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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