2025年01月31日

『Unnamed Memory -after the end- V』

TVアニメ第二期が放映中の、古宮九時 先生が贈る大ヒットファンタジー。世界の理から
外れた王と魔女のその後を描く第5巻は人を攫う呪具を“ティナーシャ”単独で探ります。
(イラスト:chibi 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322408001476/
https://unnamedmemory.com/


“カサンドラ”から予言を受け“ティナーシャ”が人が消える事件を追う「円卓の魔女」。
その通りになった“ティナーシャ”が吐露する感情からも“オスカー”と共に生きられる
自分で在りたい、という悲壮な意志が感じられて。“ルクレツィア”が案じるのも同感で。

十二精霊が揃わないこと、“ツィリー”が“オスカー”不在の中でも手伝ってくれること、
想定外の人が参戦すること等々、複雑な想いを抱かせる展開から最後は力で押し切るのが
流石だと思いつつ、また一人で「旅立ち」を迎えることになる“ティナーシャ”が切ない。

鳥籠の魔女を篭絡せよと命じられた軍人の苦悩を描きつつ、大陸の謎に迫る「歌わぬ鳥」。
生まれ直しの時代感覚も開いてくる、と“ティナーシャ”が言った意味が重くのしかかる
顛末から彼女の嗚咽と滲む涙に繋がる結末が見られたのは救いのようにも感じられました。

posted by 秋野ソラ at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2025年01月30日

『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録VII』

2025年にアニメ放送を迎える、ロケット商会 先生のアクションファンタジー。第7巻は
“ライノー”の件で苦境に立たされる“ザイロ”たちへ追い打ちとなる任務が下ります。
(イラスト:めふぃすと 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001300/
https://yushakei-pj.com/


「フォルバーツ軍」なる面々の登場で聖騎士団長の頃を回想する“ザイロ”から漂う悲哀。
戦禍で仲間を失った“サリタフ”との共闘で生まれてしまう勇者ではない人たちへの悲嘆。
“ツァーヴ”の軽口にすら救われるような気がするほどの劣勢で勇者たちへの扱いが非情。

“パトーシェ”の正攻法、“フレンシィ”の搦め手でも援軍の確保には繋げられない苦境。
そんな八方塞がりな2人に不思議と希望を与えてくれる無法の限りを尽くす「彼」の苦難。
一歩間違えれば死あるのみな13日間の時間稼ぎですら生き残りに懸ける“ザイロ”の苦心。

無理を押してでも共に戦ってくれる人々のためにも変わろうとする“テオリッタ”の注力。
今回も貧乏くじを引かされる“ドッタ”の思いがけない活躍と盗んだ「アレ」には要注意。
カジット連山での思いがけない戦果に喜ぶ間も無く隙を突かれた勇者たちの動向にご注目。

posted by 秋野ソラ at 00:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2025年01月29日

『母をたずねて、異世界に。4 〜実はこっちが故郷らしいので、再会した家族と幸せになります〜』

藤原祐 先生が贈るスローライフ・ファンタジー。第4巻は家族が増え賑やかなハタノ家を
王都より第三王子が訪れ、彼の置かれた境遇と悩みに触れた“スイ”が解決策を示します。
(イラスト:しの 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322408001478/
https://comic-walker.com/detail/KC_005820_S


“ノアップ”と再会した“スイ”の母から抱いた彼に対する違和感。「余」であることに
こだわる彼の意図を探るため“スイ”が腹を割って話した想いがまるで強靭な刃物のよう。
料理で王室を救い、王国に変革をもたらす“スイ”の影響力が今巻でもまず示された形で。

“カレン”が子供の頃に魔術を使えなかった、という話に“スイ”が覚える記憶の喪失感。
“ノアップ”が告げた属性相剋の話、そして“ミント”の身に起こる変化。未曽有の事態
を前に伝手を駆使する“ヴィオレ”の姿から「家族」に対する強い想い、覚悟が窺えます。

“スイ”の過去にすがるしかない厳しい現状でも属性相剋を治す術を模索する彼の責任感。
思いがけない所から気付きを得て、忘れていた大切なものを取り戻す彼が想いを通わせる
姿は心がほっこりします。家族の証が印象深いエピローグからどう続くのか興味深いです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2025年01月28日

『一週間後、あなたを殺します ―Bon Voyage―』

幼田ヒロ 先生が贈る、殺し屋の少女が殺す罪人との交流と別れを繰り返す物語。第2巻は
“ミミ”が彼女を熱烈に慕う後輩の教育係を務めていく過程で新たな発見を見い出します。
(イラスト:あるてら 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815626327/


殺すターゲットに1週間の猶予を与える、という“ミミ”の矜持を“シロ”はどう思うか。
理想なのか、エゴなのか。理解が及びそうで、でも届かなくて。人を殺すのが日常の中で
人を殺すことについて考えるよう求められた“シロ”の言動がこれまた一理あるのは事実。

仕事を通じて自分の「家族」について考え始める“ミミ”の傍らで“シロ”はどう動くか。
家族という様式への期待と、両親から受けた扱いの反動が大きすぎる2人が殺した両親に
抱く感情は復讐か、それとも・・・。思いがけない形で互いに向き合う顛末が切なすぎる現実。

“ミミ”と家族になりたい。そのこだわりを受け止めた“ミミ”が自らを振り返る1週間。
人を殺し続けてきた“ミミ”の罰として「Bon Voyage」と言葉をかける場面も変わりゆく。
ターゲットの死を無駄にしない彼女の生き方に意味があると信じたい。強くそう思います。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2025年01月27日

『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件 4』

駄犬 先生が贈る、勘違いから始まる狂食英雄伝。第4巻は我が道をゆく“マリア”により
ファルーンの版図は拡大し、“マルス”の意図せぬ所でモンスター肉の普及が加速します。
(イラスト:芝 先生)

https://gcnovels.jp/book/1810
https://gcnovels.jp/special/gcnb/monsterniku/


“イーリス王”の狙いが裏目に出まくった結果「イーリス浄化計画」発動に繋がる展開は
同情するしかなく。そんな中でハンドレッドたちの慢心を突けたのは重畳・・・だったはずが
“マリア”の目標達成に利用される「泣きっ面に蜂」な流れは相手が悪いと言うしかなく。

バルカンで戦いに身を投じる“シーラ”がファルーンの先々を憂い、対外的な印象を悪化
させている“フラウ”に苦言を呈する顛末は面白い上に興味深い。“マルス”不在となる
ようなことがあれば女性陣の力関係からファルーンの動乱へ繋がりかねないのが恐ろしい。

今度は西に進路を取った“マルス”が普通の料理にありつけるか、という期待を打ち砕く
状況の連鎖をむしろ休暇として楽しんでしまうあたりは流石の一言。そんな旅に終止符を
打つ「彼女」の報せがファルーンにどんな火種を生むことになるのか、次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル