「豚のレバーは加熱しろ」の 逆井卓馬 先生、遠坂あさぎ 先生によるコンビで贈る新作は
科学好きが高じて日常に潜む違和感の謎を解き明かしていく高校生たちの活動を描きます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000499/ 】
日陰者の“出田”は生物、陽キャな“水崎”は化学が得意で中学時代は仲良く化学部所属。
高校の部活選び中に2人は才色兼備の優等生“岩間”と偶然、科学に纏わる話に花が咲く。
ある日、裏山にある桜2本がハートマークを作ると聞いて一緒に確かめに行くのだが──。
理系の話をするのは周りから求められていない姿だと気にする“岩間”の認識に踏み込む
“出田”が度重なる科学的な検証を経てそれを変えさせていく過程が興味深くて楽しくて。
そんな一連の出来事にある意思が介在している所まで突き止める物語の構成に驚かされて。
本文中で触れずに本作にある初恋の証明を読み手にさせる、というかさせたくなる演出に
思わず「あれ」を調べずにはいられない。ある意味、読者参加型とも言える決着のつけ方
をぜひ読んで味わってほしい作品。間違いなく秀作です。続刊も期待が持てると言えます。