長田信織 先生が贈る異世界スローライフ。第4巻は拓いた地を「ミコトの郷」と名付けて
郷長になった“ソウジロウ”にいろいろな勢力が目を付けてちょっかいを仕掛けてきます。
(イラスト:東上文 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322403001002/ 】
【 https://comic-walker.com/detail/KC_005421_S?episodeType=first 】
“ソウジロウ”には敬虔で人族には不遜。腹に一物ある天使族“アスラフィエル”の登場
に驚きつつも応対の仕方は変わらない彼と、彼に興味を持ちつつ心境を変えていく彼女の
対比が見所。郷の面々とも浅からぬ縁のある人物も居て、そのやり取りも気になる要素で。
“チグサ”が振り返る、侯爵令嬢と苦い経験をした過去。冒険者の訓練に取り入れられた
野球とその令嬢“クレーセル”があんな形で繋がるとは埒外な展開で驚き。醤油の代用品
完成に打ち震えるような“チグサ”が、人に仇をなす海人族を圧倒出来るのだから面白い。
“ミスティア”も容赦ない、という点では“チグサ”を上回るえぐい手を披露してますが
“ソウジロウ”との距離感は探りかねている所がもどかしい。今巻は“アイレス”の世話
をしていた“ヒナ”の話が涙ぐましくて、応援したくなります。次巻の展開も楽しみです。
2024年11月29日
2024年11月28日
『エリスの聖杯5 モイライの天秤』
常磐くじら 先生が贈る令嬢サスペンス・ファンタジー。「DREノベルス」から刊行となる
完全書き下ろしの第5巻は“コニー”が王国を揺るがす騒動の種に巻き込まれていきます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 https://drecom-media.jp/drenovels/product/96 】
【 https://drecom-media.jp/drenovels/series/eris 】
国王“エルンスト”の立場を脅かす過激派を抑え込むために利用されろ、と“コニー”に
穏やかだが強く迫る“カミーユ”。彼の人道に外れすぎた言動の数々が終始空恐ろしくて。
釘を刺す“スカーレット”を上回る手練手管で問答無用に巻き込まれる“コニー”が不憫。
吹っ掛けられた「英雄アマデウスが聖女アナスタシアを殺した」という話は真実か、否か。
“コニー”たちが歴史を紐解くうちに見えてくる“コーネリア”皇女と「聖女」の人物像。
“アーシャ”や“パーシヴァル”の立ち居振る舞いが印象深い中で見えてくる真実に驚嘆。
過去と現在の思惑が交錯し、当初の問題解決の鍵を握るのが“スカーレット”というのは
皮肉というか、この物語において連綿と続く宿命のようなものを感じてしまい少々切ない。
“ハームズワース”の食わせ者っぷりにもご注目。次はどんな話が舞い込むか楽しみです。
完全書き下ろしの第5巻は“コニー”が王国を揺るがす騒動の種に巻き込まれていきます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 https://drecom-media.jp/drenovels/product/96 】
【 https://drecom-media.jp/drenovels/series/eris 】
国王“エルンスト”の立場を脅かす過激派を抑え込むために利用されろ、と“コニー”に
穏やかだが強く迫る“カミーユ”。彼の人道に外れすぎた言動の数々が終始空恐ろしくて。
釘を刺す“スカーレット”を上回る手練手管で問答無用に巻き込まれる“コニー”が不憫。
吹っ掛けられた「英雄アマデウスが聖女アナスタシアを殺した」という話は真実か、否か。
“コニー”たちが歴史を紐解くうちに見えてくる“コーネリア”皇女と「聖女」の人物像。
“アーシャ”や“パーシヴァル”の立ち居振る舞いが印象深い中で見えてくる真実に驚嘆。
過去と現在の思惑が交錯し、当初の問題解決の鍵を握るのが“スカーレット”というのは
皮肉というか、この物語において連綿と続く宿命のようなものを感じてしまい少々切ない。
“ハームズワース”の食わせ者っぷりにもご注目。次はどんな話が舞い込むか楽しみです。
2024年11月27日
『マッチングアプリで出会った彼女は俺の教え子だった件2』
箕崎准 先生が贈る恋活指南&ラブコメディ。第2巻は“彩世”の助言を受けつつ“修吾”
がアプリ初心者の女性書店員、女子高生姿も似合うアイドル系女性との出会いを重ねます。
(イラスト:塩こうじ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815615772/ 】
“マイマイ”の要望でいきなりナイトプールのイベントに同行するのは中々にレアケース。
“彩世”が地雷判定したのも然程間違ってなかったのに驚き、というか予行練習と称して
“修吾”を連れ回すあたりが実に強か。そして思いがけない結末を迎える彼に思わず同情。
続く“メグ”は教師たる“修吾”にとってセンシティブな印象が飛び交う中々の鬼門ぶり。
そこからイイ感じに話が進んでいく中で思いがけず“彩世”の心に一歩踏み込む話運びに
繋がるのは災い転じて福となす、なのか。彼を見ていると合縁奇縁とはよく言ったもので。
“修吾”が恋活を続ける中で姿がちらつく“相良”との関係が一種の保険となっている点
も気になりますが、何より“彩世”との距離感がどんどん狭まっている所も見逃せません。
2人から選ぶことになるのか、それともアプリで決着するのか、続きに注目しておきます。
がアプリ初心者の女性書店員、女子高生姿も似合うアイドル系女性との出会いを重ねます。
(イラスト:塩こうじ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815615772/ 】
“マイマイ”の要望でいきなりナイトプールのイベントに同行するのは中々にレアケース。
“彩世”が地雷判定したのも然程間違ってなかったのに驚き、というか予行練習と称して
“修吾”を連れ回すあたりが実に強か。そして思いがけない結末を迎える彼に思わず同情。
続く“メグ”は教師たる“修吾”にとってセンシティブな印象が飛び交う中々の鬼門ぶり。
そこからイイ感じに話が進んでいく中で思いがけず“彩世”の心に一歩踏み込む話運びに
繋がるのは災い転じて福となす、なのか。彼を見ていると合縁奇縁とはよく言ったもので。
“修吾”が恋活を続ける中で姿がちらつく“相良”との関係が一種の保険となっている点
も気になりますが、何より“彩世”との距離感がどんどん狭まっている所も見逃せません。
2人から選ぶことになるのか、それともアプリで決着するのか、続きに注目しておきます。
2024年11月26日
『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない(3)』
伏見つかさ 先生が贈る、恥じらう双子の妹ラブコメ。第3巻は15歳の姿に戻る薬を手に
“千秋”の好みを一気に掴んだ“夕子”が恋人候補に名乗りを挙げて波乱必至の展開です。
(イラスト:かんざきひろ 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322404000459/ 】
“楓”の「呪い」と同様に、“夕子”にも制約条件がある。例の「ラブセンサー」も駆使
して“千秋”にアタックする姉の優位性を削ぐことでヒロインレースのバランス調整にも
繋がり、コメディとして楽しめる展開だとまず感じます。“楓”には難儀でしょうけれど。
“夕子”が恋愛勝負の重要な要素として用意した、例の2つの薬をどう使わせるかを試す
表裏を問わず仕掛けていく手札の多さも注目すべき点で。“メイ”の強烈なアプローチも
気にせず、勝ちを確信する姉の姿勢に“千秋”が耐えられるのかを見守りたくなるワケで。
江の島旅行にて“千秋”を巡る恋愛勝負があんな形でひとまず幕を下ろすことになるとは
「彼女」の心境をまだまだ読み切れていないと痛感させられます。“夕子”の恋愛実験が
どんな波乱を呼ぶのか、区切りの良さに満足することなく続いて魅せてもらいたい所です。
“千秋”の好みを一気に掴んだ“夕子”が恋人候補に名乗りを挙げて波乱必至の展開です。
(イラスト:かんざきひろ 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322404000459/ 】
“楓”の「呪い」と同様に、“夕子”にも制約条件がある。例の「ラブセンサー」も駆使
して“千秋”にアタックする姉の優位性を削ぐことでヒロインレースのバランス調整にも
繋がり、コメディとして楽しめる展開だとまず感じます。“楓”には難儀でしょうけれど。
“夕子”が恋愛勝負の重要な要素として用意した、例の2つの薬をどう使わせるかを試す
表裏を問わず仕掛けていく手札の多さも注目すべき点で。“メイ”の強烈なアプローチも
気にせず、勝ちを確信する姉の姿勢に“千秋”が耐えられるのかを見守りたくなるワケで。
江の島旅行にて“千秋”を巡る恋愛勝負があんな形でひとまず幕を下ろすことになるとは
「彼女」の心境をまだまだ読み切れていないと痛感させられます。“夕子”の恋愛実験が
どんな波乱を呼ぶのか、区切りの良さに満足することなく続いて魅せてもらいたい所です。
2024年11月25日
『旦那の同僚がエルフかもしれません』
「おいしいベランダ。」「犬飼いちゃんと猫飼い先生」の 竹岡葉月 先生が贈る新作は
弁当屋の娘と結婚した男性が実は異世界を救った勇者という不思議な縁と絆を描きます。
(イラスト:コタチユウ 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322407000076/ 】
弁当屋での出会いと交流を機に、非営利で国際交流などを担う財団法人の職員“伊吹”と
結婚した“ひばり”。彼女の悩みの種は彼が同僚や取引先の人を時々家に連れてくること。
その同僚“アロイス”の忘れ物を届けに家を出た彼女は彼が長耳を隠すのを目にして──。
“ひばり”が夫の隠しごとから不信感を抱くのは当然・・・の流れからファンタジー世界の
考え方、関係者と関わっていく彼女はどう気持ちの整理をつけていくか。そこがまず見所。
料理描写を時折挟んでいくあたりが「富士見L文庫」で上梓する作品らしさとも言えそう。
平穏な日常から一転して命の危機に直面する非日常も経験する“ひばり”が“伊吹”との
関係を諦めたくない、と彼女なりに考えて、自分に出来ることを模索する姿がいじらしい。
その想いを彼が受け止めるか、この本作において大切なテーマの行方もぜひお見逃しなく。
弁当屋の娘と結婚した男性が実は異世界を救った勇者という不思議な縁と絆を描きます。
(イラスト:コタチユウ 先生)
【 https://www.kadokawa.co.jp/product/322407000076/ 】
弁当屋での出会いと交流を機に、非営利で国際交流などを担う財団法人の職員“伊吹”と
結婚した“ひばり”。彼女の悩みの種は彼が同僚や取引先の人を時々家に連れてくること。
その同僚“アロイス”の忘れ物を届けに家を出た彼女は彼が長耳を隠すのを目にして──。
“ひばり”が夫の隠しごとから不信感を抱くのは当然・・・の流れからファンタジー世界の
考え方、関係者と関わっていく彼女はどう気持ちの整理をつけていくか。そこがまず見所。
料理描写を時折挟んでいくあたりが「富士見L文庫」で上梓する作品らしさとも言えそう。
平穏な日常から一転して命の危機に直面する非日常も経験する“ひばり”が“伊吹”との
関係を諦めたくない、と彼女なりに考えて、自分に出来ることを模索する姿がいじらしい。
その想いを彼が受け止めるか、この本作において大切なテーマの行方もぜひお見逃しなく。