2024年10月30日

『ロクでなし魔術講師と追想日誌11』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。短編集第11巻はドラゴン
マガジンに掲載された4つの短編に、書き下ろし「最後の卒業試験」を収録した1冊です。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322405001396/


「大惨事チョコレート大戦」は執念のために突き進み、そして果てる男共の末路が面白い。
「世界最強の魔獣」では“マリア”をはじめに後れを取る女性陣のやられっぷりが新鮮で。
「魔導探偵ロザリー」の件はどうして逆転できてしまうのかと毎度毎度の驚きと苦笑いが。

「偽装夫婦のシンフォニー」は内偵のために“セラ”と“グレン”が新婚夫婦を偽装する
状況を“バーナード”たちが「利用」しようと躍起になる様子が楽しい。そのコミカルな
展開の中にもしっとりとした重さを加えて「夢」を見せていく演出の匙加減がやはり絶妙。

「最後の卒業試験」は新たな道に一歩踏み出そうとする“システィーナ”たちを留年必至
に追い込む、“グレン”が出した無理難題の謎に興味津々。「ロクでなし」と言われても
生徒を想う気持ちに嘘はない彼の真意を見て短編集もここまで来たかと痛感させられます。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル