香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。本編完結後に始まる新シリーズは
第一位の領主候補生となった“ハンネローレ”が結婚相手を選ぶ複雑な胸中を描きます。
(イラスト:椎名優 先生)
【 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=180844487 】
貴族院筆頭、ダンケルフェルガーの領主候補生として婚約者が求められる“ハンネローレ”
の立場を説明される度、物語の本筋が大きな転換点を超えてきたことを実感させられます。
何でもかんでもディッターの話ばかりされる周りの状況に辟易している彼女の苦心に同情。
“ハンネローレ”のことを彼女以外の人がより理解している、という描写が差し込まれる
点からも「間が悪い」というか手遅れな状況に置かれているのが同情と苦笑いを誘います。
彼女が祈りを捧げた先の思惑に振り回されるところも彼女の報われてない感で溢れてます。
話の合間に“ローゼマイン”と“フェルディナンド”の近況や2人の思想・信条が窺える
のもお楽しみ要素で。そこから“ヴィルフリート”に同情の余地が無いと分かるのも納得。
迷走する“ハンネローレ”は誰の元へ添い遂げることになるか、固唾をのんで見守ります。