2024年05月22日

『放課後、ファミレスで、クラスのあの子と。2』

左リュウ 先生が贈る、家に居づらくてファミレスに居座る少年少女の関わりを描く物語。
第2巻は家庭の不和で家出した“小白”のために何ができるかを“成海”が模索します。
(イラスト:magako 先生)

https://dengekibunko.jp/product/famicla/322312000505.html
https://kakuyomu.jp/works/16817139558048235971


母親が目もくれずにいても、姉に対してコンプレックスがあっても、“成海”がいるなら
何とかやっていける。そんな“小白”の心を無慈悲に折る母親の仕打ちは目も当てられず、
だからこそ一緒に逃げると決意した彼の潔さたるや。彼女に募る淡い思いもむべなるかな。

母親を糾弾する“黒音”が“小白”に固執する姿は単にシスターコンプレックスと括って
しまうと、あの家族における長女の立ち位置を見誤る気がして。姉が指摘し、“小白”も
認める弱さの中に確かな「強さ」もあることを見抜く“成海”の心配りが目を見張ります。

母親の居る家に戻ると決めた“小白”の頑張った姿、その結末を見届けた“成海”もまた
家族に対するわだかまりを残したままで。“琴水”が彼に抱く気持ちを推し量りきれない
だけに空恐ろしくはありますが、彼もまた厄介なことに向き合ってくれると期待してます。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル