2023年11月30日

『不死探偵・冷堂紅葉 02.君に遺す『希望』』

零雫 先生が贈る学園ミステリー。第2巻は“天内”と“冷堂”が訪れた喫茶店で発生した
密室殺人事件を皮切りに、異能力者をめぐる恐るべき悪意と対峙していく顛末を描きます。
(イラスト:美和野らぐ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815621506/


「天内きゅん」とか言っちゃう“湯之宮”の言動に苦笑いが止まらない。“冷堂”相手に
服選びに興じた、彼女の旧友で双子の“エレイン”や“メアリン”も登場したと思ったら
早々に密室殺人の被害に遭うのも本作の味か。心に重しの掛かる“冷堂”の姿が痛々しい。

双子の死に纏わる謎を解く過程でちらつく悪意を持った第三者の影。“天内”と“冷堂”、
それぞれで読み手に挑戦状を叩きつけてくるのがミステリーって感じで、フォント弄りで
深層に辿り着く場面を演出するのも印象的。深く考えずすぐ読み進めてしまうのですけど。

“冷堂”の食いしん坊ぶり喫茶店の密室や、意外な一面を覗かせた着せ替え大会。各々が
真犯人へ迫る糸口となり、そこから映画のような活劇で事件解決へとつながる展開は圧巻。
“天内”たちの身にも危険が迫る今巻の引き具合から話がどう続くのか要注目のようです。

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小説アプリ「テラーノベル」無断転載レポート(2023/11/30)


























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2023年11月29日

『スパイ教室11 《付焼刃》のモニカ』

2024年1月の舞台公演が目前となる、竹町 先生が贈る痛快スパイファンタジー。第10巻は
強敵“ニケ”に抗い市民改革を実現すべく“エルナ”たちが「LWS劇団」捜索に奔走します。
(イラスト:トマリ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/322302001606.html
https://spyroom-anime.com/


結局のところ「LWS劇団」とは何なのか。それを見つけるために“ジビア”が取った行動が
“ニケ”が評したそれと合致する趣向が面白い。とは言え、“エルナ”の心に深い傷跡を
残す“ニケ”の人外じみた強さ、周到な根回しに抗えるのかまだ不安要素を残すのが冒頭。

改革の要となる「国王親衛隊」へのアプローチ。“ニケ”と“エルナ”たちの探り合いで
緊張感も極大・・・という場面で「あの人」の登場にはただ驚くしかなくて。プロローグで
見せたやり取りが、演出として見事に功を奏しているのが印象深い。まさに小説ならでは。

“ニケ”との再戦。その一部始終は予想の埒外すぎて唖然とさせられつつ、革命の潰えた
王国に衝撃を走らせるには十分ということで胸がすく思い。しかし「暁闇計画」への道は
更なる一手と消えない不安を残しており、次のミッションがどんな波乱を呼ぶか注目です。

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小説アプリ「テラーノベル」無断転載レポート(2023/11/29)







































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2023年11月28日

『これが魔法使いの切り札 1.黎明の剣士』

「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の 羊太郎 先生が贈る新作は、過酷な傭兵稼業から
足を洗い、魔術師として生きるために魔法学院へ入学する剣士の数奇な運命を描きます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202311koregama/322304001307.html


傭兵をしていた“リクス”がある戦場で謎の妖精から受け取った魔法学院の入学招待状。
命あっての物種と向かった学院で、彼は特別な魔法の才能を持つ特待生として扱われる。
だが彼は魔術師となるための超感覚「スフィア」を得られず退学の危機に直面する──。

魔術師として有望な“セレフィナ”をも唖然とさせる“リクス”の圧倒的な物理攻撃に
コミカルさとシリアルさを覗かせつつ、同じく魔術師の素養がない“シノ”が彼の本質
を見抜く展開が面白い。噛ませ犬になる“ゴードン”の所業が物語に緊張感を生みます。

かつて「宵闇の魔王」と呼ばれた最強最悪の魔術師と、対峙して打ち破った伝説の剣士。
魔法学院を巡って繰り広げられる魔術師たちの陰謀劇の中でちらつく遠い過去の因縁が
“リクス”たちにどんな物語をもたらすか。切り札にニヤニヤしつつ、次巻を待ちます。

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