木の芽 先生が贈る、悪役御曹司の勘違いサクセスストーリー。第2巻は学院長の愛弟子で
有能な“レイナ”を手中に収めるべく“オウガ”が彼女のしがらみへと足を踏み入れます。
(イラスト:へりがる 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/villain-scion/322304001129.html 】
“カレン”と“マシロ”の正妻論争が早くも勃発して微笑ましい一方で、“フローネ”の
野心が“レイナ”の心に暗い影を落とす何とも苦々しい導入部。学院長の方がまだ上手な
“オウガ”が先々を見据えつつ、“レイナ”個人をしっかりと評価していく様子が好感触。
“フローネ”の願いを叶えるために在る、と存在意義を定義づけてしまった“レイナ”が
“オウガ”の言動に対して執心と諦念の感情をくゆらせる様子がいじらしくて。それ故に
彼女の心の頸木を断つ契機となる学院魔術対抗戦での圧倒的な戦いっぷりは爽快でお見事。
“レイナ”と“フローネ”の関係はそれだけでは剥がせない、ということで“オウガ”は
命を賭けた大勝負に出るワケですが・・・今回の顛末を締めくくる上で実に熱く、印象深い。
彼の思い描く未来予想図からまた一歩踏み外した展開、その続きを綴る次巻が楽しみです。