木の芽 先生が贈る、悪役御曹司の勘違いサクセスストーリー。第2巻は学院長の愛弟子で
有能な“レイナ”を手中に収めるべく“オウガ”が彼女のしがらみへと足を踏み入れます。
(イラスト:へりがる 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/villain-scion/322304001129.html 】
“カレン”と“マシロ”の正妻論争が早くも勃発して微笑ましい一方で、“フローネ”の
野心が“レイナ”の心に暗い影を落とす何とも苦々しい導入部。学院長の方がまだ上手な
“オウガ”が先々を見据えつつ、“レイナ”個人をしっかりと評価していく様子が好感触。
“フローネ”の願いを叶えるために在る、と存在意義を定義づけてしまった“レイナ”が
“オウガ”の言動に対して執心と諦念の感情をくゆらせる様子がいじらしくて。それ故に
彼女の心の頸木を断つ契機となる学院魔術対抗戦での圧倒的な戦いっぷりは爽快でお見事。
“レイナ”と“フローネ”の関係はそれだけでは剥がせない、ということで“オウガ”は
命を賭けた大勝負に出るワケですが・・・今回の顛末を締めくくる上で実に熱く、印象深い。
彼の思い描く未来予想図からまた一歩踏み外した展開、その続きを綴る次巻が楽しみです。
2023年10月17日
2023年10月16日
『この青春にはウラがある!2』
岸本和葉 先生が贈る“完璧な高校生活”の裏側を描く学園ラブコメ。第2巻は体育祭に
向け夏休みから準備を進める生徒会の面々と共に“夏彦”がドタバタする顛末を描きます。
(イラスト:Bcoca 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/haru_ura/322305000498.html 】
念入りな準備期間を設ける生徒会に向けられる期待度の高さと、昨年は“唯”と“紫藤”
だけでこなしていた、という点に驚かされます。そんな中でリーダーシップを発揮したり
失態を晒したりする“唯”が面白く、そんな彼女にやや厳しめな“紫藤”の言動に苦笑い。
良き目に、憂き目に遭いながら生徒会の仕事へと勤しむ“夏彦”に粉をかける“ルミ”と
それが気に入らない“ひより”、2人の駆け引きが熱を帯びてくる所も注目。何だかんだ
言いながら彼の感性に一目置いている“ひより”の心情が垣間見える場面も見逃せません。
体育祭で生徒会の面々とも激しい戦いを繰り広げることになる“龍山”が、彼氏ができて
変わりゆく象徴のように描かれるのに対し、体育祭にまつわるジンクスでも心が動かない
“夏彦”の態度が印象的。彼の心に「特別」な想いは生まれるのか、続く展開に注目です。
向け夏休みから準備を進める生徒会の面々と共に“夏彦”がドタバタする顛末を描きます。
(イラスト:Bcoca 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/haru_ura/322305000498.html 】
念入りな準備期間を設ける生徒会に向けられる期待度の高さと、昨年は“唯”と“紫藤”
だけでこなしていた、という点に驚かされます。そんな中でリーダーシップを発揮したり
失態を晒したりする“唯”が面白く、そんな彼女にやや厳しめな“紫藤”の言動に苦笑い。
良き目に、憂き目に遭いながら生徒会の仕事へと勤しむ“夏彦”に粉をかける“ルミ”と
それが気に入らない“ひより”、2人の駆け引きが熱を帯びてくる所も注目。何だかんだ
言いながら彼の感性に一目置いている“ひより”の心情が垣間見える場面も見逃せません。
体育祭で生徒会の面々とも激しい戦いを繰り広げることになる“龍山”が、彼氏ができて
変わりゆく象徴のように描かれるのに対し、体育祭にまつわるジンクスでも心が動かない
“夏彦”の態度が印象的。彼の心に「特別」な想いは生まれるのか、続く展開に注目です。
2023年10月13日
『ストライク・ザ・ブラッド APPEND4』
三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。DVD・BD購入特典や企画本等が
初出の作品に新作書き下ろしを加え、短篇・掌篇17本を収録した番外篇第四弾となります。
(イラスト:マニャ子 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/stb/322303000992.html 】
“古城”にとってのラッキースケベという災難に見舞われてばかりだな、と数々の小編に
おいて様々な姿を晒す“雪菜”を見て思ったりします。マニャ子 先生の挿絵も相まって
コスプレをさせられているとも言えますが、我々にとっても眼福なので良しということで。
“雪菜”が“古城”に対してやきもきするいつもの仕草だけでなく“古城”が“雪菜”に
対してモヤッとするケースも含まれているのが興味深い。その合間に“紗矢華”が色々と
やらかしてくれるエピソードとかも大好物です。内政ものとかも確かに珍しい逸話でした。
物語の隙間を埋める短編や、ラストの匂わせぶりなプロローグなど、読んでニヤリとする
場面が多いのも見どころ。「異世界ストブラ」は何かの折にぜひ実現してほしい企画です。
特典での参照に限られた話が読める機会を与えてくれる関係者の方々に御礼申し上げます。
初出の作品に新作書き下ろしを加え、短篇・掌篇17本を収録した番外篇第四弾となります。
(イラスト:マニャ子 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/stb/322303000992.html 】
“古城”にとってのラッキースケベという災難に見舞われてばかりだな、と数々の小編に
おいて様々な姿を晒す“雪菜”を見て思ったりします。マニャ子 先生の挿絵も相まって
コスプレをさせられているとも言えますが、我々にとっても眼福なので良しということで。
“雪菜”が“古城”に対してやきもきするいつもの仕草だけでなく“古城”が“雪菜”に
対してモヤッとするケースも含まれているのが興味深い。その合間に“紗矢華”が色々と
やらかしてくれるエピソードとかも大好物です。内政ものとかも確かに珍しい逸話でした。
物語の隙間を埋める短編や、ラストの匂わせぶりなプロローグなど、読んでニヤリとする
場面が多いのも見どころ。「異世界ストブラ」は何かの折にぜひ実現してほしい企画です。
特典での参照に限られた話が読める機会を与えてくれる関係者の方々に御礼申し上げます。
2023年10月12日
『ソード・オブ・スタリオン2 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』
三雲岳斗 先生が贈る異世界戦記ファンタジー。第2巻は“ラス”のことを事前に察知した
“ティシナ”の謎と、周囲に渦巻く陰謀を探るべく“フィアールカ”も直接乗り込みます。
(イラスト:マニャ子 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/swordofstallion/322303000991.html 】
“フィアールカ”の類推から、“ティシナ”の意図がようやく見えてきた今巻。その上で
一計を案じてくる“フィアールカ”も中々の食わせ者。“ラス”の件も含めて良き好敵手
のような関係を築く流れが興味深い。“カナレイカ”の振舞いもブレないところが面白い。
“ティシナ”が語るシャルギア王国の命運に関わる一大事に対して“ラス”が力を存分に
発揮する一連の顛末ではしっかりと熱いバトルを魅せてくれます。そんな彼もまた彼女の
胸の内にある目標を察して阻止に回る所で男気も示してくれます。これは惚れるのも納得。
巻末の閑話では、例の娼館に纏わる逸話について触れられており、特に“ラス”と師匠の
始まりに触れる短編はこの先、外伝として丸々一本シリーズが組めそうな雰囲気。物語を
一区切りつけたところで満足せず、着実に広げていってほしいと思う次第。期待してます。
“ティシナ”の謎と、周囲に渦巻く陰謀を探るべく“フィアールカ”も直接乗り込みます。
(イラスト:マニャ子 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/swordofstallion/322303000991.html 】
“フィアールカ”の類推から、“ティシナ”の意図がようやく見えてきた今巻。その上で
一計を案じてくる“フィアールカ”も中々の食わせ者。“ラス”の件も含めて良き好敵手
のような関係を築く流れが興味深い。“カナレイカ”の振舞いもブレないところが面白い。
“ティシナ”が語るシャルギア王国の命運に関わる一大事に対して“ラス”が力を存分に
発揮する一連の顛末ではしっかりと熱いバトルを魅せてくれます。そんな彼もまた彼女の
胸の内にある目標を察して阻止に回る所で男気も示してくれます。これは惚れるのも納得。
巻末の閑話では、例の娼館に纏わる逸話について触れられており、特に“ラス”と師匠の
始まりに触れる短編はこの先、外伝として丸々一本シリーズが組めそうな雰囲気。物語を
一区切りつけたところで満足せず、着実に広げていってほしいと思う次第。期待してます。
2023年10月11日
『吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ』
累計200万部を突破した 知念実希人 先生の本格医療ミステリー。「実業之日本社文庫」に
場を移して贈る新作は血液を抜かれた遺体が相次ぐ殺人事件の謎を“鷹央”が診断します。
(イラスト:いとうのいぢ 先生)
【 https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55834-9 】
吸血鬼連続殺人、という“鷹央”の食いつき必至な事件。その背景にある日本の恥部たる
悪しき制度への憤りが再びわきあがるほど、物語の中に組み込まれた構成の妙に驚嘆です。
類稀なる行動力でもって事件を追う彼女が見世物にされる様子は微笑ましい限りですけど。
失血死した遺体から連想される吸血鬼像。それに該当する人物の登場で本物がいるのでは
ないかという雰囲気を醸成しつつ、思いも寄らない疾患や血が必要となる理由が真犯人を
突き止めていく流れはレーベルを移しても変わらず圧巻。色々考えさせられる結末も見所。
真実を求めるためなら無理をも押し通す、“成瀬”や“桜井”でも止めることが叶わない
“鷹央”への抑止策が“真鶴”だけ、というのも危なっかしいので“小鳥遊”にも早い所
“鴻ノ池”の思惑に乗ってその役割を担ってほしい気はします。続きも楽しみであります。
場を移して贈る新作は血液を抜かれた遺体が相次ぐ殺人事件の謎を“鷹央”が診断します。
(イラスト:いとうのいぢ 先生)
【 https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55834-9 】
吸血鬼連続殺人、という“鷹央”の食いつき必至な事件。その背景にある日本の恥部たる
悪しき制度への憤りが再びわきあがるほど、物語の中に組み込まれた構成の妙に驚嘆です。
類稀なる行動力でもって事件を追う彼女が見世物にされる様子は微笑ましい限りですけど。
失血死した遺体から連想される吸血鬼像。それに該当する人物の登場で本物がいるのでは
ないかという雰囲気を醸成しつつ、思いも寄らない疾患や血が必要となる理由が真犯人を
突き止めていく流れはレーベルを移しても変わらず圧巻。色々考えさせられる結末も見所。
真実を求めるためなら無理をも押し通す、“成瀬”や“桜井”でも止めることが叶わない
“鷹央”への抑止策が“真鶴”だけ、というのも危なっかしいので“小鳥遊”にも早い所
“鴻ノ池”の思惑に乗ってその役割を担ってほしい気はします。続きも楽しみであります。