佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。小冊子付き特装版と同時刊行の書き下ろし
短編集第2弾は“周”と“真昼”が互いの知らない部分を知って絆を深める様を描きます。
(イラスト:はねこと 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815621759/ 】
【 https://otonarino-tenshisama.jp/ 】
“周”の胃袋を掴むための料理レシピの数々。誰に対しても敬語を崩さない距離の取り方。
“真昼”が今の“真昼”であるために重要な存在、家事代行と家庭教師を務めた“小雪”。
いつか来るその日のために、と準備を促してきた彼女の気遣いが実に現実的で、優しくて。
傍から見た“周”と“真昼”は同棲カップルに見えるでしょ、と当然のようなツッコミを
入れつつ。そんな2人の絆を受け入れている“志保子”と、何より覚悟完了な“修斗”の
あの珍しいまでに憤りを外に内にと見せた機微が印象深い。素敵なご両親だと素直に感服。
どんなエピソードであろうが安心して見ていられる“周”と“真昼”が遭遇するifな話を
収録した小冊子。やはり「ある日目が覚めたら」はやっておきたい話ですよね、と大満足。
はねこと 先生のイラストギャラリーと併読すれば幸福感に満ち溢れること間違いなしです。
2023年09月22日
2023年09月21日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 19』
大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
ドラマCD付き特装版と同時刊行の第19巻は新章「学区編」で“ベル”の成長を描きます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815619701/ 】
【フレイヤ・ファミリア】事実上の解体から始まるどんちゃん騒ぎ。“ベル”を巡る恋の
駆け引きも範囲が広がってスラップスティックな雰囲気で面白い。その彼に新たな騒動の
種を蒔くのは“ヘルメス”。戦争遊戯の次は『学区』に偽名で潜入とは彼も実に忙しない。
“エイナ”の妹“ニイナ”も所属する歴代最底辺の小隊「第三小隊」を、第一級冒険者と
なるまでに培ってきた経験をもって陰ながら後押しする“ベル”。その結果、“リリ”も
驚く戦術眼を身につける彼の姿からは「冒険者の答え」の体現が窺えて驚嘆するばかりで。
“レオン”に託された“ニイナ”の問題にも真摯に向き合って「修学旅行」で解決を図る
段取りは「ダンまち」でありながらしっかりと学園モノな構成に仕上げているのがお見事。
夢追い人となった彼女の未来と共に「ラピの学生証」の補足を気にしつつ次巻を待ちます。
ドラマCD付き特装版と同時刊行の第19巻は新章「学区編」で“ベル”の成長を描きます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815619701/ 】
【フレイヤ・ファミリア】事実上の解体から始まるどんちゃん騒ぎ。“ベル”を巡る恋の
駆け引きも範囲が広がってスラップスティックな雰囲気で面白い。その彼に新たな騒動の
種を蒔くのは“ヘルメス”。戦争遊戯の次は『学区』に偽名で潜入とは彼も実に忙しない。
“エイナ”の妹“ニイナ”も所属する歴代最底辺の小隊「第三小隊」を、第一級冒険者と
なるまでに培ってきた経験をもって陰ながら後押しする“ベル”。その結果、“リリ”も
驚く戦術眼を身につける彼の姿からは「冒険者の答え」の体現が窺えて驚嘆するばかりで。
“レオン”に託された“ニイナ”の問題にも真摯に向き合って「修学旅行」で解決を図る
段取りは「ダンまち」でありながらしっかりと学園モノな構成に仕上げているのがお見事。
夢追い人となった彼女の未来と共に「ラピの学生証」の補足を気にしつつ次巻を待ちます。
2023年09月20日
『ツンデレ魔女を殺せ、と女神は言った。』
「こんな可愛い許嫁がいるのに、他の子が好きなの?」の ミサキナギ 先生が贈る新作は
異世界転生して杖になったツンデレ愛好家の少年が世界の鍵を握る学園ファンタジーです。
(イラスト:米白粕 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tnmajyo/322208000009.html 】
バレンタインデーで幼馴染から貰ったチョコを本命と勘違いして怒られ、失意の内に遭遇
した事故から気付けば杖となって埋もれていた“俺”。拾ってくれた“ステラ”が見せる
ツンデレキャラの言動に幼馴染とは違う本物を感じた彼は全力で推しに掛かるのだが──。
“俺”こと杖に宿る精霊“オタク”と称される主人公を語り部として ミサキナギ 先生の
ツンデレキャラに対する愛がこれでもかと詰め込まれているのが分かる本作。言われると
全面にツンデレで押してくるヒロインは新鮮に映る気がします。温故知新とも言えるかも。
“ステラ”が“フィーナ”との関わりなどを通じて「嫌われステラ」と揶揄される自分を
変えようと頑張る中、“オタク”に彼女を殺すよう指示する“女神”の胡散臭さに対して
彼がどう対応するか、が見どころ。彼が彼女をどこまで推せるのか、次巻以降も注目です。
異世界転生して杖になったツンデレ愛好家の少年が世界の鍵を握る学園ファンタジーです。
(イラスト:米白粕 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tnmajyo/322208000009.html 】
バレンタインデーで幼馴染から貰ったチョコを本命と勘違いして怒られ、失意の内に遭遇
した事故から気付けば杖となって埋もれていた“俺”。拾ってくれた“ステラ”が見せる
ツンデレキャラの言動に幼馴染とは違う本物を感じた彼は全力で推しに掛かるのだが──。
“俺”こと杖に宿る精霊“オタク”と称される主人公を語り部として ミサキナギ 先生の
ツンデレキャラに対する愛がこれでもかと詰め込まれているのが分かる本作。言われると
全面にツンデレで押してくるヒロインは新鮮に映る気がします。温故知新とも言えるかも。
“ステラ”が“フィーナ”との関わりなどを通じて「嫌われステラ」と揶揄される自分を
変えようと頑張る中、“オタク”に彼女を殺すよう指示する“女神”の胡散臭さに対して
彼がどう対応するか、が見どころ。彼が彼女をどこまで推せるのか、次巻以降も注目です。
2023年09月19日
『姫騎士様のヒモ5』
白金透 先生が贈る異世界ノワール。第5巻は死んだはずの仲間、厄介者の“ナタリー”が
“マシュー”の前に現れ、“アルウィン”や街が抱えるトラブルに拍車をかけていきます。
(イラスト:マシマサキ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/himekishisamanohimo/322303001017.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01203322010000_68/ 】
“アルウィン”の迷宮病が悪化していく一方で“ニコラス”の解毒薬作りは金不足で頓挫。
心が逸る“マシュー”には「姫騎士様のヒモ」を悪し様に言う者たちから嫌がらせが横行。
そこに“ナタリー”が起こす迷惑の被害が重なって泣きっ面に蜂状態の彼には思わず同情。
街では“グレゴリー”が捕縛され、“エイプリル”は彼の隠し財産目当てで命を狙われる。
降りかかる悪意の数々に彼女が語る夢を諦めそうになる所を“マシュー”なりのやり方で
一笑に付することなく、真摯に向き合って軌道修正を図っていく一連のやり取りが印象的。
たったひとつの冴えたやりかた、とまではいかなくとも今回のバカ騒ぎに“マシュー”が
なんやかんやとケリをつけていく展開はまさに爽快。丸く収まった結末を“ナタリー”の
二つ名の通り想定外の勢いでひっくり返された彼が陥る窮地から這い上がれるか注目です。
“マシュー”の前に現れ、“アルウィン”や街が抱えるトラブルに拍車をかけていきます。
(イラスト:マシマサキ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/himekishisamanohimo/322303001017.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01203322010000_68/ 】
“アルウィン”の迷宮病が悪化していく一方で“ニコラス”の解毒薬作りは金不足で頓挫。
心が逸る“マシュー”には「姫騎士様のヒモ」を悪し様に言う者たちから嫌がらせが横行。
そこに“ナタリー”が起こす迷惑の被害が重なって泣きっ面に蜂状態の彼には思わず同情。
街では“グレゴリー”が捕縛され、“エイプリル”は彼の隠し財産目当てで命を狙われる。
降りかかる悪意の数々に彼女が語る夢を諦めそうになる所を“マシュー”なりのやり方で
一笑に付することなく、真摯に向き合って軌道修正を図っていく一連のやり取りが印象的。
たったひとつの冴えたやりかた、とまではいかなくとも今回のバカ騒ぎに“マシュー”が
なんやかんやとケリをつけていく展開はまさに爽快。丸く収まった結末を“ナタリー”の
二つ名の通り想定外の勢いでひっくり返された彼が陥る窮地から這い上がれるか注目です。
2023年09月18日
『飯楽園―メシトピア― 崩食ソサイエティ』
「はたらく魔王さま!」「ドラキュラやきん!」の 和ヶ原聡司 先生が贈る新作は第三次
大戦後に瓦解した日本において義務付けられた過剰な健康志向を巡る階級闘争を描きます。
食と自由を巡るメシ×ディストピア・ストーリーです。
(イラスト:とうち 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/meshitopia/322303000999.html 】
アディクター(反健康主義者)を取締まる食料国防隊の係長“弥登”は反撃に遭って傷を
負い、捕虜となった彼女は敵の施しにも手を出さず、瀕死の状態に陥る。“ニッシン”が
差し出すカップラーメンをやむなく食した彼女は心に消せない味と爪痕を残すのだが──。
行き過ぎた管理社会が生み出す軋轢と人間ドラマ。和ヶ原 先生の実体験をもとに描かれる
物語にグイグイ惹き込まれていきます。“ニッシン”との出会い、そして再会をきっかけ
として「食糧安全維持法」について自問していく“弥登”の葛藤、その機微が実に印象的。
“ニッシン”もアディクターとしては毛色の違う言動、思考の持ち主であることが窺えて
“弥登”からアレされちゃうのも納得。というか名前が色々と狙いすぎていて面白すぎる。
アニメ化は当然として、ドラマ化すら狙えそうな熱量を持つシリーズの続きに期待大です。
大戦後に瓦解した日本において義務付けられた過剰な健康志向を巡る階級闘争を描きます。
食と自由を巡るメシ×ディストピア・ストーリーです。
(イラスト:とうち 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/meshitopia/322303000999.html 】
アディクター(反健康主義者)を取締まる食料国防隊の係長“弥登”は反撃に遭って傷を
負い、捕虜となった彼女は敵の施しにも手を出さず、瀕死の状態に陥る。“ニッシン”が
差し出すカップラーメンをやむなく食した彼女は心に消せない味と爪痕を残すのだが──。
行き過ぎた管理社会が生み出す軋轢と人間ドラマ。和ヶ原 先生の実体験をもとに描かれる
物語にグイグイ惹き込まれていきます。“ニッシン”との出会い、そして再会をきっかけ
として「食糧安全維持法」について自問していく“弥登”の葛藤、その機微が実に印象的。
“ニッシン”もアディクターとしては毛色の違う言動、思考の持ち主であることが窺えて
“弥登”からアレされちゃうのも納得。というか名前が色々と狙いすぎていて面白すぎる。
アニメ化は当然として、ドラマ化すら狙えそうな熱量を持つシリーズの続きに期待大です。