彩月レイ 先生の「第15回講談社ラノベ文庫新人賞・佳作」受賞作。剣と魔法の世界で悪事
を働く冒険者から信用詐欺で金品を巻き上げるシスターの過酷で果敢な生き様を描きます。
(イラスト:珀石碧 先生)
【 https://lanove.kodansha.co.jp/books/2023/7/1.html 】
「勇者よ、死んでしまうとは情けない」ダンジョン近くの大聖堂へ運ばれた冒険者たちに
シスター“レイチェル”が示す蘇生代は一人百万ゴールドの大金。更なる金と宿敵を求め
彼女はS級ダンジョンの街を訪れ、冒険者に虐げられる“セイラ”を見て手を貸すが──。
金のためなら何でもする“レイチェル”を見て呆れつつも良心をもって接する“セイラ”。
えげつない詐欺の手口を前に醜い本性を晒していく冒険者たちと、奇妙な友人関係を構築
していく2人の様子が対称的に描かれる中、勇者“ソーイ”の登場で急転する展開に驚き。
壮絶な過去を引きずる“レイチェル”が金に固執する理由。その金がどれだけあろうとも
太刀打ちできない宿敵に抱く彼女の無力感たるや。それを慮る“セイラ”が魅せる立ち居
振舞いをぜひご覧いただきたい。バディものとしても楽しめる本作、お薦めしておきます。