池田明季哉 先生が贈る、少し不思議な青春ストーリー。第2巻は「エクソシスト」として
活動を続ける“有葉”が今度は“三雨”に憑いた悪魔と、彼女の抱く願いに向き合います。
(イラスト:ゆーFOU 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/aohaldevil/322206001004.html 】
“衣緒花”が願いをヘアピンに託す姿が願掛けにも似た彼女の思惑を象徴するかのようで。
なのに“有葉”とは“三雨”の願望が絡み合ってギクシャクするばかりで実にもどかしい。
“佐伊”先生に助言を求めるほど悩む彼に“有葉”が落第の印を押すことになるのが驚き。
第一章冒頭のやり取り、何よりあのヘアピンが喚起する違和感。“三雨”が抱く劣等感を
印象づけながら、彼女自身が願いを叶えるために頑張る流れを作っていくのが微笑ましい。
憑物を意識したあの見開き挿絵も映えるというもの。あと“ウミ”先輩、いいひとですわ。
触発された“有葉”もまた変わろうとする姿に熱いものを感じずにはいられない訳ですが、
“衣緒花”に憑いていた悪魔“アミー”について“佐伊”先生の言っていた言葉が巻末で
思い返される形になる、その気になる意味を求めるべく次巻の刊行を待ちたいと思います。