彩月レイ 先生の「第29回電撃小説大賞・金賞」受賞作。女神によって現れる勇者が魔物と
錯覚して人に襲いかかるのを食い止めるために戦い続ける勇者殲滅部隊の活動を描きます。
(イラスト:りいちゅ 先生 クリーチャーデザイン:劇団イヌカレー(泥犬))
【 https://dengekibunko.jp/product/hero-syndrome/322210000100.html 】
少年はある日突然、異世界に転生して女神から「勇者」として魔族を倒すよう依頼される。
早速襲ってきたゴブリンをスキルで圧倒・・・する彼の姿こそ異形。“アズマ”率いる部隊が
「勇者」と戦う様子を観ていた研究職の“カグヤ”にその部隊への異動辞令が届くが──。
元人間の勇者を殺す点に特化する“アズマ”。勇者を人間に戻す研究に賭ける“カグヤ”。
呉越同舟、犬猿の仲な2人が勇者との戦いを通じてある可能性に気づき、共に女神に対抗
していこうとする過程でグイグイと心の距離が縮まって、信頼を築いていく雰囲気が良い。
女神の悪辣さに巻き込まれた「勇者」の形容しがたい異形ぶりを劇団イヌカレーの挿絵が
見事に演出できている点も注目。勇者に寄り添えると覚悟を決めた“カグヤ”が、勇者が
見られる限られた時間の中で“アズマ”と共に何を為せるのか、続きが気になる作品です。