鵜飼有志 先生が贈る、デスゲームに興じる人々の生き様を描く物語。第2巻は30回目の
ゲームで脱落するのか否か、「三十の壁」のジンクスに挑む“幽鬼”の顛末を描きます。
(イラスト:ねこめたる 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/shibouyugi/322209001591.html 】
「スクラップビル(10回目)」にてここぞとばかりにリーダーシップを発揮する“御城”。
前巻のエピソードやこれまでの経験を踏まえて“幽鬼”が彼女を格下だと分からせる展開
には舌を巻きます。「お情け」で助けられた“御城”が抱く劣等感はどれほどのものかと。
「ゴールデンバス(30回目)」で臥薪嘗胆の道を経て、打倒“幽鬼”の悲願を果たせるか。
これまた前巻の話が、今度は足枷となって“御城”に追いつめられる“幽鬼”も例の壁を
超えられないのか、とヒヤヒヤさせられました。彼女の軸のぶれ具合が気になるところで。
九十九を超える。その夢を描く過程は別に時系列に沿っていなくても成立するのが今作の
構成の妙でもあり、興味深い要素でもあって。プレイヤーへの〈運営〉、エージェントの
関わり方に空恐ろしさを感じさせる点も見逃せません。次もどう魅せてくるか楽しみです。