2023年02月02日

『狼と香辛料XXIV Spring LogVII』

完全新作アニメが制作決定している、支倉凍砂 先生が贈る元行商人“ロレンス”と賢狼
“ホロ”の旅物語。第7巻はサロニアを救ったことで起こる難題が彼らに降りかかります。
(イラスト:文倉十 先生)

https://dengekibunko.jp/product/spice-and-wolf/322209000250.html
https://hasekuraisuna.jp/


“ロレンス”によりサロニアで木材を安く調達できなくなった港町カーランが放つ二の矢。
彼がトーネブルク領の森林監督官“マイヤー”からその話を知り、領主“マチアス”から
かの港町と薄明の枢機卿との関係、その名代として“エーブ”の存在を知るからさあ大変。

“コル”たちを後援して穏やかにしてているのかと思えば“マチアス”らの話からすると
商売っ気を出してでマウントを取りに来ているという“エーブ”。揺れ動く社会情勢の中、
彼女が悪いワケじゃない、という話を前にしても安易に乗らないのが流石は“ロレンス”。

煮え湯を飲まされる、というほどでもないにせよ、思惑通りに事が進まない“エーブ”に
思わず同情したくもなる今回の顛末。“コル”たちのことを慮る彼女だからこそ贈られる
助言を“ロレンス”たちがどう受け止め、道を進んでいくのか注目しておきたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2023年02月01日

『死亡遊戯で飯を食う。2』

鵜飼有志 先生が贈る、デスゲームに興じる人々の生き様を描く物語。第2巻は30回目の
ゲームで脱落するのか否か、「三十の壁」のジンクスに挑む“幽鬼”の顛末を描きます。
(イラスト:ねこめたる 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/shibouyugi/322209001591.html


「スクラップビル(10回目)」にてここぞとばかりにリーダーシップを発揮する“御城”。
前巻のエピソードやこれまでの経験を踏まえて“幽鬼”が彼女を格下だと分からせる展開
には舌を巻きます。「お情け」で助けられた“御城”が抱く劣等感はどれほどのものかと。

「ゴールデンバス(30回目)」で臥薪嘗胆の道を経て、打倒“幽鬼”の悲願を果たせるか。
これまた前巻の話が、今度は足枷となって“御城”に追いつめられる“幽鬼”も例の壁を
超えられないのか、とヒヤヒヤさせられました。彼女の軸のぶれ具合が気になるところで。

九十九を超える。その夢を描く過程は別に時系列に沿っていなくても成立するのが今作の
構成の妙でもあり、興味深い要素でもあって。プレイヤーへの〈運営〉、エージェントの
関わり方に空恐ろしさを感じさせる点も見逃せません。次もどう魅せてくるか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル