TVアニメ化企画が進む 細音啓 先生の人類VS神々の至高のファンタジー頭脳戦。第6巻は
世界最強チームに対する疑惑を確認すべく“フェイ”たちが神秘法院本部へ乗り込みます。
(イラスト:智瀬といろ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/kami_to_game/322209001593.html 】
神々に十勝したとき貰えるご褒美。その具体的な内容について触れられていなかったのも
驚きでしたが、そこに乗ってくる“レーシェ”の思惑に改めて“フェイ”との接点を予感
させる匂わせ方が俄然、気になります。彼女の不安定さ、その所以も注視が必要そうです。
“ヘレネイア”たちは神か否か。それを確かめる鍵となる“ウロボロス”のコントロール
もお手の物な“ミランダ”には流石の一言。まさか“パール”にその流れを崩されるとは
話運びも絶妙な調整具合。にも拘わらず手札を明かしてくる最強チームの思惑が興味深い。
画して再会した“ケイオス”に試されるように一戦交える“フェイ”。駆け引きで魅せる
ゲーム展開と共に、商売っ気あるメタ的な発言に更なる可能性を求める貪欲な姿が窺えて
思わずニヤリとしました。過去と現在を結ぶ秘密を共有した彼の次なる一手が楽しみです。
2023年02月09日
2023年02月08日
『精霊幻想記 23.春の戯曲』
北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第23巻は“リオ”たちが超越者のルールを覆す手を
探す一方、恋わずらいが燻ぶる“貴久”を目にする“美春”へ選択肢が突き付けられます。
(イラスト:Riv 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1626 】
“リオ”が“エリカ”の軌跡を辿るうちに気づいてしまった、彼女を聖女にさせた人の業。
彼があの場面で一言二言、余計なことを言いたくなるのも無理はなく。もう一つ、勇者が
力を引き出すきっかけについて推論を得たことがこの先、何かに繋がりそうな気がします。
“セリア”が今や遊撃手のように世界を駆け回る中、両親の“ローラン”と“モニカ”が
迫る悪意を前に決めた、果断にして勇断な選択。気苦労の絶えない“セリア”に気を遣う
“アリア”、そして“リーゼロッテ”もまた先々を見据えて道を選んだ人たちでもあって。
“美春”が夢で強く勧められた「絶対に間違っていると思う選択をすること」という助言。
彼女に“貴久”が執着する理由にも触れられて、“トスカーナ”公爵が下した決断もまた
むべなるかなという局面で締め括られるエピローグがどんな争いを呼ぶのか、要注視です。
探す一方、恋わずらいが燻ぶる“貴久”を目にする“美春”へ選択肢が突き付けられます。
(イラスト:Riv 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1626 】
“リオ”が“エリカ”の軌跡を辿るうちに気づいてしまった、彼女を聖女にさせた人の業。
彼があの場面で一言二言、余計なことを言いたくなるのも無理はなく。もう一つ、勇者が
力を引き出すきっかけについて推論を得たことがこの先、何かに繋がりそうな気がします。
“セリア”が今や遊撃手のように世界を駆け回る中、両親の“ローラン”と“モニカ”が
迫る悪意を前に決めた、果断にして勇断な選択。気苦労の絶えない“セリア”に気を遣う
“アリア”、そして“リーゼロッテ”もまた先々を見据えて道を選んだ人たちでもあって。
“美春”が夢で強く勧められた「絶対に間違っていると思う選択をすること」という助言。
彼女に“貴久”が執着する理由にも触れられて、“トスカーナ”公爵が下した決断もまた
むべなるかなという局面で締め括られるエピローグがどんな争いを呼ぶのか、要注視です。
2023年02月07日
『完璧な俺の青春ラブコメ 1.ぼっち少女の救い方』
「たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。」シリーズ
の 藍藤唯 先生が贈る新作は、完璧超人な少年がしでかすハイスペック青春ラブコメです。
(イラスト:kodamazon 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202301seishun/322210001360.html 】
人助けと称して他人の問題に首を突っ込み続けた結果、資産を食い潰された父の姿を見て
反面教師とばかりに「完璧」であり続けることを目指す“五代”。しかし彼も父の悪癖を
継いでいて、クラスメイト“木下”の困り顔を見て見ぬふりができずに声を掛けるが──。
努力家だけど上手くいかない“木下”の頑張りを適切に成果へと結びつけていく“五代”。
鮮やかな手腕に助けられる彼女が彼に熱を上げるのは自然な流れにも関わらず、彼に全く
下心がない、というのが報われない。アプローチが空回りする“如月”の言動もせつない。
“五代”がいないと生きていけない、けど数多いる友だちの一人にしかなれない。そんな
現実を突きつけられた後に“木下”がとった行動には敬意を表したいところ。彼のことを
知り尽くしている悪友“雑賀”とのやり取りも興味深くて、続きが楽しみなシリーズです。
の 藍藤唯 先生が贈る新作は、完璧超人な少年がしでかすハイスペック青春ラブコメです。
(イラスト:kodamazon 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202301seishun/322210001360.html 】
人助けと称して他人の問題に首を突っ込み続けた結果、資産を食い潰された父の姿を見て
反面教師とばかりに「完璧」であり続けることを目指す“五代”。しかし彼も父の悪癖を
継いでいて、クラスメイト“木下”の困り顔を見て見ぬふりができずに声を掛けるが──。
努力家だけど上手くいかない“木下”の頑張りを適切に成果へと結びつけていく“五代”。
鮮やかな手腕に助けられる彼女が彼に熱を上げるのは自然な流れにも関わらず、彼に全く
下心がない、というのが報われない。アプローチが空回りする“如月”の言動もせつない。
“五代”がいないと生きていけない、けど数多いる友だちの一人にしかなれない。そんな
現実を突きつけられた後に“木下”がとった行動には敬意を表したいところ。彼のことを
知り尽くしている悪友“雑賀”とのやり取りも興味深くて、続きが楽しみなシリーズです。
2023年02月06日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18 小冊子付き特装版』
大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
第18巻は「戦争遊戯」の顛末を描き、その裏側を綴る小冊子付き特装版が同時刊行です。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815618711/ 】
圧力をかける【フレイヤ・ファミリア】、何より“オッタル”を前に劣勢の「派閥連合」。
加勢できない“フィン”が絶望しかける“リリ”に託す知識、そして「指揮官の心構え」。
彼女が“ヘディン”と繰り広げる頭脳戦、策の読み合いが予想外すぎてまず驚かされます。
圧巻の死闘を繰り広げる戦争遊戯。為す術なく終わりかけた瞬間にカサンドラが予言した
「風が吹く」あの演出は鳥肌もの。『アストレア・レコード』を間に挟む意味が、意義が
ここにありました。実況や解説に熱が入るたび、戦局の行方に目が離せなくのを覚えます。
圧倒的な紙幅の中で描かれる人間ドラマ、そして美の女神たる“フレイヤ”が望んだもの。
彼女を、“シル”を救うために全身全霊を捧げて辿り着いた結末にはもう胸が震えました。
小冊子で触れられる戦の断片も印象深い内容でお薦めです。続く新章も期待しておきます。
第18巻は「戦争遊戯」の顛末を描き、その裏側を綴る小冊子付き特装版が同時刊行です。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815618711/ 】
圧力をかける【フレイヤ・ファミリア】、何より“オッタル”を前に劣勢の「派閥連合」。
加勢できない“フィン”が絶望しかける“リリ”に託す知識、そして「指揮官の心構え」。
彼女が“ヘディン”と繰り広げる頭脳戦、策の読み合いが予想外すぎてまず驚かされます。
圧巻の死闘を繰り広げる戦争遊戯。為す術なく終わりかけた瞬間にカサンドラが予言した
「風が吹く」あの演出は鳥肌もの。『アストレア・レコード』を間に挟む意味が、意義が
ここにありました。実況や解説に熱が入るたび、戦局の行方に目が離せなくのを覚えます。
圧倒的な紙幅の中で描かれる人間ドラマ、そして美の女神たる“フレイヤ”が望んだもの。
彼女を、“シル”を救うために全身全霊を捧げて辿り着いた結末にはもう胸が震えました。
小冊子で触れられる戦の断片も印象深い内容でお薦めです。続く新章も期待しておきます。
2023年02月03日
『猫と竜 ねこじゃらし畑と皇竜への贈りもの』
シリーズ累計62万部を超す猫と竜、人間が紡ぐ日々を描く アマラ 先生のファンタジー作。
5冊目は「竜のまたたび」を求めて猫たちが奔走する話など5つの小編が収録となります。
(イラスト:大熊まい 先生)
【 https://tkj.jp/book/?cd=TD038722 】
四代目“モシャモシャ”が遭遇した事件の犯人探しを“チークロ”たちが手伝う逸話や、
探偵を目指す若き“ハッカ”が老猫“ミズバショウ”と出会って街のみんなの困りごとを
解決していく顛末など、今巻はシティアドベンチャー要素の強い小編ぞろいなのが面白い。
“コキア”が世話になる魔法の薬店、その店主“ノルエンダ”の為人が街の人の評判通り
だと分かる経緯が人情味あふれていて好感触。“ホタテグサ”の言い草も演出として絶妙。
“ガリー”が散歩がてら魔法学校で良い影響を享受しあえているのが窺えるのも嬉しい話。
「竜のまたたび」に纏わる話は今巻の総まとめみたいな騒がしさが感じられて実に楽しい。
「あなたの猫が『猫と竜』に登場!?」キャンペーンに関する アマラ 先生からの御礼文や
佐々木泉 先生のコミックスも巻末に掲載されていたりして、ボリューム満点の一冊です。
5冊目は「竜のまたたび」を求めて猫たちが奔走する話など5つの小編が収録となります。
(イラスト:大熊まい 先生)
【 https://tkj.jp/book/?cd=TD038722 】
四代目“モシャモシャ”が遭遇した事件の犯人探しを“チークロ”たちが手伝う逸話や、
探偵を目指す若き“ハッカ”が老猫“ミズバショウ”と出会って街のみんなの困りごとを
解決していく顛末など、今巻はシティアドベンチャー要素の強い小編ぞろいなのが面白い。
“コキア”が世話になる魔法の薬店、その店主“ノルエンダ”の為人が街の人の評判通り
だと分かる経緯が人情味あふれていて好感触。“ホタテグサ”の言い草も演出として絶妙。
“ガリー”が散歩がてら魔法学校で良い影響を享受しあえているのが窺えるのも嬉しい話。
「竜のまたたび」に纏わる話は今巻の総まとめみたいな騒がしさが感じられて実に楽しい。
「あなたの猫が『猫と竜』に登場!?」キャンペーンに関する アマラ 先生からの御礼文や
佐々木泉 先生のコミックスも巻末に掲載されていたりして、ボリューム満点の一冊です。