古宮九時 先生が贈る新作は、命に関わる禁忌と怪異が蔓延る地方都市で、凄惨な事件に
巻き込まれた妹を救うべく闘い続ける少年の数奇な運命と出会いを描く現代伝奇作品です。
(イラスト:二色こぺ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322209000254.html 】
妹の“花乃”が自室に籠るようになって半年、“蒼汰”が登校後に目にした血塗れの校舎。
謎の人物からの電話をもとに教室へ向かうと家にいるはずの彼女がそこに、生首だけ在る。
電話越しに「この街の怪奇を百体滅ぼせば、体を取り戻す機会が来る」と言われるが──。
「血汐事件」を境に次々と変わっていく“蒼汰”の生活、床辻という街、そして日本全土。
『床辻に住むと早死にする』と流布されるのも得心がいく怪奇現象の数々に驚かされつつ、
そんな状況でも妹のために孤軍奮闘する彼の妙な逞しさと勢いの良さに惹かれていきます。
“蒼汰”が渦中に出会う、あの明朗快活な“一妃”を「人でなし」と評価せざるを得ない
話の運び方は「流石は古宮先生」と言うほかなく。彼女のお家事情にも巻き込まれた彼が
望む未来に、「床辻 よい街」と真に思える現実に辿り着くことを祈りつつ続刊希望です。