漫画原作、シナリオライター等も手掛ける 中西鼎 先生が「ガガガ文庫」から贈る新作は
初めてキスをした従姉と疎遠になった少年の胸に残る、甘くて苦い初恋の行方を描きます。
(イラスト:にゅむ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531039 】
「四つ年上の従姉とキスをしたことがある」小学生の“幹隆”が友人についた嘘を現実の
ものとした中学受験を経て迎えた高校生活。今は連絡も取れない従姉“絢音”への想いを
残しつつ、新しい恋を見つけようとする彼は同級生の“凪夏”が気になり初めていて──。
“凪夏”とイイ感じに話が進んでいくかと思えば転校してきた従姉妹で双子の“伊緒”と
“眞耶”の隠しごとが、“幹隆”の抱く「好き」という気持ちの扱い方を揺れ動かしたり
筋道を立てさせたりする流れが興味深い。祖父“源一郎”の血筋が源にあるのかもですが。
“幹隆”以外も想いや願望が垣間見える中で、彼が改めて“絢音”と再会するという意味。
「誰かを愛したり愛されたりすることってね、世界を壊すことなんだよ」と彼女が言った
その意味をどこか楽しむかのような彼に未来のある好機が訪れることを願って止みません。