八目迷 先生が贈る、戸惑いの三角関係を描く物語。第3巻は“汐”に陸上部復帰を望む
“能井”、“アリス”に挑発を続ける“世良”、それぞれの感情の衝突に触れていきます。
(イラスト:くっか 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531046 】
“汐”は陸上部に戻ってきて当然、という思い上がりも甚だしい“能井”。そんな心情を
知った上で吹っ掛けられた勝負に臨む“汐”の強い意志と容赦無さが後腐れの無い結末を
導けたのだと思うと得心がいきます。その努力を信じる“咲馬”も安堵したことでしょう。
“汐”の今の姿が気に入らない“アリス”。不機嫌な理由を「汐が好きだったからだ」と
図星を突いた“世良”。彼がそのことを知っていた理由を周囲の人々に追究し続けていく
彼女の疑念が自身の立場を貶め、自己崩壊していく展開が目も当てられないほど痛々しい。
“汐”が抱く“咲馬”への好意。頑張ったお祝いついでにその心の深層に触れていく彼は
どんな思いを抱くのか。“世良”の思惑通りに落ちるところまで落ちきった“アリス”に
本当の意味での救いはあるのか。それぞれの複雑な心情も窺いつつ続きの刊行を待ちます。