平坂読 先生が贈る、変人たちの奇想天外おもしろ群像喜劇。第4巻は“望愛”の逮捕で
迷走する“リヴィア”の生き様を他所に“ブレンダ”が弁護人として全力を尽くします。
(イラスト:カントク 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530995 】
警察から取り調べを受ける間にも発揮される“望愛”の人心掌握術が改めて凄い。そんな
彼女を弁護する“ブレンダ”も裁判まで面倒を見る中で、下心丸出しながら優秀な成果を
出しつつ“リヴィア”を信奉する“望愛”に翻弄されまくる展開には同情を禁じ得ません。
人心掌握、と言えば中学生になった“サラ”が新天地でも地盤を固めつつ新たに“涼子”
と仲良くするやり取りがまた楽しい。彼女の場合は掌握、というより心の隙間に付け入る
感覚に近いかも。南北で特色が出る岐阜独特の文化に振り回される顛末も面白いところで。
悪ある所に“リヴィア”在り。すっかりクズ人生を歩みつつある彼女が出会った“命”は
彼女の心に重い枷を背負わせる兆しを見せていて注視が必要そう。微笑ましい展開の陰で
“ブレンダ”は「名を捨てて実を取る」ことができるのか、話の続きから目が離せません。
2023年01月04日
2023年01月03日
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦14』
細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。舞台化とその公演を終えて刊行する第14巻は
“帝国”と“皇庁”の和平より更に先を見据えて覚悟を決めた“イスカ”たちを描きます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322110001236.html 】
【 https://kimisentv.com/ 】
【 https://kimisen-stage.com/ 】
「星の災厄」を討つ。託された想いに“イスカ”が身を引き締める中、“キッシング”が
色々な意味で対抗意識を見せる冒頭が面白い。彼女の言動から“アリス”も油断ならない
展開を見せるところでコミカルに、シリアスに“ミスミス”へ注目が集まる点が興味深い。
“シャノロッテ”“ミゼルヒビィ”“ヴィソワーズ”、そして“タリスマン”。星霊に、
あるいは“イリーティア”に振り回される人々が“イスカ”たちと対峙していく過程で
“帝国”側、“皇庁”側という目線を超えて振る舞う“アリス”の力強い姿が印象深い。
「星の災厄」を討つこととその代償。“シスベル”にお遣いを頼む“ユンメルンゲン”の
強かなその意図を“ミラベア”、そして始祖がどう汲み取るか。更に“サリンジャー”は
介入してくるのか。“イリーティア”との決戦に臨む“イスカ”たちの行く末を追います。
“帝国”と“皇庁”の和平より更に先を見据えて覚悟を決めた“イスカ”たちを描きます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322110001236.html 】
【 https://kimisentv.com/ 】
【 https://kimisen-stage.com/ 】
「星の災厄」を討つ。託された想いに“イスカ”が身を引き締める中、“キッシング”が
色々な意味で対抗意識を見せる冒頭が面白い。彼女の言動から“アリス”も油断ならない
展開を見せるところでコミカルに、シリアスに“ミスミス”へ注目が集まる点が興味深い。
“シャノロッテ”“ミゼルヒビィ”“ヴィソワーズ”、そして“タリスマン”。星霊に、
あるいは“イリーティア”に振り回される人々が“イスカ”たちと対峙していく過程で
“帝国”側、“皇庁”側という目線を超えて振る舞う“アリス”の力強い姿が印象深い。
「星の災厄」を討つこととその代償。“シスベル”にお遣いを頼む“ユンメルンゲン”の
強かなその意図を“ミラベア”、そして始祖がどう汲み取るか。更に“サリンジャー”は
介入してくるのか。“イリーティア”との決戦に臨む“イスカ”たちの行く末を追います。
2023年01月02日
『剣と魔法の税金対策6』
SOW 先生が贈る異世界税制コメディ。電子限定配信となる第6巻は大魔王となった“クゥ”
に困惑する“ブルー”と“メイ”が「ゼイホウ」の理に基づく世界の真実と向き合います。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531008 】
邪神の力に取り込まれて悪堕ち展開、かと思えば“クゥ”の取る行動がちぐはぐで滑稽で。
その力を行使する彼女が知った邪神の真意。“アストライザー”が「ゼイホウ」に則って
この世界を創った、ということが弥が上にも分かる事実の数々。絶妙な設定に驚嘆します。
数十年と停滞し続けている現代日本。創造神と邪神、そして人々を今の日本における何に
あてはめればその縮図に見えるか。“クゥ”が示す喩話の意味、神に求める施策の意図が
必要な日本の国策に紐づくのもご理解いただけるかと。物語への落とし込みが素晴らしい。
やむを得ずとは言え「ゼイホウ」に介入した“クゥ”に課せられた枷。それすらも税制で
解決に導く結末は、創造神が「受け入れた」からこそ辿り着けた未来でもあることは言う
までもありません。「税」と向き合える必読書へと昇華した本作の完結に最大限の祝福を。
に困惑する“ブルー”と“メイ”が「ゼイホウ」の理に基づく世界の真実と向き合います。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531008 】
邪神の力に取り込まれて悪堕ち展開、かと思えば“クゥ”の取る行動がちぐはぐで滑稽で。
その力を行使する彼女が知った邪神の真意。“アストライザー”が「ゼイホウ」に則って
この世界を創った、ということが弥が上にも分かる事実の数々。絶妙な設定に驚嘆します。
数十年と停滞し続けている現代日本。創造神と邪神、そして人々を今の日本における何に
あてはめればその縮図に見えるか。“クゥ”が示す喩話の意味、神に求める施策の意図が
必要な日本の国策に紐づくのもご理解いただけるかと。物語への落とし込みが素晴らしい。
やむを得ずとは言え「ゼイホウ」に介入した“クゥ”に課せられた枷。それすらも税制で
解決に導く結末は、創造神が「受け入れた」からこそ辿り着けた未来でもあることは言う
までもありません。「税」と向き合える必読書へと昇華した本作の完結に最大限の祝福を。