立川浦々 先生が贈る、異世界エルフと邂逅した地方公務員の道義を描く異色作。第5巻は
“アリエル”の過去と、彼女の自立を促す“忍”の意思を前に“由奈”が一手を講じます。
(イラスト:楝蛙 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531015 】
“アリエル”と言葉によるコミュニケーションが少しずつ取れるようになってきた段階で
“忍”が「トビケン」メンバーとの邂逅を図る。これが彼女の存在根拠を明らかにすると
共に、生活保護制度監理を担う彼の「善意の異常性」を再認識させられる展開に驚きです。
親身になってくれる“由奈”に“環”が投げた問いかけ。一度は躱した“由奈”が今度は
別角度から追究する“アリエル”に対して表に裏に、感情を揺さぶられる様子には要注目。
“忍”と“アリエル”の「ダブルスタンダード」を見抜く洞察力はお見事と言うほかなく。
“由奈”が用意した“忍”への誕生日プレゼント。彼の部下として持てる能力を遺憾なく
発揮することで、彼が思い浮かべてすぐに破棄した「最悪なアイデア」を現実へと繋げる
徹底した嫌がらせぶりに、どこか胸がすくような思いがしました。続きも目が離せません。
2023年01月10日
2023年01月09日
『星美くんのプロデュースvol.1 陰キャでも可愛くなれますか?』
悠木りん 先生が贈る新作は、自分の可愛さを自負する高校生男子が女装している秘密を
知られてしまった女子を可愛く変化させていく過程を描くプロデュース系ラブコメです。
(イラスト:花ヶ田 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531060 】
美容に詳しい男子と周囲に評される“次郎”が隠している女装趣味。可愛さを求める心が
高じて服やコスメに悩む女子を見かけては女装姿で助言していることが噂になったある日、
「可愛い女の子にしてほしい」とお願いされた“心寧”に秘密がバレてしまうのだが──。
事あるごとに自分を卑下する“心寧”。可愛くなりたいという努力を否定しない“次郎”。
面倒くさい関係ながらも交わす言葉のやり取りが面白い。彼女が少しずつ変わっていく中、
その変化に自信が持てない根源となる問題に彼が触れていく過程が考えさせられる内容で。
コミュニケーションエラーの有無が進む道の明暗を分けた“次郎”と“心寧”。胸に残る
過去のわだかまりを彼女がどう乗り越えていくか、をぜひ見届けてもらいたい作品。更に
可愛くなりたい2人が契約を更新してどんな変身を魅せるのか、続きが楽しみであります。
知られてしまった女子を可愛く変化させていく過程を描くプロデュース系ラブコメです。
(イラスト:花ヶ田 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531060 】
美容に詳しい男子と周囲に評される“次郎”が隠している女装趣味。可愛さを求める心が
高じて服やコスメに悩む女子を見かけては女装姿で助言していることが噂になったある日、
「可愛い女の子にしてほしい」とお願いされた“心寧”に秘密がバレてしまうのだが──。
事あるごとに自分を卑下する“心寧”。可愛くなりたいという努力を否定しない“次郎”。
面倒くさい関係ながらも交わす言葉のやり取りが面白い。彼女が少しずつ変わっていく中、
その変化に自信が持てない根源となる問題に彼が触れていく過程が考えさせられる内容で。
コミュニケーションエラーの有無が進む道の明暗を分けた“次郎”と“心寧”。胸に残る
過去のわだかまりを彼女がどう乗り越えていくか、をぜひ見届けてもらいたい作品。更に
可愛くなりたい2人が契約を更新してどんな変身を魅せるのか、続きが楽しみであります。
2023年01月08日
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2022年下期」エントリー
恋は夜空をわたって(2)
【22下ラノベ投票/9784049145830】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189885316.html
春夏秋冬代行者 夏の舞(下)
【22下ラノベ投票/9784049139433】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189710634.html
楽園ノイズ(5)
【22下ラノベ投票/9784049143959】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189750923.html
100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。(2)
【22下ラノベ投票/9784815614515】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189773073.html
S級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。(2)
【22下ラノベ投票/9784065302804】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189973519.html
公務員、中田忍の悪徳(4)
【22下ラノベ投票/9784094530841】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189783559.html
剣と魔法の税金対策6
【22下ラノベ投票/97840945xxxxx】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/190038198.html
月の白さを知りてまどろむ
【22下ラノベ投票/9784434310638】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189963531.html
本好きの下剋上第五部「女神の化身X」
【22下ラノベ投票/9784866997186】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189984437.html
榮国物語 春華とりかえ抄(七)
【22下ラノベ投票/9784040737218】
→ 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/190021084.html
◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2022年下期
https://lightnovel.jp/best/2022_07-12/
2023年01月06日
『異世界薬局 9』
高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第9巻は新大陸で出会った“メレネー”との交流
を契機として異世界、そして元いた世界のことについて“ファルマ”が再考していきます。
(イラスト:keepout 先生)
【 https://mfbooks.jp/product/pharmacy/322209000015.html 】
呪術が使える“メレネー”から託された呪術師“ハリース”の手記。ここからも異世界と
“ファルマ”がいた世界との接点が見えてきたこと、彼女を理解者と認めたことを受けて
遂に誰でも扱える技術を軸とする価値観へ皆を移行させる彼の構想が加速したのが印象的。
「狂犬病」の顛末で有識者が示したやりとりは“ファルマ”の蒔いた種が実を結んだとも
言えるでしょうし、だからこそ安心して彼があの強硬策に打って出た、とも見て取れます。
それに異を唱えるのも有識者たち、特に“エレン”が実践して見せた場面が興味深い所で。
元いた世界の“薬谷完治”。“ファルマ”がその経緯を調べられるという謎、その意味も
理解した上で覚悟を決めた道の先に何があるのか。彼のことを“パッレ”が為すべきこと
は間に合うのか。運命の瞬間が迫る兆しと緊張感の高まりを感じつつ次巻刊行を待ちます。
を契機として異世界、そして元いた世界のことについて“ファルマ”が再考していきます。
(イラスト:keepout 先生)
【 https://mfbooks.jp/product/pharmacy/322209000015.html 】
呪術が使える“メレネー”から託された呪術師“ハリース”の手記。ここからも異世界と
“ファルマ”がいた世界との接点が見えてきたこと、彼女を理解者と認めたことを受けて
遂に誰でも扱える技術を軸とする価値観へ皆を移行させる彼の構想が加速したのが印象的。
「狂犬病」の顛末で有識者が示したやりとりは“ファルマ”の蒔いた種が実を結んだとも
言えるでしょうし、だからこそ安心して彼があの強硬策に打って出た、とも見て取れます。
それに異を唱えるのも有識者たち、特に“エレン”が実践して見せた場面が興味深い所で。
元いた世界の“薬谷完治”。“ファルマ”がその経緯を調べられるという謎、その意味も
理解した上で覚悟を決めた道の先に何があるのか。彼のことを“パッレ”が為すべきこと
は間に合うのか。運命の瞬間が迫る兆しと緊張感の高まりを感じつつ次巻刊行を待ちます。
2023年01月05日
『義妹生活7』
TVアニメの準備が進む、三河ごーすと 先生が贈る恋愛生活小説。第7巻はバレンタイン、
そしてシンガポールの修学旅行を経て“悠太”と“沙季”が恋人の距離を掴んでいきます。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/gimaiseikatsu/322209000041.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS13202353010000_68 】
【 https://www.youtube.com/channel/UCOQyW7GmCyTKwjCJEaTBWRw 】
バレンタインにおける一連の流れを踏まえて“悠太”が“沙季”と人前で触れ合うことが
どんな意味を持つのか考える、その思考が興味深い。一方で、“読売”先輩が彼に贈った
義理チョコを見て独占欲をかき立てられる“沙季”の翻弄される様子が微笑ましかったり。
修学旅行を機に、異文化交流として英会話に力を注ぐ“沙季”の努力が功を奏する展開で
出会った“メリッサ”の新鮮かつ刺激的すぎる価値観に動揺させられる彼女の機微がもう
思春期真っただ中のこそばゆさ。その感情を汲み取る“真綾”のフォローがまた秀逸です。
同じ場面に関して視点を交互に描写していく構成が特徴の本作で、旅行の3日目だけ順を
入れ替えたことで特に“悠太”が抱く心境の変化を強く印象づけた演出の妙が素晴らしい。
想いはまさに「伴侶」のそれ、そのものな2人に訪れる更なる「大きな変化」に注目です。
そしてシンガポールの修学旅行を経て“悠太”と“沙季”が恋人の距離を掴んでいきます。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/gimaiseikatsu/322209000041.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS13202353010000_68 】
【 https://www.youtube.com/channel/UCOQyW7GmCyTKwjCJEaTBWRw 】
バレンタインにおける一連の流れを踏まえて“悠太”が“沙季”と人前で触れ合うことが
どんな意味を持つのか考える、その思考が興味深い。一方で、“読売”先輩が彼に贈った
義理チョコを見て独占欲をかき立てられる“沙季”の翻弄される様子が微笑ましかったり。
修学旅行を機に、異文化交流として英会話に力を注ぐ“沙季”の努力が功を奏する展開で
出会った“メリッサ”の新鮮かつ刺激的すぎる価値観に動揺させられる彼女の機微がもう
思春期真っただ中のこそばゆさ。その感情を汲み取る“真綾”のフォローがまた秀逸です。
同じ場面に関して視点を交互に描写していく構成が特徴の本作で、旅行の3日目だけ順を
入れ替えたことで特に“悠太”が抱く心境の変化を強く印象づけた演出の妙が素晴らしい。
想いはまさに「伴侶」のそれ、そのものな2人に訪れる更なる「大きな変化」に注目です。