持崎湯葉 先生の「第14回GA文庫大賞・金賞」受賞作。高校デビューで陽キャに転じた
少年が陰キャな人々から好意を寄せられまくる、陰陽混合ネオ・アオハルコメディです。
(イラスト:にゅむ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815618667/ 】
中学時代に味わった異性への苦い思い出を糧に、努力を重ねて陽キャとなった“橋汰”。
ある日を境にクラスの陰キャ女子“遊々”から恋心を抱かれた彼は、好きな少女漫画の
キャラっぽくピンク髪のギャル風にイメチェンしてきた彼女に度肝を抜かされるが──。
“宇民”や“龍虎”も同様に気づかうことで「ラブコメの匂い」を漂わせることになる
“橋汰”の想定外なモテっぷりがまず面白い。彼にとっての本命である“カエラ”との
こそばゆい距離感にはニヨニヨさせられます。ここまでは陽キャを謳歌している風です。
本作の注目点は、陰キャと自分を卑下する“遊々”に心から救いの手を差し伸べるには
どうすればいいか。陽キャとは何か、陰キャとは何か、“橋汰”が自身の経験も踏まえ
選んだその手の行方を、ぜひ見届けてほしい作品です。晴々とする読了感、お試しあれ。
2023年01月24日
2023年01月23日
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8』
1月からTVアニメ放送を迎えた、佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第8巻は
“真昼”とのお泊りイベント発生で“周”が抱く彼女への想いと覚悟を改めて問われます。
(イラスト:はねこと 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815615963/ 】
【 https://otonarino-tenshisama.jp/ 】
ゼロとイチの境界線。それを越える意味と責任に“周”が真面目に向き合い続けている。
その覚悟を父“修斗”も受け止める準備ができている点が素晴らしくて。その時までに
「“真昼”へのプレゼント」を目標を据えるあたり、幸せオーラにあてられまくりです。
アルバイト先として選んだ喫茶店のオーナー“文華”もなかなか興味深い人物でしたが
やはり気になるのは先輩の2人、“大地”と“莉乃”の関係性を見守りたくなるところ。
出会ってすぐの“周”ですら察してしまうあたり、根が深すぎて空恐ろしくもあります。
“周”の隠しごとに気を揉む“真昼”の姿も可愛らしいものですけど、彼女から彼への
お返しとばかりに秘密にし続けていた「あれ」によってもたらされる笑顔の眩さたるや。
彼なりの愛情表現にも微笑ましいものを覚えながら、次巻もニヨニヨしたいところです。
“真昼”とのお泊りイベント発生で“周”が抱く彼女への想いと覚悟を改めて問われます。
(イラスト:はねこと 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815615963/ 】
【 https://otonarino-tenshisama.jp/ 】
ゼロとイチの境界線。それを越える意味と責任に“周”が真面目に向き合い続けている。
その覚悟を父“修斗”も受け止める準備ができている点が素晴らしくて。その時までに
「“真昼”へのプレゼント」を目標を据えるあたり、幸せオーラにあてられまくりです。
アルバイト先として選んだ喫茶店のオーナー“文華”もなかなか興味深い人物でしたが
やはり気になるのは先輩の2人、“大地”と“莉乃”の関係性を見守りたくなるところ。
出会ってすぐの“周”ですら察してしまうあたり、根が深すぎて空恐ろしくもあります。
“周”の隠しごとに気を揉む“真昼”の姿も可愛らしいものですけど、彼女から彼への
お返しとばかりに秘密にし続けていた「あれ」によってもたらされる笑顔の眩さたるや。
彼なりの愛情表現にも微笑ましいものを覚えながら、次巻もニヨニヨしたいところです。
2023年01月20日
『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います6』
香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する異世界コメディ。第6巻は
待望の長期休暇を目前に高揚する“アリナ”へ大量の残業と偽「処刑人」の影が迫ります。
(イラスト:がおう 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322209000244.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05202336010000_68/ 】
「立っている者は親でも使え」と故事にもあるとおり、溜まった業務を処理するためなら
“ナーシャ”だろうが偽「処刑人」だろうがこき使うのが“アリナ”。コメディ枠として
すでに定着した様子の“ナーシャ”に加え、偽「処刑人」の真意が読めないのが興味深い。
“シュラウド”は生きているのでは、という疑念を晴らすため“アリナ”が一時帰郷する
顛末では彼女の弟“アシュリー”の意思表示に思わずニヨニヨ。“ジェイド”も万事休す。
物語にも関わってくる存在で、今後の振舞いに注目、というか期待したい存在と言えます。
白銀のメンバーも虚仮にする強敵の登場に、“シュラウド”の死の真相に“アリナ”共々
驚かされっぱなしで、しかもまだまだ話し足りない【大賢者】の思惑も俄然、気になる所。
“シュラウド”の墓参りで一区切りつけた“アリナ”がどう動くのか、次巻も楽しみです。
待望の長期休暇を目前に高揚する“アリナ”へ大量の残業と偽「処刑人」の影が迫ります。
(イラスト:がおう 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322209000244.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05202336010000_68/ 】
「立っている者は親でも使え」と故事にもあるとおり、溜まった業務を処理するためなら
“ナーシャ”だろうが偽「処刑人」だろうがこき使うのが“アリナ”。コメディ枠として
すでに定着した様子の“ナーシャ”に加え、偽「処刑人」の真意が読めないのが興味深い。
“シュラウド”は生きているのでは、という疑念を晴らすため“アリナ”が一時帰郷する
顛末では彼女の弟“アシュリー”の意思表示に思わずニヨニヨ。“ジェイド”も万事休す。
物語にも関わってくる存在で、今後の振舞いに注目、というか期待したい存在と言えます。
白銀のメンバーも虚仮にする強敵の登場に、“シュラウド”の死の真相に“アリナ”共々
驚かされっぱなしで、しかもまだまだ話し足りない【大賢者】の思惑も俄然、気になる所。
“シュラウド”の墓参りで一区切りつけた“アリナ”がどう動くのか、次巻も楽しみです。
2023年01月19日
『声優ラジオのウラオモテ #08 夕陽とやすみは負けられない?』
TVアニメ化が決定した、二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第8巻は“乙女”率いる
「アルフェッカ」に挑む“夕陽”と“やすみ”がチーム内の結束と質の向上を図ります。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322207000036.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01201629010000_68/ 】
「オリオン」のリーダーを“夕陽”と“やすみ”のどちらにするか。お互いを信頼する
彼女たちらしい決め方から、思わぬ共同生活へと突入することによる絆の深まり具合に
思わず心温まるものを感じます。しっかりセクハラするところは抜かりなく素晴らしい。
「アルフェッカ」に勝ちたい。その想いに水を差すアイドル声優の仕事に対する忌避感
を示す“纏”に納得してもらうための材料が、“やすみ”の雑談の中にあったり、似た
感情を持つ“夕陽”の変遷の過程にあったりする所も2人の経験が活かされていて素敵。
アイドル声優をやっていてよかった。“やすみ”が“夕陽”に抱いてほしかった気持ち
を思いがけない場面で実現させる、あのアドリブ。「本当に嫌い」と“夕陽”が呟いた
その言葉尻に様々な気色が窺えて、感無量と言える結末。続く展開にも目が離せません。
「アルフェッカ」に挑む“夕陽”と“やすみ”がチーム内の結束と質の向上を図ります。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322207000036.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01201629010000_68/ 】
「オリオン」のリーダーを“夕陽”と“やすみ”のどちらにするか。お互いを信頼する
彼女たちらしい決め方から、思わぬ共同生活へと突入することによる絆の深まり具合に
思わず心温まるものを感じます。しっかりセクハラするところは抜かりなく素晴らしい。
「アルフェッカ」に勝ちたい。その想いに水を差すアイドル声優の仕事に対する忌避感
を示す“纏”に納得してもらうための材料が、“やすみ”の雑談の中にあったり、似た
感情を持つ“夕陽”の変遷の過程にあったりする所も2人の経験が活かされていて素敵。
アイドル声優をやっていてよかった。“やすみ”が“夕陽”に抱いてほしかった気持ち
を思いがけない場面で実現させる、あのアドリブ。「本当に嫌い」と“夕陽”が呟いた
その言葉尻に様々な気色が窺えて、感無量と言える結末。続く展開にも目が離せません。
2023年01月18日
『春夏秋冬代行者 暁の射手』
暁佳奈 先生が贈る、四季を顕現する者たちに纏わる物語。シリーズ第5巻は大和に朝を
もたらす「暁の射手」を担う少女“花矢”とその従者“弓弦”に関する逸話を綴ります。
(イラスト:スオウ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/syunkasyuutou/322207000042.html 】
“弓弦”が傍らにいる安寧と、守り人として彼の未来を縛っているのではと憂う“花矢”。
“花矢”に現人神の役割を負わせる責と、彼女に尽くすことにやりがいを感じる“弓弦”。
お互いを気遣うが故に、2人の間に横たわる溝が埋まらない関係の何ともどかしいことか。
朝をもたらす“花矢”と“弓弦”、2人だけの日常が崩されたらどうなるか。残された者、
家族を含めた反応の一つ一つが生々しくてつらい。「暗狼事件」の顛末が殊の外、今回の
事案に絡んでくる布石のような話運びが印象的で、特に“慧剣”の言動には驚かされます。
再び「日常」を取り戻すために、今回も代行者たちが力を合わせる展開には絆の深まりを
感じます。中でも“撫子”が暁と黄昏の射手たちにも敬意を表す場面は胸が熱くなります。
だからこそ“蒼糸”の粋な計らいには思わず笑みが零れるというもので。次巻も注目です。
もたらす「暁の射手」を担う少女“花矢”とその従者“弓弦”に関する逸話を綴ります。
(イラスト:スオウ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/syunkasyuutou/322207000042.html 】
“弓弦”が傍らにいる安寧と、守り人として彼の未来を縛っているのではと憂う“花矢”。
“花矢”に現人神の役割を負わせる責と、彼女に尽くすことにやりがいを感じる“弓弦”。
お互いを気遣うが故に、2人の間に横たわる溝が埋まらない関係の何ともどかしいことか。
朝をもたらす“花矢”と“弓弦”、2人だけの日常が崩されたらどうなるか。残された者、
家族を含めた反応の一つ一つが生々しくてつらい。「暗狼事件」の顛末が殊の外、今回の
事案に絡んでくる布石のような話運びが印象的で、特に“慧剣”の言動には驚かされます。
再び「日常」を取り戻すために、今回も代行者たちが力を合わせる展開には絆の深まりを
感じます。中でも“撫子”が暁と黄昏の射手たちにも敬意を表す場面は胸が熱くなります。
だからこそ“蒼糸”の粋な計らいには思わず笑みが零れるというもので。次巻も注目です。