2023年01月31日

『ひきこまり吸血姫の悶々10』

2023年のTVアニメ化が決定した、小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第10巻は
常世を救うため“スピカ”の因縁深い敵と仕組まれた悪意に“コマリ”が立ち向かいます。
(イラスト:りいちゅ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815619107/
https://hikikomari.com/


神聖レハイシア帝国の教皇“クレメソス”が、その異能によって耳にしてきた神様の言葉。
そこに“スピカ”の目標「引きこもりの楽園を創造する」の原点があって、“コマリ”が
彼女の想いに心から寄り添えるようになる展開が微笑ましい。“スピカ”も中々に強情で。

“ルクシュミオ”の謀略によって、今一度「テロリスト」として仕立てられた“コマリ”。
対峙する中で“スピカ”にある覚悟を決めさせた“コマリ”の本質を突く言葉としてそれ
をあてがう解釈が実に興味深く映りました。前巻における“フーヤオ”の顛末も踏まえて。

“スピカ”から未来を託された“コマリ”。“フーヤオ”の時とは違った形でそうなった
展開には安堵するものがありました。“コマリ”への執着を強くする“サクナ”の言動と
活躍に目を見張りつつ、“ヴィルヘイズ”たちとどんな道を歩んでいくのか。要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2023年01月30日

『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場4』

赤城大空 先生が贈るヒロイックファンタジー。第4巻は“クロス”との心の距離を縮める
“エリシア”を警戒した“リオーネ”たちが、修行と称して彼を遠征の旅に連れ出します。
(イラスト:タジマ粒子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094531114


“リオーネ”たちがスケベなイベントを仕込んで“クロス”に返り討ちに遭う一連の流れ。
高まり続ける彼女らの好感度、巻き添えを食う“ソルティ”の悲壮感が醸し出す面白さが
安定していて、読んでいて実に楽しいです。彼が着実に急成長を遂げているのも興味深い。

新たに登場した元S級冒険者“ロザリア”の元に身を寄せる“シルフィ”からの洗礼にも
めげず、彼女の心に歩み寄りを続ける“クロス”の信念が、目にまぶしいほど格好良くて。
その生い立ち故に狙われる彼女を救う過程で修行の成果をおさらいする構成がまたお見事。

“クロス”が特殊条件ダンジョンや拠点を攻略する手ほどきを受け、例の「魔神の遺産」
を駆使し、「死んでも守る」の境地を超えて強敵に挑むその姿には胸を熱くさせられます。
更なるスキル成長でも避けられない女縁に彼がどう向き合うかも含めて続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2023年01月27日

『神さま学校の落ちこぼれ 2』

日向夏 先生が贈るスピリチュアルスクールドラマ。第2巻は未だ謎な“ナギ”の神通力
を探る惟神學園の面々、超自然学派の思惑に彼女自身がどう向き合うかを描いていきます。
(イラスト:赤瓦もどむ 先生 制作協力:花とゆめ編集部)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2022/12/27-post-kamisama-2.html


“ツクヨミ”と“ガラン”、それぞれのアプローチで気付いた“ナギ”の神通力の稀有さ。
相談するのも躊躇われる“祖父江”の存在感が面白い。あと“ツクヨミ”のあの例え方が
コミュニケーション能力のなさを如実に表していて苦笑い。それにしても若すぎです、彼。

“ナギ”と“ツクヨミ”に興味津々な“ゴロウ”と“オルハ”、特に“オルハ”の強かで
狡猾なアプローチにやや嫌悪感を抱きそうになる所を体育祭や遊園地で「スサノオ会」が
接触してくる顛末の中で払拭してくれる構成に好感触。“ゴロウ”の胡散臭さもポイント。

“スサノオ”と“ツクヨミ”の会話から窺える、異なる未来の可能性。“猫田”の言動に
見られる一枚岩な「スサノオ会」の間隙。前巻から続いて衝撃的な事実を突き付けられる
“ナギ”を応援しつつ、“スサノオ”が何を視ていたのかを次巻以降で探りたいものです。

posted by 秋野ソラ at 01:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2023年01月26日

『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 6. じゃあ、今のままのアタシじゃダメなの?』

七菜なな 先生が贈る青春〈友情〉ラブコメディ。シリーズ7冊目は恋人関係になった
“悠宇”と“日葵”が今までの夢を追う熱量を失っていくことで生じる葛藤を描きます。
(イラスト:Parum 先生)

https://dengekibunko.jp/product/danjoru/322205000046.html


恋人では運命共同体になれない。“咲”や“雲雀”からの厳しい指摘に抗おうと両立を
図る“悠宇”と“日葵”の行動がちぐはぐな結果に結びついていく展開が実に痛々しい。
特に彼女が「夢のパートナー」の座を明け渡した意味を掴みきれていない言動がつらい。

文化祭で催すアクセサリー販売会。その一部始終を経て“悠宇”が抱いた違和感の根源
に気付く流れからも八方塞がりな雰囲気ばかりで、事態を好転させる明るい要素がない。
犬塚家の強烈な面々とか、“慎司”と“雲雀”のやり取りなんかはコミカルなんですが。

“悠宇”の「夢のパートナー」になりつつある“凛音”の姿に打ちひしがれる“日葵”。
今回登場した“芽依”の考え方やセンスに悪い刺激を受けてただ絶望に暮れる“悠宇”。
自分勝手な2人を他所に株を上げ続ける“凛音”の本気が物語をどう動かすか注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2023年01月25日

『見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん2』

神田暁一郎 先生が贈る身長差ラブコメ。第2巻はサッカー部で研鑽を重ねる“下野”が
思いがけない縁に恵まれる顛末と、その動向を気にする“高瀬”の繊細な機微を描きます。
(イラスト:たけの このよう。 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616311/


“下野”がサッカー部の女子部員“今朝丸”に気に入られてから醸し出す仲良しムードに
あてられて、ついむきになって「一番」を確かめに来る“高瀬”のなんと初々しいことか。
何気に“今朝丸”とラッキースケベな場面を味わっている彼がうらやまけしからんワケで。

サッカーが上手くなりたい、と願う“下野”が“今朝丸”の所属する女子サッカーチーム
でお世話になる“魚見”。現在より一歩先の自分を目指して努力する、彼のひたむきさに
惹かれていくスポーツ少女の変わりゆく様子がまた可愛らしい。彼は罪作りな少年ですな。

吹奏楽部が参加する音楽フェスで大役を任されることになる“高瀬”の晴れ舞台と重なる
“下野”のイベント。ふとした日常の風景において思い浮かべる陰影、追いかける目線の
先にいてほしい誰かを見定めた彼の選択に間違いはない、そう信じさせてくれるお話です。

posted by 秋野ソラ at 01:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル