白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第17巻は奨励会に入らずプロになる道を模索する
“あい”。スパコンが示す百年後の将棋に挑む“八一”。各々が進む孤独の道を描きます。
(イラスト:しらび 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815617905/ 】
将棋界を築いてきた歴史が拒む“あい”の夢。歩むほどに孤立していく彼女の姿は見るに
堪えないほど。でも、彼女の心を見守り、期待を寄せる人たちも出てきて救われる思いが
しましたし、あの揮毫と人々の歴史を信じて“碓氷”と対峙する姿はまさに圧巻、天晴れ。
《淡路》の棋譜が示す最悪な結末に抗い続ける“八一”。挫けそうになる彼の心を支える
“銀子”の存在、その愛の深さに感嘆するのも束の間、彼女の母“笙子”から告げられる
真実の重さで押し潰されそうになる彼の心に、そして未来に救いはあるのかが気になる所。
“あい”が行く道や、“八一”の心情すら俯瞰するような“天衣”。盤上の動きを優位に
進めているように見える彼女が見せる「絶望」とは。“創多”や“雷”抱く偏愛の行方は。
帰郷した“鏡洲”の選ぶ未来は。気になる点いっぱいな中で迎える運命の対局に注目です。
2022年12月23日
2022年12月22日
『りゅうおうのおしごと!16.5 〜あねでしのおしごと!〜【電子限定配信版】』
白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。TVアニメのBD・DVD特典小説を大幅加筆・修正し
電子書籍専売となる第16.5巻は、“八一”が竜王になる一戦を軸に物語の起点を綴ります。
(イラスト:しらび 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815618506/ 】
竜王戦第七局。“碓氷”竜王に挑む“八一”の勝負はもつれた末にあの「ひな鶴」の場へ。
二日制のタイトル戦に纏わるあれこれを、竜王を世話する女将“亜希奈”、解説者として
同行する“銀子”、未だ将棋に目覚めてもいない“あい”の目線から描かれるのが面白い。
「システム」を構築した“碓氷”との対局を通じて急成長を続ける“八一”を見て焦燥を
抱く“銀子”の機微が、後々への布石にも感じられるのが印象的で。そんな彼女を手玉に
取る“鵠”が相変わらずで何より。担当記者の領分として描かれる“和田”の顛末も見所。
BD・DVDの封入特典小説を読む機会のない身としても、この第16.5巻として読めることを、
また「第15.5巻」の試みが功を奏したからこその今巻があることを大変喜ばしく思います。
それぞれの「はじまり」が最新巻から先の展開でどう結びついていくのか、興味津々です。
電子書籍専売となる第16.5巻は、“八一”が竜王になる一戦を軸に物語の起点を綴ります。
(イラスト:しらび 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815618506/ 】
竜王戦第七局。“碓氷”竜王に挑む“八一”の勝負はもつれた末にあの「ひな鶴」の場へ。
二日制のタイトル戦に纏わるあれこれを、竜王を世話する女将“亜希奈”、解説者として
同行する“銀子”、未だ将棋に目覚めてもいない“あい”の目線から描かれるのが面白い。
「システム」を構築した“碓氷”との対局を通じて急成長を続ける“八一”を見て焦燥を
抱く“銀子”の機微が、後々への布石にも感じられるのが印象的で。そんな彼女を手玉に
取る“鵠”が相変わらずで何より。担当記者の領分として描かれる“和田”の顛末も見所。
BD・DVDの封入特典小説を読む機会のない身としても、この第16.5巻として読めることを、
また「第15.5巻」の試みが功を奏したからこその今巻があることを大変喜ばしく思います。
それぞれの「はじまり」が最新巻から先の展開でどう結びついていくのか、興味津々です。
2022年12月21日
『豚のレバーは加熱しろ(7回目)』
2023年のTVアニメ放送に向け準備が進む、逆井卓馬 先生の豚転生ファンタジー。第7巻は
世界を元に戻す命運を握る“セレス”の未来を護るべく“ジェス”たちが力を尽くします。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/butaliver/322208000011.html 】
【 https://butaliver-anime.com/ 】
超越臨界の解除方法は「契約の楔を身に宿す者」がいなくなること。“シュラヴィス”が
“ノット”への害意を暗喩し、“ジェス”たちが代替策を探すべく彼女と逃避行を続ける
中で度々“ノット”が示す自己肯定感の低さが一層際立つ展開で、見ていて痛々しいほど。
厳しい状況が続く逃避行の中で“ジェス”たちが再会した“シト”が語る「主君殺し」の
真意。イェスマという制度に対する憤りをあの形で示すしかなかったのかと思うと切ない。
こんなにも報われないことばかりの世界で“ノット”の辿り着いた道がせめてもの救いか。
主人公がラッキースケベなイベントもこなして一段落したかのように見える逃避行の顛末。
しかし忘れてはならない冒頭のやり取りと、彼のもとの世界における身体に迫る命の危機。
“ジェス”が手にしたあの紙が嫌でも思い出させるその瞬間とどう向き合うのか注目です。
世界を元に戻す命運を握る“セレス”の未来を護るべく“ジェス”たちが力を尽くします。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/butaliver/322208000011.html 】
【 https://butaliver-anime.com/ 】
超越臨界の解除方法は「契約の楔を身に宿す者」がいなくなること。“シュラヴィス”が
“ノット”への害意を暗喩し、“ジェス”たちが代替策を探すべく彼女と逃避行を続ける
中で度々“ノット”が示す自己肯定感の低さが一層際立つ展開で、見ていて痛々しいほど。
厳しい状況が続く逃避行の中で“ジェス”たちが再会した“シト”が語る「主君殺し」の
真意。イェスマという制度に対する憤りをあの形で示すしかなかったのかと思うと切ない。
こんなにも報われないことばかりの世界で“ノット”の辿り着いた道がせめてもの救いか。
主人公がラッキースケベなイベントもこなして一段落したかのように見える逃避行の顛末。
しかし忘れてはならない冒頭のやり取りと、彼のもとの世界における身体に迫る命の危機。
“ジェス”が手にしたあの紙が嫌でも思い出させるその瞬間とどう向き合うのか注目です。
2022年12月20日
『あした、裸足でこい。2』
岬鷺宮 先生が贈る青春×タイムリープストーリー。第2巻は今と昔の“千華”との関係
に困惑しつつ、彼女と親友“萌寧”との間に発生するわだかまりを“巡”が深掘りします。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/hadashidekoi/322203000070.html 】
“千華”もまた「最悪の結末」を避けるため何度も試行錯誤を重ねてきていることに加え
“巡”とは別々に「目的」を果たすべく動く、と宣告される驚き続きの導入部。今までと
違う「何か」を試そうとしている彼女に巻き込まれる彼への期待が高まるというものです。
“千華”の突飛な行動、その影響を強く受けることになる“萌寧”が抱く彼女への依存心。
夢に向かって動き始めている周囲を見て、焦りにも似た思いで始まった“千華”の夢探し。
“萌寧”の心の深い部分に触れ、その軸が思いがけない形に落ち着く一連の流れが面白い。
“千華”が「nito」として決定的に間違う瞬間に“萌寧”が関係すると気付いた“巡”の
懸命な「お願い」を受け入れた“千華”の振舞いが、挿絵の演出も含めて印象に残ります。
また一歩、違う未来へ進むであろう流れに更に一手打つ彼の布石がどう効くか、注目です。
に困惑しつつ、彼女と親友“萌寧”との間に発生するわだかまりを“巡”が深掘りします。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/hadashidekoi/322203000070.html 】
“千華”もまた「最悪の結末」を避けるため何度も試行錯誤を重ねてきていることに加え
“巡”とは別々に「目的」を果たすべく動く、と宣告される驚き続きの導入部。今までと
違う「何か」を試そうとしている彼女に巻き込まれる彼への期待が高まるというものです。
“千華”の突飛な行動、その影響を強く受けることになる“萌寧”が抱く彼女への依存心。
夢に向かって動き始めている周囲を見て、焦りにも似た思いで始まった“千華”の夢探し。
“萌寧”の心の深い部分に触れ、その軸が思いがけない形に落ち着く一連の流れが面白い。
“千華”が「nito」として決定的に間違う瞬間に“萌寧”が関係すると気付いた“巡”の
懸命な「お願い」を受け入れた“千華”の振舞いが、挿絵の演出も含めて印象に残ります。
また一歩、違う未来へ進むであろう流れに更に一手打つ彼の布石がどう効くか、注目です。
2022年12月19日
『天使な幼なじみたちと過ごす10000日の花嫁デイズ』
五十嵐雄策 先生が贈る新作は、1人の少年が3人の幼なじみと出会い、その中の1人と
結ばれるまでの過程を、年代ごとの思い出を散りばめながら描いていく青春ラブコメです。
(イラスト:たん旦 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/10000days/322208000008.html 】
隣家に越してきた幼い“花織”の愛らしさに庇護欲を掻き立てられた“啓介”も早15歳。
彼は「絶対にお嫁に出したくない大事な天使で妹」と守り続る一方で、彼女は幼き頃の
「結婚してお嫁さんになる」という約束を信じ続ける小学一年生へと成長していて──。
幼なじみ同士で結婚する結末をまず見せつつ、“啓介”にとって年下の“花織”とどう
結婚に繋がっていくのかを楽しむ・・・のかと思えば年上の“和花菜”、同輩の“舞花”も
彼にとっては「幼なじみ」であり、彼女たちも少なからず思う所あるのが実に興味深い。
五十嵐 先生が言及されている「関係性」の変化。印象的な場面を、年代を前後しながら
切り貼りすることで描けているのが演出的にも、構成面でも「お見事」と言うしかなく。
色々踏まえた上でのエピローグが良い引き具合になっていて、続きが気になる作品です。
結ばれるまでの過程を、年代ごとの思い出を散りばめながら描いていく青春ラブコメです。
(イラスト:たん旦 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/10000days/322208000008.html 】
隣家に越してきた幼い“花織”の愛らしさに庇護欲を掻き立てられた“啓介”も早15歳。
彼は「絶対にお嫁に出したくない大事な天使で妹」と守り続る一方で、彼女は幼き頃の
「結婚してお嫁さんになる」という約束を信じ続ける小学一年生へと成長していて──。
幼なじみ同士で結婚する結末をまず見せつつ、“啓介”にとって年下の“花織”とどう
結婚に繋がっていくのかを楽しむ・・・のかと思えば年上の“和花菜”、同輩の“舞花”も
彼にとっては「幼なじみ」であり、彼女たちも少なからず思う所あるのが実に興味深い。
五十嵐 先生が言及されている「関係性」の変化。印象的な場面を、年代を前後しながら
切り貼りすることで描けているのが演出的にも、構成面でも「お見事」と言うしかなく。
色々踏まえた上でのエピローグが良い引き具合になっていて、続きが気になる作品です。