「午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの」の 岩田洋季 先生が贈る新作は、
半吸血鬼にさせられた少年が、元凶の吸血鬼を捜すため潜入捜査に臨む顛末を描きます。
(イラスト:8イチビ8 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322202000068.html 】
吸血鬼に人権なし。見つけ次第、捕獲か駆除。そう定められた人間社会で始祖の吸血鬼に
両親を殺され、妹を奪われ、半吸血鬼として付与された魅了の力で騒動が絶えない“命”。
引き取られた“想子”の元で吸血鬼を駆除すべく公安に所属し、彼は力を発揮するが──。
目的の吸血鬼がいるという学園に潜入することになった“命”が“想子”の妹“真子”と
共に容疑者を探るシリアスさとエロティシズムを交えたコミカルなやり取りのギャップに
惹き込まれます。彼と一緒に仇敵を予想しながら読み進めていく楽しさがあるのも特徴で。
「支配の君」と呼ばれる始祖の吸血鬼が巡らせる策謀。驚くほどにいやらしいその内容は
読んで確認いただくとして、それに“命”が学園内で築いた絆でどう対抗していくのかを
見届けてほしい作品です。思わせぶりな引き具合も気になるので続刊を待望したい所です。
2022年11月30日
2022年11月29日
『聖剣学院の魔剣使い11』
アニメ化が決定した、志瑞祐 先生が贈る学園ソードファンタジー。第11巻は虚無の世界を
探る“レオニス”たち、第〇七戦術都市に残る“シャーリ”たちに新たな脅威が迫ります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322207001273.html 】
「敵は己の中にあり」とはよく言ったものですが、“レオニス”にとっても驚きの状況が
続くのがまず驚き。“シュベルトライテ”の存在が思いがけない方向に作用したところも。
他の人物も触れている「虚無世界」の位置づけが今後の命運をどう左右するのかに要注目。
“シュベルトライテ”に妙に気に入られることになった“リーセリア”。あの呼ばれ方は
流石に頬を膨らませるのも無理はないかと。“フィーネ”が触れた〈魔剣計画〉の暗部に
“リーセリア”は迫ることができるか。ここも続刊で描かれる中の見届けるべきところで。
時間稼ぎと情報収集を任された“シャーリ”も耳を疑う話を聞いた上で、いよいよ彼女の
キャパシティを超える事態を前に機転を利かせた場面が印象深い、というか“ヴェイラ”
の使い勝手の良さに好印象を覚えました。アニメ化の話も含め、続きに期待が高まります。
探る“レオニス”たち、第〇七戦術都市に残る“シャーリ”たちに新たな脅威が迫ります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322207001273.html 】
「敵は己の中にあり」とはよく言ったものですが、“レオニス”にとっても驚きの状況が
続くのがまず驚き。“シュベルトライテ”の存在が思いがけない方向に作用したところも。
他の人物も触れている「虚無世界」の位置づけが今後の命運をどう左右するのかに要注目。
“シュベルトライテ”に妙に気に入られることになった“リーセリア”。あの呼ばれ方は
流石に頬を膨らませるのも無理はないかと。“フィーネ”が触れた〈魔剣計画〉の暗部に
“リーセリア”は迫ることができるか。ここも続刊で描かれる中の見届けるべきところで。
時間稼ぎと情報収集を任された“シャーリ”も耳を疑う話を聞いた上で、いよいよ彼女の
キャパシティを超える事態を前に機転を利かせた場面が印象深い、というか“ヴェイラ”
の使い勝手の良さに好印象を覚えました。アニメ化の話も含め、続きに期待が高まります。
2022年11月28日
『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』
「異世界サ活」の 持崎湯葉 先生が贈る新作は、大学時代に交際と別れを経験した男女が
社会人になって再会し、息苦しい世の中で名状しがたい関係を築いていく顛末を描きます。
(イラスト:どうしま 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530964 】
ゲーム会社の激務に耐える“冬”が出社するビルで偶然再会した大学時代の元カノ“糸”。
昔話に花が咲き、お酒も進んだ二人は、気付けばあの頃のように褥を共にして朝を迎える。
ちゃんとしたいと構える彼に彼女は「だた心地良いから一緒にいようよ」と吐露する──。
子供の頃に描いていた社会人としての自分。社会に出て数年くらいに味わう理想と現実の
ギャップ。理不尽なことへの怒りを飲み込まなくてはならない虚しさ。業種は異なっても
似た経験を想起させられて心に刺さるものが。二人のような恋愛はありませんでしたけど。
恋とか結婚とかもううんざりな“糸”に対し、恋心を引きずっているのは否めない“冬”。
気が置けない関係で体も許す仲なのに、好き嫌いではなく一緒にいる楽しさを求める二人。
これは確かに不思議で、実に興味深い人間関係。2人の思い描く未来が気になる作品です。
社会人になって再会し、息苦しい世の中で名状しがたい関係を築いていく顛末を描きます。
(イラスト:どうしま 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530964 】
ゲーム会社の激務に耐える“冬”が出社するビルで偶然再会した大学時代の元カノ“糸”。
昔話に花が咲き、お酒も進んだ二人は、気付けばあの頃のように褥を共にして朝を迎える。
ちゃんとしたいと構える彼に彼女は「だた心地良いから一緒にいようよ」と吐露する──。
子供の頃に描いていた社会人としての自分。社会に出て数年くらいに味わう理想と現実の
ギャップ。理不尽なことへの怒りを飲み込まなくてはならない虚しさ。業種は異なっても
似た経験を想起させられて心に刺さるものが。二人のような恋愛はありませんでしたけど。
恋とか結婚とかもううんざりな“糸”に対し、恋心を引きずっているのは否めない“冬”。
気が置けない関係で体も許す仲なのに、好き嫌いではなく一緒にいる楽しさを求める二人。
これは確かに不思議で、実に興味深い人間関係。2人の思い描く未来が気になる作品です。
2022年11月25日
『後宮妃の管理人 七 〜寵臣夫婦は出迎える〜』
しきみ彰 先生が贈る後宮物語。第6巻は妃嬪たちと同道する先の避暑地で隣の杏津帝国
からの外交使節団も迎えることになった“優蘭”と“皓月”が諸問題の解決にあたります。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322108000624.html 】
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/special/koukyuukisaki/ 】
“劉亮”が決めた避暑地に「行かない」と言ったかと思えば「行きます」と翻す“充媛”。
杏津帝国との因縁も深い避暑地、菊理州と“充媛”に何の関係があるのか。謎多き寵妃に
一人で頭を悩ませる“優蘭”を労わる“皓月”の手練手管はこっちが照れくさくなるほど。
“皓月”も判断を悩ませる杏津帝国の皇弟“虞淵”とその愛妾“魅音”を歓迎する会にて
披露された妃嬪たちの演劇。ここでも鍵となる“充媛”が後宮内の人間関係に影を落とし
かねない流れを“鈴春”たちが良い形に崩してくれたのが印象的で応援したくなるところ。
“麗月”が独白した心境の変化。その契機となる“優蘭”と“皓月”の蜜月ぶりを味わう
だけで終わらせない“虞淵”と“魅音”の不穏な企み。そこに“充媛”はどう関わるのか。
巻き込まれる黎暉大国の行く末は。外に目が向いたお話でも寵臣夫婦の活躍を期待します。
からの外交使節団も迎えることになった“優蘭”と“皓月”が諸問題の解決にあたります。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322108000624.html 】
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/special/koukyuukisaki/ 】
“劉亮”が決めた避暑地に「行かない」と言ったかと思えば「行きます」と翻す“充媛”。
杏津帝国との因縁も深い避暑地、菊理州と“充媛”に何の関係があるのか。謎多き寵妃に
一人で頭を悩ませる“優蘭”を労わる“皓月”の手練手管はこっちが照れくさくなるほど。
“皓月”も判断を悩ませる杏津帝国の皇弟“虞淵”とその愛妾“魅音”を歓迎する会にて
披露された妃嬪たちの演劇。ここでも鍵となる“充媛”が後宮内の人間関係に影を落とし
かねない流れを“鈴春”たちが良い形に崩してくれたのが印象的で応援したくなるところ。
“麗月”が独白した心境の変化。その契機となる“優蘭”と“皓月”の蜜月ぶりを味わう
だけで終わらせない“虞淵”と“魅音”の不穏な企み。そこに“充媛”はどう関わるのか。
巻き込まれる黎暉大国の行く末は。外に目が向いたお話でも寵臣夫婦の活躍を期待します。
2022年11月24日
『私のことも、好きって言ってよ! 〜宇宙最強の皇女に求婚された僕が、世界を救うために二股をかける話〜』
「AGI ‐アギ‐」シリーズの 午鳥志季 先生が贈る新作は、地球を統治しにきた外宇宙の
皇女に交際を迫られる男子が現在交際中の恋人との関係で板挟みになる二股ラブコメです。
(イラスト:そふら 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322207000040.html 】
恭順か破滅か。宇宙人の皇女“アイヴィス”は地球に宣告したのち、気紛れに降り立った
日本で見かけた“悠人”に突如結婚を申し込む。彼女と恋人になれば地球滅亡は回避可能
と全世界から期待を集める彼には実は“叶葉”という美人の恋人がすでにいるのだが──。
“悠人”の通う学校に転校してきた“アイヴィス”を見た“一本木”が「手ェ出せんわ」
と尻込みした直感を“叶葉”にも感じた。その意味を想像しながら読み進めるのが楽しい。
彼女たちが彼を好きな理由を知ってから冒頭のあの場面に臨むと緊迫の度合いがまた違う。
“シルヴィー”の気遣いもむなしく、自己嫌悪に陥る“悠人”がどんな結末を迎えるのか。
“アイヴィス”が地球人と異なる性質、生まれた星でも特異と評される個性をもってあの
結末にある言葉と表情に繋がったのかと思うといじらしくも思えます。興味深い作品です。
皇女に交際を迫られる男子が現在交際中の恋人との関係で板挟みになる二股ラブコメです。
(イラスト:そふら 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322207000040.html 】
恭順か破滅か。宇宙人の皇女“アイヴィス”は地球に宣告したのち、気紛れに降り立った
日本で見かけた“悠人”に突如結婚を申し込む。彼女と恋人になれば地球滅亡は回避可能
と全世界から期待を集める彼には実は“叶葉”という美人の恋人がすでにいるのだが──。
“悠人”の通う学校に転校してきた“アイヴィス”を見た“一本木”が「手ェ出せんわ」
と尻込みした直感を“叶葉”にも感じた。その意味を想像しながら読み進めるのが楽しい。
彼女たちが彼を好きな理由を知ってから冒頭のあの場面に臨むと緊迫の度合いがまた違う。
“シルヴィー”の気遣いもむなしく、自己嫌悪に陥る“悠人”がどんな結末を迎えるのか。
“アイヴィス”が地球人と異なる性質、生まれた星でも特異と評される個性をもってあの
結末にある言葉と表情に繋がったのかと思うといじらしくも思えます。興味深い作品です。