小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第9巻は“コマリ”が助けられた“スピカ”
からの意外な共闘提案をもとに星砦の野望を打ち砕くべく鉱山都市へ臨む顛末を描きます。
(イラスト:りいちゅ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815616434/ 】
【 https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/introduction/hikikomari/ 】
“スピカ”の支離滅裂な言動。執り成す“アマツ”からのの警告。“コマリ”も困惑する
状況でも流されつつ受け入れて前に進むところは相変わらず面白い。“フーヤオ”などの
取り巻きから因縁をつけられるあたりのやり取りも含めたスラップスティックな雰囲気が。
鉱山都市を預かる星砦の一員“ネフティ”をやり込める顛末の裏で、“フーヤオ”が抱く
信条に綻びを生じさせる、胡乱で、迂遠な計画が判明する一連の流れが衝撃的で、これが
実にえげつない。その顛末を見た“コマリ”の取る、軸のぶれない言動が印象に残ります。
「孤紅の恤」や「逆巻の玉響」といった力をもってしても、力の及ばない出来事は訪れる。
そんな場面を目の当たりにした“コマリ”が心で受け止め、決意を示す姿に更なる成長を
感じます。そんな彼女の想いも知らず悪意を向ける者たちの登場に続きが気になる所です。