2022年10月06日

『見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん』

「ただ制服を着てるだけ」の 神田暁一郎 先生が贈る新作は、低身長を理由に好きな女子
から振られた経験を持つ少年と、妙に彼を構う高身長の少女が織り成す青春ラブコメです。
(イラスト:たけの このよう。 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616304/


「自分より背の低い男子は無理」152cmの“下野”はその言葉に傷つき、活動的な性格を
消極的で一匹狼に変えてしまうほど劣等感を抱く中学二年生。そんな彼によく声を掛ける
少女“高瀬”の身長は172cm。惨めさが募る身長差だけに放っておいてほしい彼だが──。

単に「いいひと」なだけかと思いきや、“下野”に話しかけたタイミングや小学校時代の
話にまで言及してくる“高瀬”の思わせぶりな態度。流石の彼も心を解きほぐされるかと
思いきやここでも身長差がわだかまりを生んでしまうのが思春期の頃もあって実に切ない。

“高瀬”が“下野”にこだわる理由。つい八つ当たりじみた対応に及んだ“下野”がその
思いがけない真実を知ったとき「勇気」を持つことができるか。描かれる彼の葛藤と機微
についてぜひ目で追ってほしいと思います。爽やかな読了感が味わえる本作、お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル