2022年10月17日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ10』

二丸修一 先生が贈る大人気ヒロインレース。大台に乗る第10巻は進級した“末晴”たちが
大量発生した群青同盟への入部希望者に対し相応しい人物を見定める入部試験を設けます。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/osamake/322110000047.html
https://osamake.com/


“真理愛”と“哲彦”が仕掛けた入部試験という名の罠に気づけるか。群青同盟の現状を
踏まえたその手法は理に適っているとはいえ中々にえげつない。誰がそれを突破するかは
言わずもがな、というか活動と話を次につなげるために必要なプロセスの一つという感触。

自分のやり方でいい、とついに気づいた“白草”の吹っ切れ具合が見ていて実に清々しい。
“黒羽”が焦りを覚えるのは致し方ない、というかこれまでの経緯とこれからを踏まえた
“碧”の存在感が高まっていることも考慮するとますます「どうすんだ“末晴”」状態に。

ヒロインレースに差をつけられた感のある“真理愛”が、今回の試験で仕掛けてきた一手。
“末晴”の人生、生き様を天秤にかける選択肢を前に彼がどう結論を出すのかが見もので。
“哲彦”の思惑、手の内が意外な形に輪郭を帯びてきそうな点も含め、続きが楽しみです。

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2022年10月14日

『サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿』

依空まつり 先生が贈るファンタジー作品。第4巻の学園祭を終えたセレンディア学園で
起こる数々の事件に“モニカ”が巻き込まれる様を描くシリーズ初のスピンオフ作品です。
(イラスト:藤実なんな 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/silentwitch/322204000191.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB03202357010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8356ga/


“ルイス”と“ロザリー”の仲睦まじい関係に振り回される“モニカ”と“レイ”の顛末。
ここで描かれる「呪術書や魔導書の違い」といった逸話や、その呪術書に“レイ”が手を
加える微笑ましいやり取りなどが後々で効いてくる連作短編として魅せる構成がまず秀逸。

“フェリクス”のとある「お願い」に“モニカ”が「不良仲間」として応じるエピソード、
そこへ推理小説に嵌まる“ネロ”と“リン”の迷推理が重なって至る結末に一番の癒しが。
この小編も今巻を締めくくる大切な名推理につながっていくのがまた思い入れの深い所で。

他にも“バイロン”が決闘にこだわる理由が色々と空回りしすぎてニヨニヨさせられたり、
学園内で流行する「おまじない」に対して“イザベル”が示した裁断ぶりが天晴れすぎて
圧倒されたり、と印象に残る場面も多く総じて成功を収めたスピンオフと感じた次第です。

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2022年10月13日

『淫魔追放2 〜変態ギフトを授かったせいで王都を追われるも、女の子と“仲良く”するだけで超絶レベルアップ〜』

赤城大空 先生が贈る、伝説を残す少年の卑猥な英雄物語。第2巻は〈淫魔〉のギフトが
もたらす変態的なスキルで“エリオ”が次々と世界の常識を覆していく顛末を描きます。
(イラスト:kakao 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530896


一戦交えてマゾっ気全開の“レジーナ”に“エリオ”も困惑する中、その上をゆく移動
スキルの法外すぎる能力がすごい。“レジーナ”の性的嗜好を加速させるのはさておき、
仕事をこなす上でも重要となる点が。名前が直球過ぎるのが彼にとっては災難ですけど。

“エリオ”が道中で遭遇する、ロマリア神聖王国から逃げてきた“クレア”のシスター
らしからぬ所作、思わせぶりで含みのある言動の数々が後で効きそうな兆しに興味津々。
こちらに関しては彼女に同道する騎士“シルビア”に今から同情を禁じ得ないところで。

運命に導かれ、“エリオ”が訪れたダンジョン都市で無法を働く女帝“ステイシー”の
趣味とスキルが彼に新たな空間スキルを与えることになるとは。面白すぎる展開ですが
彼女にとってはご愁傷様、ということで。彼らに迫る影の動向も含め次巻に要注目です。

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2022年10月12日

『RE:BEL ROBOTICA-レベルロボチカ-』

Mika Pikazo 先生が初の商業原作を担う近未来青春ストーリーを 三雲岳斗 先生が小説化。
AI少女と同居する少年が、現実と仮想世界が融合した社会で発生する怪物退治に臨みます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生 原作:ARCH、Mika Pikazo 先生)

https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180250.html
https://rebelrobotica.com/


超越現実(MR)に発生する異変を解決するロボチカ級超AI“リリィ”は高校生“タイキ”と
接触したことで失われた力を取り戻すべく、彼の部屋に居座り続けている。そんなある日、
MRペットの怨霊「ブレーメン」が出る、という噂を耳にした彼らは調査に乗り出すが──。

MRによって容姿も自由自在な世界にある種の羨ましさを感じつつ「AIレコ」の『推し』に
運命を狂わされるものたちが巻き起こす事件の顛末に、興味深さと空恐ろしさを覚えます。
“タイキ”のバグが鍵を握る展開と、それでも辿り着けない黒幕の存在も見どころの一つ。

不遜な態度は相変わらずなのに不憫でならない“リリィ”が如何に凄いかを“アサト”が
改めて誇示してくれるのは彼女にとって救いなのかも。「レベルロボチカ」の意味を知り、
より一層、彼女を応援したくなる気持ちを抱えながら物語の行方を見守りたいところです。

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2022年10月11日

『RE:BEL ROBOTICA 0-レベルロボチカ 0-』

Mika Pikazo 先生が初の商業原作を務める近未来青春ストーリーを 吉上亮 先生が小説化。
現実と仮想世界が融合した社会で、少年とAI少女が運命的な邂逅を果たす顛末を描きます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生 原作:ARCH、Mika Pikazo 先生)

https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180251.html
https://rebelrobotica.com/


超越現実(MR)を構築するMRチップに致命的なバグがある“タイキ”はMRそしてAIの恩恵を
受けずに日常を送る高校生。ある日、彼は校舎屋上にいる白い装いの幽霊少女を目撃する。
先生に相談してみると「空飛ぶ幽霊を見た」という噂を聞いたことがある、と言うが──。

登校初日からやらかす“タイキ”の言動から彼が持つバグの意味を把握しつつ、そのバグ
を起因として彼しか見ることのできない超高度AI“リリィ”の傲岸不遜な言動からMR世界
とは何たるかを知り、空飛ぶ幽霊騒動の犯人像に至る背景に深入りしていく感覚が面白い。

交際相手すら「AIレコ」に推奨される世界で抱く「本当の気持ち」とは何か。MRアバター、
自動ミュート、自殺禁止プログラム・・・様々な鍵が結びついた時に“タイキ”だからこそ
触れられる領域を共に感じてほしい作品。“リリィ”を応援したくなることうけあいです。

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