2022年10月31日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第8巻は各クラス男女で2名ずつ合計
8名がグループとなる修学旅行の意図を探りながら、各々が先を見据えた行動を取ります。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322206001088.html


メンバーの割り振り方法。自由行動の時間が多い旅程。グループ単位での行動厳守の徹底。
“綾小路”が修学旅行に対して抱く心配事について言及する場面がホワイトルーム生との
問題に一つの区切りをつけ、新たな局面に移ったことを印象づけるようで意味深長な展開。

“龍園”や“鬼頭”といった悩ましいメンバーと同じグループになる“綾小路”が旅行を
通じて得た知見、見届けた覚悟、晒した手の内。“綾小路”以外にも着実な変化が窺える
興味深い内容。特に目を引いたのが“山村”。“櫛田”のあの顔が見れたのも意外ですが。

体育祭で“綾小路”に接触してきた人物に心当たりがある“坂柳”。力が及ばず悔し涙を
隠し切れない“一之瀬”。彼を「ジョーカー」と認めるに足る材料を得つつある“堀北”。
計画実現を信じて止まない“龍園”。各クラスの命運がどう分かれるか、続きに注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月28日

『ビブリオフィリアの乙女たち』

宮田眞砂 先生先生が贈る新作は、本を読んだ人の記憶を読み取れる文学少女と識字能力に
障害を持つ探偵少女が、図書館で読んだある本を巡る謎に二人三脚で臨むミステリーです。
(イラスト/切符 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2022/09/26-post-bib.html


「話を読んで」と“文詠”に頼む“花奏”は物語が大好きだけど文字の読み書きに障害の
ある少女。“花奏”が今回興味を示したのは森鴎外の『舞姫』。学園の人気者“真壁”と
“文詠”がイチャイチャしていたという噂の発端となる本だから気になったと言うが──。

『舞姫』の原文、現代語訳を並べながら“文詠”の「行間を読む」能力を演出する描写が
まず印象的。そこから現れる「黒いコートの男」に纏わる話が、虚構と現実を彷徨うかの
ように“文詠”たちを翻弄していく展開が「新本格ミステリ」を謳うのも得心がいきます。

次々と明らかになる重い事実。事件の犯人が抱いた修羅の心。物語になぞらえて対象者の
心情を描きつつ、その心を動かすために“文詠”たちが選ぶ言葉も物語や、作者の人物像
から紡ぎ出していく構成が興味深い。文学好きな方には特にお薦めしておきたい作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月27日

『友達の妹が俺にだけウザい10 小冊子『10.5巻』付き特装版』

満を持してのTVアニメ化が決定した、三河ごーすと 先生が贈るいちゃウザ青春ラブコメ。
第10巻は中学時代の“明照”と“彩羽”たちを描く過去編。特装版と同時刊行となります。
(イラスト:トマリ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815615994/
https://www.ganganonline.com/title/505


“明照”にウザくない“彩羽”、というのも中々に新鮮な上に昔を語る彼のツッコミ役に
回る“真白”が実は色々と後手後手だった、という事実が面白い。音にこだわる“音井”
らしさも表しているように感じる彼女の名前がいよいよ明らかになった場面も見逃せない。

“彩羽”がウザくなるきっかけも乙女らしさ全開で、そんな彼女の変化を促す“明照”の
お節介ぶりが彼女だけでなく「5階同盟」に関わるみんなに良い影響を与えてきた経緯、
その原動力となる逸話と努力の過程で彼自身も変わっていったのが分かるのも見どころで。

特装版では“明照”に対する“彩羽”のウザさが、彼も辟易するくらいぐんぐんと強さを
増していく過程が見て取れます。本編を読んだ後に見比べてみると味わい深さもひとしお。
一路順風・・・には見えない局面を彼らがどう捌くか。次巻でその様子を確かめたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月26日

『ひきこまり吸血姫の悶々9』

小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第9巻は“コマリ”が助けられた“スピカ”
からの意外な共闘提案をもとに星砦の野望を打ち砕くべく鉱山都市へ臨む顛末を描きます。
(イラスト:りいちゅ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616434/
https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/introduction/hikikomari/


“スピカ”の支離滅裂な言動。執り成す“アマツ”からのの警告。“コマリ”も困惑する
状況でも流されつつ受け入れて前に進むところは相変わらず面白い。“フーヤオ”などの
取り巻きから因縁をつけられるあたりのやり取りも含めたスラップスティックな雰囲気が。

鉱山都市を預かる星砦の一員“ネフティ”をやり込める顛末の裏で、“フーヤオ”が抱く
信条に綻びを生じさせる、胡乱で、迂遠な計画が判明する一連の流れが衝撃的で、これが
実にえげつない。その顛末を見た“コマリ”の取る、軸のぶれない言動が印象に残ります。

「孤紅の恤」や「逆巻の玉響」といった力をもってしても、力の及ばない出来事は訪れる。
そんな場面を目の当たりにした“コマリ”が心で受け止め、決意を示す姿に更なる成長を
感じます。そんな彼女の想いも知らず悪意を向ける者たちの登場に続きが気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月25日

『今日も生きててえらい!3 〜甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活〜』

岸本和葉 先生が贈る、甘やかしたがりな彼女と過ごす甘々同居生活を描くラブコメディ。
第3巻はハワイ旅行中の“冬季”と“春幸”に水を差す者が起こす騒動と顛末を描きます。
(イラスト:阿月唯 先生)

https://dengekibunko.jp/product/ikiteteerai/322206000004.html


旅行先で助けた少女から王子様扱いされる“春幸”。“冬季”にとっても災難な出来事と
なる少女、西園寺家の令嬢“夏海”の登場、その扱いに苦慮する“冬季”の姿が珍しくて
興味深い展開に。それにつけても“夏海”が見せる所作の数々が愛おしいほどにポンコツ。

“春幸”を取り合うまでもない“夏海”が“冬季”に勝負を挑む訳は微笑ましく思いつつ、
その背景に渦巻く陰謀にはやるせなさ、というか切なさを覚えつつ。応対する“冬季”の
規格外ぶりと、彼を害する意思のある者に対する際限のない容赦のなさが印象に残ります。

“冬季”が涙を流すことになる展開も、彼女と共に人生を歩むと決めた“春幸”の決意が
より鮮明に映る形となってこれまた良かった。彼女の両親が見せる反応も微笑ましくて、
希望に満ちあふれる2人の未来を応援したくなる、そんな読了感が味わえること必至です。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月24日

『恋は夜空をわたって2』

「STUDIO koemee」脚本を担当した、ラジオで繋がる青春ラブコメを 岬鷺宮 先生が自ら
小説化。第2巻は“壮一”の告白を断る“御簾納”の、複雑な胸の内に触れていきます。
(イラスト:しゅがお 先生)

https://dengekibunko.jp/product/koihayozorawo/322205000050.html
https://www.youtube.com/playlist?list=PLFBuj1-ksh3vEW3Ofe4j_Ml6J_EHfYI22


“御簾納”自身も断った理由がわからない、という絶望的な導入。配信を通じて、そして
直接やり取りする中で彼女が、好きという想いと共に“壮一”の存在をどう捉えていたか。
それが物語としてスルスルっと入ってくる描写の妙には思わずお見事、と言うしかなくて。

“壮一”も断られたからといって腐りきることなく、“御簾納”のことを慮って、今まで
通りの先輩・後輩とはいきませんが、彼女の気持ちの整理がつくまで見守り続けた姿勢が
惚れ惚れするくらい格好良くて。道化を演じるような場面もありましたがそこがまた良い。

“二胡”も驚く兄たちの繊細な関係に、彼女が一肌脱ぐ形で関与する顛末も見所の一つで。
「ラジオで繋がる青春ラブコメ」を演出する上で大切な人物であることは間違いないかと。
将来性を感じさせる話の結び方も含め、文句のつけようがない内容。イチ押しの一作です。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月21日

『99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? 〜真の力に目覚めて始まる100回目の人生〜』

裕時悠示 先生の「丸山ひま。」名義による「小説家になろう」投稿作が「DREノベルス」
創刊ラインナップとして書籍化。何度も処刑される運命にある令嬢の逆転人生を描きます。
(イラスト/ひだかなみ 先生)

https://drecom-media.jp/drenovels/product/1
https://ncode.syosetu.com/n6469hq/


公爵令嬢“アルフィーナ”の人生は繰り返す。聖女暗殺の冤罪で断頭台に送られる所まで。
試行錯誤を繰り返してもその運命は変えられず。迎えた100回目の人生で彼女は婚約者の
皇子にまた断罪されるのか、と辟易していると意外な形で彼の本音を知ることとなり──。

聖女“デボネア”が下衆すぎて、いつ断罪されても文句なしな悪役なのにこれがしぶとい。
100回のループに耐えた“アルフィーナ”が得た力をもってしてもなお執拗に害意を示す
聖女に彼女がどう裁きを下すか。話運びも軽妙で読みやすく、楽しみやすい仕上がり具合。

“ライオネット”と“ヤヴンロック”の鞘当て具合が面白いですし。“カルル”の健気な
言動は見ていて一番報われてほしいと思いましたし。“キスリング”は人生を狂わされた
感じが被害者筆頭な感じで苦笑いしっぱなし。創刊を飾るにふさわしい一作、お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月20日

『5分で読書 全力の「好き」をキミにあげる』

藤崎珠里 先生が「小説家になろう」に投稿していた短編に、書き下ろしを加えて書籍化。
10代女子の胸キュンが止まらない恋愛模様を思い思いの告白シーンを交えながら描きます。
(イラスト:花芽宮るる 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322206001128/
https://ncode.syosetu.com/s1181h/


タイトルに偽りなし。甘くて、こそばゆくて、ちょっぴり切なくて、胸が高鳴ったりして。
女の子だけじゃなくて、男の子も「好き」な想いを全力で魅せつけてくれるのがまぶしい。
というか訳ありとはいえ添い寝とか羨ましすぎるシチュエーション過ぎて身悶えしますよ。

長編小説を1冊読み切る、というのは訓練によって後天的に身につく能力だと考えていて。
特に若い方に対する足掛かりとして「まず短編から」という意味でこの「5分で読書」は
適していると認識しており、その一翼を 藤崎 先生の作品が担うことを喜ばしく思います。

学校等で行われる「朝の読書運動」のような場で、購入ないし図書館で借りられることで
実際に本作が活用されることを期待したいですし、その機会に見合う内容だと信じてます。
そして 藤崎 先生の更なるご活躍が商業作品で見られることを陰ながら祈念する次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月19日

『アオハルデビル』

「オーバーライト」シリーズの 池田明季哉 先生が贈る新作。学校で見た不思議な光景を
目にした時から、悪魔に付け入られるほどの熱い青春に関わる少年の奮闘ぶりを描きます。
(イラスト:ゆーFOU 先生)

https://dengekibunko.jp/product/aohaldevil/322206001003.html


夜の暗闇に舞う、美しい少女を鮮明に映し、その身を焦がすはずの炎。忘れたスマホを
取りに学校へ潜入した“有葉”はそれを見かけた屋上へ急ぐが誰もいなくて。夢か現か
悩む彼が翌日登校するとモデルを務める“衣緒花”に有無を言わさず連れ出されて──。

養護教諭“佐伊”から告げられる発火事象の意味に“衣緒花”が驚くのは自然のことで。
その解決を無茶ぶりされた“有葉”が炎の謎に迫るべく彼女のことを理解しようとする
過程が、緊張感のある話なのにほほえましくて。彼が騎士然とするのも得心がいきます。

“有葉”にはモデルとして成功している様に見える“衣緒花”。彼女が思う青春と炎が
どう関係するのか。彼が彼女との「約束」を果たす覚悟、その顛末に圧倒されるばかり。
“ロズィ”の所作も物語と思いがけない関わり方をして印象深く、オススメの一作です。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月18日

『呪われて、純愛。』

「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」シリーズの 二丸修一 先生が満を持して贈る新作。
記憶障害となった少年と、彼の前に現れた2人の恋人を巡る愛と壮絶な生き様を描きます。
(イラスト:ハナモト 先生)

https://dengekibunko.jp/product/norojun/322110000042.html


知人に関する記憶だけ抜け落ちている。病室で医師から告げられた“廻”を見舞う最初の
面会者は“白雪”という少女。彼は名前を思い出すので精一杯だが、どうやら恋人らしい。
続く“魔子”は彼にキスをし、本物の恋人だと言う。彼の過去に一体何があったのか──。

“白雪”の想いに応えるためにも、と“廻”が探る自分の記憶に不穏なものが漂い始めて。
“魔子”のモデルのマネージャーを務め、家族同然の付き合いがある意味も分かり始めて。
“廻”の記憶障害へ追い打ちをかける、「あの人」との再会からの展開は驚くしかなくて。

“白雪”と“魔子”が親友なのも分かる。“魔子”が“廻”を共犯者と呼ぶことも分かる。
罪と罰と、愛おしさと憎しみとが入り交じる三角関係が純愛かどうかを問いかけながらも、
鍵を握るのはやはり“廻”が記憶障害となった原因にありそう。続く展開に興味津々です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月17日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ10』

二丸修一 先生が贈る大人気ヒロインレース。大台に乗る第10巻は進級した“末晴”たちが
大量発生した群青同盟への入部希望者に対し相応しい人物を見定める入部試験を設けます。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/osamake/322110000047.html
https://osamake.com/


“真理愛”と“哲彦”が仕掛けた入部試験という名の罠に気づけるか。群青同盟の現状を
踏まえたその手法は理に適っているとはいえ中々にえげつない。誰がそれを突破するかは
言わずもがな、というか活動と話を次につなげるために必要なプロセスの一つという感触。

自分のやり方でいい、とついに気づいた“白草”の吹っ切れ具合が見ていて実に清々しい。
“黒羽”が焦りを覚えるのは致し方ない、というかこれまでの経緯とこれからを踏まえた
“碧”の存在感が高まっていることも考慮するとますます「どうすんだ“末晴”」状態に。

ヒロインレースに差をつけられた感のある“真理愛”が、今回の試験で仕掛けてきた一手。
“末晴”の人生、生き様を天秤にかける選択肢を前に彼がどう結論を出すのかが見もので。
“哲彦”の思惑、手の内が意外な形に輪郭を帯びてきそうな点も含め、続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月14日

『サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿』

依空まつり 先生が贈るファンタジー作品。第4巻の学園祭を終えたセレンディア学園で
起こる数々の事件に“モニカ”が巻き込まれる様を描くシリーズ初のスピンオフ作品です。
(イラスト:藤実なんな 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/silentwitch/322204000191.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB03202357010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8356ga/


“ルイス”と“ロザリー”の仲睦まじい関係に振り回される“モニカ”と“レイ”の顛末。
ここで描かれる「呪術書や魔導書の違い」といった逸話や、その呪術書に“レイ”が手を
加える微笑ましいやり取りなどが後々で効いてくる連作短編として魅せる構成がまず秀逸。

“フェリクス”のとある「お願い」に“モニカ”が「不良仲間」として応じるエピソード、
そこへ推理小説に嵌まる“ネロ”と“リン”の迷推理が重なって至る結末に一番の癒しが。
この小編も今巻を締めくくる大切な名推理につながっていくのがまた思い入れの深い所で。

他にも“バイロン”が決闘にこだわる理由が色々と空回りしすぎてニヨニヨさせられたり、
学園内で流行する「おまじない」に対して“イザベル”が示した裁断ぶりが天晴れすぎて
圧倒されたり、と印象に残る場面も多く総じて成功を収めたスピンオフと感じた次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月13日

『淫魔追放2 〜変態ギフトを授かったせいで王都を追われるも、女の子と“仲良く”するだけで超絶レベルアップ〜』

赤城大空 先生が贈る、伝説を残す少年の卑猥な英雄物語。第2巻は〈淫魔〉のギフトが
もたらす変態的なスキルで“エリオ”が次々と世界の常識を覆していく顛末を描きます。
(イラスト:kakao 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530896


一戦交えてマゾっ気全開の“レジーナ”に“エリオ”も困惑する中、その上をゆく移動
スキルの法外すぎる能力がすごい。“レジーナ”の性的嗜好を加速させるのはさておき、
仕事をこなす上でも重要となる点が。名前が直球過ぎるのが彼にとっては災難ですけど。

“エリオ”が道中で遭遇する、ロマリア神聖王国から逃げてきた“クレア”のシスター
らしからぬ所作、思わせぶりで含みのある言動の数々が後で効きそうな兆しに興味津々。
こちらに関しては彼女に同道する騎士“シルビア”に今から同情を禁じ得ないところで。

運命に導かれ、“エリオ”が訪れたダンジョン都市で無法を働く女帝“ステイシー”の
趣味とスキルが彼に新たな空間スキルを与えることになるとは。面白すぎる展開ですが
彼女にとってはご愁傷様、ということで。彼らに迫る影の動向も含め次巻に要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月12日

『RE:BEL ROBOTICA-レベルロボチカ-』

Mika Pikazo 先生が初の商業原作を担う近未来青春ストーリーを 三雲岳斗 先生が小説化。
AI少女と同居する少年が、現実と仮想世界が融合した社会で発生する怪物退治に臨みます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生 原作:ARCH、Mika Pikazo 先生)

https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180250.html
https://rebelrobotica.com/


超越現実(MR)に発生する異変を解決するロボチカ級超AI“リリィ”は高校生“タイキ”と
接触したことで失われた力を取り戻すべく、彼の部屋に居座り続けている。そんなある日、
MRペットの怨霊「ブレーメン」が出る、という噂を耳にした彼らは調査に乗り出すが──。

MRによって容姿も自由自在な世界にある種の羨ましさを感じつつ「AIレコ」の『推し』に
運命を狂わされるものたちが巻き起こす事件の顛末に、興味深さと空恐ろしさを覚えます。
“タイキ”のバグが鍵を握る展開と、それでも辿り着けない黒幕の存在も見どころの一つ。

不遜な態度は相変わらずなのに不憫でならない“リリィ”が如何に凄いかを“アサト”が
改めて誇示してくれるのは彼女にとって救いなのかも。「レベルロボチカ」の意味を知り、
より一層、彼女を応援したくなる気持ちを抱えながら物語の行方を見守りたいところです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月11日

『RE:BEL ROBOTICA 0-レベルロボチカ 0-』

Mika Pikazo 先生が初の商業原作を務める近未来青春ストーリーを 吉上亮 先生が小説化。
現実と仮想世界が融合した社会で、少年とAI少女が運命的な邂逅を果たす顛末を描きます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生 原作:ARCH、Mika Pikazo 先生)

https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180251.html
https://rebelrobotica.com/


超越現実(MR)を構築するMRチップに致命的なバグがある“タイキ”はMRそしてAIの恩恵を
受けずに日常を送る高校生。ある日、彼は校舎屋上にいる白い装いの幽霊少女を目撃する。
先生に相談してみると「空飛ぶ幽霊を見た」という噂を聞いたことがある、と言うが──。

登校初日からやらかす“タイキ”の言動から彼が持つバグの意味を把握しつつ、そのバグ
を起因として彼しか見ることのできない超高度AI“リリィ”の傲岸不遜な言動からMR世界
とは何たるかを知り、空飛ぶ幽霊騒動の犯人像に至る背景に深入りしていく感覚が面白い。

交際相手すら「AIレコ」に推奨される世界で抱く「本当の気持ち」とは何か。MRアバター、
自動ミュート、自殺禁止プログラム・・・様々な鍵が結びついた時に“タイキ”だからこそ
触れられる領域を共に感じてほしい作品。“リリィ”を応援したくなることうけあいです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月10日

『君と紡ぐソネット 〜黄昏の数学少女〜』

暁社夕帆 先生の「第12回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞」受賞作。数学を得意とする
女子に憧れる高校三年生の男子が数奇な縁で数学を好きになっていく異色のラブコメです。
(イラスト:フライ 先生)

https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/10/2.html


理系なのに数学が苦手な“数馬”。受験を前に赤点常連な彼を見かねた隣席の“有理”は
数学の神様がいるという神社に参拝することを提案する。数学の女王とも称される彼女の
言葉に従い神頼みをしてみると「数学が得意になりたい?」という女の子の声がして──。

幽霊中学生にしか見えない“環”に導かれ受験数学の問題を回答する力を“数馬”が身に
つけていく過程、「自分より数学ができる人としか付き合わない」という“有理”が彼の
急激な変化に合わせて見せる機微、まさにサクセスストーリーを予感させる前半の話運び。

後半で物語に暗雲を漂わせる“圏”が明かす大切な絆、戻れない過去。すべてを理解した
“数馬”がその想いに東大受験を通じて応えていく姿から“環”と共に数学好きとなった
ことを印象づける結び方も好感触。ソネットに託された意味もぜひ感じてほしい物語です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月07日

『六畳間の侵略者!? 41』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算43冊目は六畳間の面々が総出でフォルトーゼへ向かい
現地で様々な関心を集めながら、“ラルグウィン”たちを一網打尽にすべく動き始めます。
(イラスト:ポコ 先生)

https://firecross.jp/hjbunko/product/1562


フォルトーゼへの影響を避けるため、何もせずこの星を去った“孝太郎”に対する熱烈な
歓迎ムード。“エルファリア”がけしかけた部分もありますけど、国民性、というよりは
それだけ彼を英雄として讃えているのが伝わってくる現象です。面白い一面でもあります。

茶目っ気を見せる“エルファリア”が掴んだ“ラルグウィン”たちの拠点を強襲する局面
においては“ルース”が水を得た魚のように“孝太郎”たちと戦う姿が見られて実に熱い。
総合力、分析力に長けた彼女だからこその見せ場の数々はまさに見どころ満載というもの。

対する“グレバナス”もやり返すだけの策は持ちつつ、その手段がいよいよ人道に反する
ところまで伸びきった点から技術とその行使に関わる人間の資質がより問題となった今巻。
悩みが増えた“孝太郎”を“エルファリア”たちがどう後押しするか、次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月06日

『見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん』

「ただ制服を着てるだけ」の 神田暁一郎 先生が贈る新作は、低身長を理由に好きな女子
から振られた経験を持つ少年と、妙に彼を構う高身長の少女が織り成す青春ラブコメです。
(イラスト:たけの このよう。 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616304/


「自分より背の低い男子は無理」152cmの“下野”はその言葉に傷つき、活動的な性格を
消極的で一匹狼に変えてしまうほど劣等感を抱く中学二年生。そんな彼によく声を掛ける
少女“高瀬”の身長は172cm。惨めさが募る身長差だけに放っておいてほしい彼だが──。

単に「いいひと」なだけかと思いきや、“下野”に話しかけたタイミングや小学校時代の
話にまで言及してくる“高瀬”の思わせぶりな態度。流石の彼も心を解きほぐされるかと
思いきやここでも身長差がわだかまりを生んでしまうのが思春期の頃もあって実に切ない。

“高瀬”が“下野”にこだわる理由。つい八つ当たりじみた対応に及んだ“下野”がその
思いがけない真実を知ったとき「勇気」を持つことができるか。描かれる彼の葛藤と機微
についてぜひ目で追ってほしいと思います。爽やかな読了感が味わえる本作、お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月05日

『高嶺の花には逆らえない2』

冬条一 先生が贈る、ヒロインたちが暗躍する新感覚ラブコメ。第2巻は“あいり”との
デートを夢見る“葉”が資金調達のためバイトに精を出す所から新たな火種が生まれます。
(イラスト:ここあ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530902


身だしなみを整えるのも、デートに出かけるにもお金が要る。ということでファミレスの
アルバイトに臨む“葉”がのっけからババを引きそうになる展開と、その裏で巡らされる
謀略と駆け引きが驚きの連続。“あいり”の攻勢が功を奏するか、注目の展開が続きます。

焦りを覚えずにはいられない“千鶴”が、けれども自身の決意を貫き通そうとする姿には
称賛するしかなくて。それでも挫けそうな心を“美紀”が激励するあの一言に痺れました。
彼女の母親も事態好転に寄与するものの、隠したくなるのも納得の曲者なのがまた面白い。

“新”の“あいり”に対する執着が益々の熱を帯びてくる中で、彼女が彼に課した最後の
約束がいよいよ危険球っぽく見える引きが非常に気になります。“千鶴”も“葉”に対し
願い事を叶えてもらって予断を許さない流れですし、揺れ動く彼の心の行方も要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年10月04日

『王様のプロポーズ3 瑠璃の騎士』

橘公司 先生が贈る新世代最強の初恋を描くファンタジー。第3巻は“瑠璃”に本家から
婚姻決定の知らせが舞い込み、“彩禍”も巻き込んで不夜城家の秘密に触れていきます。
(イラスト:つなこ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202109propose/322205000950.html


あれだけ“彩禍”に熱を上げる“瑠璃”が本家へ戻った途端に結婚、中途退学すると宣言。
この急展開に〈虚の方舟〉学園長も務める不夜城家の当主“青緒”が何を仕掛けたか探る
ために“無色”が乗り込む、のは順当としてそこが「女子高」というのは文句ない話運び。

不自然な言動を示す“瑠璃”にショック療法で臨む“無色”の肝の据わり具合が面白くて。
“青緒”の思惑に気づいた“黒衣”が示す本音にしっかり向き合う彼の言動が凛々しくて。
その彼に“瑠璃”がどんな覚悟をもって今に至ったかを知ることが出来たのも印象深くて。

不夜城家の「婚礼の儀」が示す真意を知った“無色”、そして“瑠璃”が“青緒”に対し
投げかけた想いの数々は熱量に溢れていて見どころの連続。結果として“瑠璃”にも色々
誤魔化しが効かなくなってきた上でのあのラストも良かった。続きも引き続き楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル