2022年09月29日

『天才王子の赤字国家再生術12〜そうだ、売国しよう〜』

鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第12巻は帝国の皇位継承を巡る政争決着に一役買った
“ウェイン”がナトラ国内にはびこるフラム人による独立国家樹立の気運と向き合います。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616410/
https://tensaiouji-anime.com/


“ニニム”が“ウェイン”を支える身であり続ける理由。その背景を幼き日の2人が邂逅
したところから深堀していく描写と、彼女を担ぎ上げようとするフラム人たちとの温度差。
行き着く先が不幸にしかならないのでは、と不安を覚えずにはいられない展開にやきもき。

帝国の次はナトラかと揺れ動く世界情勢に拍車をかけるのが“フラーニャ”の兄に対する
宣戦布告。彼女の胸中に火種が燻ぶっていただけに、持論を投げかけ合うやり取りを見て
「ついにこの時が来たか」と思う一方、“ウェイン”の余裕な姿勢が不気味にも映る訳で。

諸外国から見ても今後の動向が注視されるナトラに突き付けられた究極の選択。さすがの
“ウェイン”でも一考を要する事態に気を揉む“ニニム”が目の当たりにする衝撃の展開。
彼の「大事なもの」になる、という宣言は果たせるか。佳境を迎える話の行方に注目です。

posted by 秋野ソラ at 02:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル