2022年09月20日

『怪物中毒』

約5年ぶりに「電撃文庫」から贈る 三河ごーすと 先生の新作は、管理社会の中で唯一
サプリを使って獣人となり好き勝手できる街の「掃除屋」を務める少年の命運を描きます。
(イラスト:美和野らぐ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/monsterholic/322203002159.html


未曽有の疫病に対応するため、強制参加を義務付けたSNSで人々を管理する島国、秋津洲。
人々は官製スラムで怪物サプリを使い、獣となって鬱憤を晴らすのが数少ない享楽の一つ。
その街で「清掃作業」を請負う“零士”はある少女を事故に遭う寸前で助けるのだが──。

インターネット、SNS、コロナ禍、経済危機・・・日本の今を見据えた先にあるかもしれない
物語として興味深い導入。苦学生として生活する“零士”や“月”の「トクニン」という
属性が、夏木原という場を通じて話へ一気に惹き込んでいく要因となっているのが面白い。

怪物サプリにまつわる事件を通じて、“零士”が普通であることにこだわる意味を知った
“蛍”が彼に対してあの行動をとるまでの顛末が実に印象的で。“命”のあぶなっかしい
性格や食わせ物な“楢崎”の言動も気になりますし、続きが楽しみなシリーズの登場です。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル