9/9に映画「夏へのトンネル、さよならの出口」が公開となる、八目迷 先生が贈る新作は
時が止まる現象に巻き込まれた少年と少女の二人旅を綴る、時と四季シリーズ3作目です。
(イラスト:くっか 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530865 】
人にさわれない、という特性をもつ少年“麦野”が嫌々ながら参加した修学旅行。旅先の
函館で彼は、すべてが静止する世界で佇立する事態に陥る。偶然出会った少女“井熊”と
思い当たる節を考える内に、彼は叔父が語っていた「琥珀の世界」のことを思い出す──。
唯一の手掛かりたる“暮彦”の住む東京へ徒歩で向かう“麦野”と“井熊”の無謀な旅路。
反りの合わない2人の距離感が、衝突や拒絶を繰り返しながら受容されていく様子は実に
こそばゆい。特に、強がりきれない“井熊”が見せる弱さには希望すら見い出すほどです。
再び時を動かせる可能性に気が付いた“麦野”が選ぼうとする道も彼らしく、だからこそ
「0秒の旅」という表現が腑に落ちる読了感が秀逸で。再び立ち尽くす局面を迎える彼が、
僅かな希望を頼りにしてでもいい、逃げない人生を歩んでくれたら、と願って止みません。
2022年09月02日
2022年09月01日
『ラブコメ・イン・ザ・ダーク2』
鈴木大輔 先生が贈る、夢と現実が浸食しあう暗黒恋愛譚。第2巻は“ジロー”が次なる
ターゲット“アオイ”をどう口説くのか。様々な謎についても触れながら描いていきます。
(イラスト:tatsuki 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/lovedaku/322204000946.html 】
“ユミリ”との口喧嘩にも太刀打ちできない“トオル”の雑魚キャラ感に哀愁を覚えます。
“ジロー”が攻めあぐねていた“アオイ”からの思いがけない一手にも介在しないあたり
不遇すぎる“トオル”には同情するしかなくて。“ジロー”も持て余しているようですし。
そもそも“アオイ”はなぜ“ジロー”にデートを申し込むほど積極的な姿勢を取ったのか。
次第に明らかになっていく、“ユミリ”が看過できない“アオイ”の「闇」は驚愕の連続。
それを知る契機となる“トオル”の能力が褒められたのは数少ない彼女の幸せかも知れず。
夢の世界での立ち居振舞いを経て“ジロー”は更なる力の発露に至る訳ですが、それすら
「本気を出していない」と言及する“ユミリ”の真理は何か。彼女どころか彼にも生じた
新たな謎が指し示すものとは。しっかりラブコメしながら進む物語の行方に興味津々です。
ターゲット“アオイ”をどう口説くのか。様々な謎についても触れながら描いていきます。
(イラスト:tatsuki 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/lovedaku/322204000946.html 】
“ユミリ”との口喧嘩にも太刀打ちできない“トオル”の雑魚キャラ感に哀愁を覚えます。
“ジロー”が攻めあぐねていた“アオイ”からの思いがけない一手にも介在しないあたり
不遇すぎる“トオル”には同情するしかなくて。“ジロー”も持て余しているようですし。
そもそも“アオイ”はなぜ“ジロー”にデートを申し込むほど積極的な姿勢を取ったのか。
次第に明らかになっていく、“ユミリ”が看過できない“アオイ”の「闇」は驚愕の連続。
それを知る契機となる“トオル”の能力が褒められたのは数少ない彼女の幸せかも知れず。
夢の世界での立ち居振舞いを経て“ジロー”は更なる力の発露に至る訳ですが、それすら
「本気を出していない」と言及する“ユミリ”の真理は何か。彼女どころか彼にも生じた
新たな謎が指し示すものとは。しっかりラブコメしながら進む物語の行方に興味津々です。