ミサキナギ 先生が贈る仁義なき正妻戦争ラブコメ。第3巻は婚約にこだわる“二愛”から
“幸太”は婚約解消を引き出せるのか。揺れ動く四角関係がたどり着く行き先を描きます。
(イラスト:黒兎ゆう 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530872 】
“二愛”は“幸太”のことを本当に好きなのか。陶芸に打ち込みすぎる余り生活を疎かに
する彼女の姿から疑問を抱いた彼らが、調べていくうちに彼女の存在意義が「JK陶芸家」
しかない所まで追いつめられていると知る訳ですが、そこに彼の責はあるのかという話で。
それでも“幸太”が“二愛”に対して責任を取ろうとする姿には只々感心するしかなく。
漁夫の利を狙う“クリス”はあくまでも「同盟者」止まりで、譲る気はない“氷雨”は
決め手となる一手が無くて。“二愛”が気持ちにどう折り合いをつけるのかがポイント。
「婚約解消同盟」に一つの区切りをつけた“幸太”が選んだ道は読んで確認してもらう
として、なんと言うか、改めて罪作りな少年だということが分かるのではないかと思う
次第です。物語としても区切りをつけた ミサキナギ 先生にはお疲れ様です、の一言を。
2022年09月16日
2022年09月15日
『わたし、二番目の彼女でいいから。4』
西条陽 先生が描く少年少女の不健全な恋愛模様。第4巻は一線を越えた“橘”と“桐島”、
壊れかけな“早坂”の三角関係がいよいよ泥沼へと嵌まっていく高校生編の話を結びます。
(イラスト:Re岳 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/nibanmenokanojo/322201000061.html 】
「桐島事変」とか言い出してしまう彼に“浜波”のツッコミが冴え渡りまくるのが面白い。
“桐島”たちと関わることで身についてしまった「浜波レーダー」をもって止めたアレが
まさか足りなかったとは思いも寄らず。これはもう読んで確かめてもらうしかない展開で。
これでもまだ“桐島”が“橘”や“早坂”との拗れた関係をソフトランディングさせると
言ったりするあたりに彼の本質、というか問題思考が浮き彫りとなるワケで。“酒井”が
そこを的確に突きつつ「ちゃんと決められる」とまで言い切る場面がまず印象に残る所で。
“柳”も巻き込んでいよいよ狂いきった“桐島”たちがハードランディングするしかない
着地点は「二番目の彼女でいいから。」という意味を問い直したくなる場所となりました。
驚愕の引きをみせたあと、第5巻でどんな話を用意するのか。西 先生の手腕が問われます。
壊れかけな“早坂”の三角関係がいよいよ泥沼へと嵌まっていく高校生編の話を結びます。
(イラスト:Re岳 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/nibanmenokanojo/322201000061.html 】
「桐島事変」とか言い出してしまう彼に“浜波”のツッコミが冴え渡りまくるのが面白い。
“桐島”たちと関わることで身についてしまった「浜波レーダー」をもって止めたアレが
まさか足りなかったとは思いも寄らず。これはもう読んで確かめてもらうしかない展開で。
これでもまだ“桐島”が“橘”や“早坂”との拗れた関係をソフトランディングさせると
言ったりするあたりに彼の本質、というか問題思考が浮き彫りとなるワケで。“酒井”が
そこを的確に突きつつ「ちゃんと決められる」とまで言い切る場面がまず印象に残る所で。
“柳”も巻き込んでいよいよ狂いきった“桐島”たちがハードランディングするしかない
着地点は「二番目の彼女でいいから。」という意味を問い直したくなる場所となりました。
驚愕の引きをみせたあと、第5巻でどんな話を用意するのか。西 先生の手腕が問われます。
2022年09月14日
『運命の人は、嫁の妹でした。2』
逢縁奇演 先生が贈る、嫁とその妹による三角ラブコメ。第2巻は“兎羽”と“獅子乃”の
修羅場も覚悟する状況から“大吾”はどう動くか、彼の甲斐性が問われる顛末を描きます。
(イラスト:ちひろ綺華 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/yome_no_imouto/322205000049.html 】
いきなり刃傷沙汰か、と思えばそこは“兎羽”ゆえの展開。“大吾”に加えて“獅子乃”
への愛があふれていて驚嘆、ですがやはりアカン子かなということが元婚約者“工藤”、
大叔母“詩子”、乳母“フェイ”の証言からも明らかに。というか各々傑物なのも驚愕。
“兎羽”が“大吾”と愛のクエスト、その初歩となるロマンチックな初キスを期待する
やり取りがまた面倒くさくて微笑ましいのなんの。2人の様子を目にする“獅子乃”が
彼を想う感情に蓋をしきれず、少しずつ倒錯めいた所作を見せてくる展開もドキドキで。
そして“獅子乃”と“大吾”の頭によぎる、前巻とは別の前世での顛末。更なる因果が
逃れられない3人の絆を演出しつつ、更に「あの人」が関わってきてどうなることやら。
いずれにせよ吹っ切れた姉妹の決意を“大吾”がどう受け止めるか、次巻も楽しみです。
修羅場も覚悟する状況から“大吾”はどう動くか、彼の甲斐性が問われる顛末を描きます。
(イラスト:ちひろ綺華 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/yome_no_imouto/322205000049.html 】
いきなり刃傷沙汰か、と思えばそこは“兎羽”ゆえの展開。“大吾”に加えて“獅子乃”
への愛があふれていて驚嘆、ですがやはりアカン子かなということが元婚約者“工藤”、
大叔母“詩子”、乳母“フェイ”の証言からも明らかに。というか各々傑物なのも驚愕。
“兎羽”が“大吾”と愛のクエスト、その初歩となるロマンチックな初キスを期待する
やり取りがまた面倒くさくて微笑ましいのなんの。2人の様子を目にする“獅子乃”が
彼を想う感情に蓋をしきれず、少しずつ倒錯めいた所作を見せてくる展開もドキドキで。
そして“獅子乃”と“大吾”の頭によぎる、前巻とは別の前世での顛末。更なる因果が
逃れられない3人の絆を演出しつつ、更に「あの人」が関わってきてどうなることやら。
いずれにせよ吹っ切れた姉妹の決意を“大吾”がどう受け止めるか、次巻も楽しみです。
2022年09月13日
『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VIII』
支倉凍砂 先生が描く賢狼の娘と聖職者による旅路。第8巻は聖典印刷の計画を進めるべく
“コル”が放浪学生として過ごした大学都市に向かい、新たな騒動と出会いに遭遇します。
(イラスト:文倉十 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/spice-and-wolf/wolf-on-the-parchment/322202000066.html 】
天使のような聖女、と褒め立てられ結婚申込書が殺到するのも満更ではない“ミューリ”。
その返事にも使う紙やインクが不足している、と冷静に彼女をたしなめる“コル”が紙の
在庫を求めて訪れた大学都市も教科書売買を巡る策謀に揺れている、というのだから大変。
馴染み深い組織名「賢者の狼」を率いる“ルティア”、思いがけぬ「仲間」との出会いに
“コル”、そして“ミューリ”も感化するところがある様子で面白い。その一方で今回の
騒動の根幹を握る「敵」の片棒を、“ミューリ”に担がせることになる話運びが興味深い。
無闇矢鱈に“コル”を持ち上げる“カナン”の有能さにも目を見張りつつ、教会を倒すの
ではなく、その不正を糺したい、とその意味を語る“コル”の一言一言が印象に残ります。
新大陸に思いを馳せながら、変革の兆しに揺れる世界を旅する2人の行方を見守ります。
“コル”が放浪学生として過ごした大学都市に向かい、新たな騒動と出会いに遭遇します。
(イラスト:文倉十 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/spice-and-wolf/wolf-on-the-parchment/322202000066.html 】
天使のような聖女、と褒め立てられ結婚申込書が殺到するのも満更ではない“ミューリ”。
その返事にも使う紙やインクが不足している、と冷静に彼女をたしなめる“コル”が紙の
在庫を求めて訪れた大学都市も教科書売買を巡る策謀に揺れている、というのだから大変。
馴染み深い組織名「賢者の狼」を率いる“ルティア”、思いがけぬ「仲間」との出会いに
“コル”、そして“ミューリ”も感化するところがある様子で面白い。その一方で今回の
騒動の根幹を握る「敵」の片棒を、“ミューリ”に担がせることになる話運びが興味深い。
無闇矢鱈に“コル”を持ち上げる“カナン”の有能さにも目を見張りつつ、教会を倒すの
ではなく、その不正を糺したい、とその意味を語る“コル”の一言一言が印象に残ります。
新大陸に思いを馳せながら、変革の兆しに揺れる世界を旅する2人の行方を見守ります。
2022年09月12日
『恋は暗黒。』
十文字青 先生が贈る新作は、どこにでもいる普通の高校生・・・になりたかった少年がある
特殊な仕事や、美少女との恋愛に振り回されていくちょっぴりダークなラブコメディです。
(イラスト:BUNBUN 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/koikuro/322204000948.html 】
同じクラスの“白森”から一人呼び出された“想星”。そして「付き合ってください」と
突然の告白を受けた彼は戸惑いつつも「はい」と返答。「チート」を使い「仕事」をする
自分に可愛いを具現化したような彼女ができていいのか、と自問自答する日々が続く──。
なんで“想星”を好きになったのか、と疑いたくなる“白森”の言動を微笑ましく見守り
たくなる日常と、姉の指示に従い淡々と命のやり取りを繰り広げる非日常が交錯する展開。
それらを結ぶ鍵となる“羊本”の存在感が、少しずつ大きくなっていく描写も興味深い所。
“想星”が抱く“羊本”への疑問、「チート」の背景、姉の目的・・・様々な疑問が明らか
となった上で表紙を見返してみると「なるほど納得」という思いがひしひしと浮かびます。
思いがけず気付いた奇跡にすがって彼らは生きていけるのか、注目しておきたいものです。
特殊な仕事や、美少女との恋愛に振り回されていくちょっぴりダークなラブコメディです。
(イラスト:BUNBUN 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/koikuro/322204000948.html 】
同じクラスの“白森”から一人呼び出された“想星”。そして「付き合ってください」と
突然の告白を受けた彼は戸惑いつつも「はい」と返答。「チート」を使い「仕事」をする
自分に可愛いを具現化したような彼女ができていいのか、と自問自答する日々が続く──。
なんで“想星”を好きになったのか、と疑いたくなる“白森”の言動を微笑ましく見守り
たくなる日常と、姉の指示に従い淡々と命のやり取りを繰り広げる非日常が交錯する展開。
それらを結ぶ鍵となる“羊本”の存在感が、少しずつ大きくなっていく描写も興味深い所。
“想星”が抱く“羊本”への疑問、「チート」の背景、姉の目的・・・様々な疑問が明らか
となった上で表紙を見返してみると「なるほど納得」という思いがひしひしと浮かびます。
思いがけず気付いた奇跡にすがって彼らは生きていけるのか、注目しておきたいものです。