2022年08月25日

『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録III』

ロケット商会 先生が贈るアクションファンタジー。第3巻は“パトーシェ”を迎え入れた
懲罰勇者9004隊が異形たちに狙われながら聖騎士団たちの囮となって野戦築城に臨みます。
(イラスト:めふぃすと 先生)

https://dengekibunko.jp/product/yushakei/322202000033.html


第十三聖騎士団の元団長、という身上の“パトーシェ”。憎悪を向ける者もあれば、罪を
負う深い理由があると信じたい者もいる。彼女を新入りと呼ぶ“ザイロ”が各々の想いを
汲んで憎まれ口を叩く、その露悪的な姿にむなしさと格好良さを感じずにはいられません。

今巻では“ノルガユ”の思いがけない過去を垣間見ることになります。その内容に驚きを
隠せないのもさることながら、その鍵となる“ドッタ”が見せるファインプレーの数々も
目が離せないポイントで。制空権を懸けた“ジェイス”たちの戦いも見所と言えましょう。

魔王現象『アバドン』たちが見せる悪意に振り回される“レントビー”の辿った道のりも、
“ザイロ”たちが決死の覚悟で掴んだ未来も印象深い。だからこそ、顕在化する裏切りの
兆しや、新たに勇者刑を受けそうな人物を匂わせる描写が気になります。次巻も注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル