2022年08月19日

『運命の人は、嫁の妹でした。』

ゲームのシナリオライターでも活躍されている 逢縁奇演 先生が第26回電撃小説大賞への
応募をきっかけにデビュー。現世と前世のヒロインに板挟みとなる男性の苦悩を描きます。
(イラスト:ちひろ綺華 先生)

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元妻への未練を絶つべく運命の人を探す“大吾”は「ブラインド婚活」で一度も合わずに
やり取りを重ねた“兎羽”と婚姻する。初めて会う場所にいたのは彼女の妹“獅子乃”で、
しかも前世で婚姻の約束を交わした記憶が一瞬にして蘇るほどの「運命の人」らしく──。

都合あって“大吾”と会えない“兎羽”に代わり、彼を傍で頼ることになる“獅子乃”が
少しずつ好感を抱いていく様子がまずこそばゆい。その上で彼女も前世の記憶を垣間見て
思慕の念を強くする一方「前世の記憶を共有しない」両片思いのような関係がもどかしい。

“大吾”と良い雰囲気を築く“獅子乃”に割って入るかの如く登場する“兎羽”にも彼と
結婚することにこだわる理由があって、そこへ1962年の情景が三者三様の「運命の人」を
為していく展開に惹き込まれます。エピローグからどう続くのか注目の作品。お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル