2022年08月15日

『楽園ノイズ5』

杉井光 先生が贈る青春バンドストーリー。第5巻は迫る“伽耶”の中学卒業と“真琴”
たちの高校へ入学するまでの「PNO」メンバーの想いを描きつつ一年生編を締め括ります。
(イラスト:春夏冬ゆう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/paradise_noise/322201000055.html


“朱音”も“詩月”も“凛子”も、そして“伽耶”も音楽以外の道が十分あるのに対し、
やりたいことはやりたくない、と音楽しか道がない“真琴”との差が明確に出る今巻の
逸話の数々。「PNO」として過ごす時間にも限りがあると印象づける気がして切なくて。

“真琴”と女の子たちの仲を探る姉の努力が徒労に終わるのは既定路線で、悪ふざけが
功を奏する所まで含めてある意味、安心の展開で。“伽耶”が卒業するにあたって涙を
流すことになる場面、彼女だからこそという展開で生じるのは胸を打つものがあります。

「PNO」のマネージャー探し、スタジオの改装工事、そして途絶えた華園先生とのLINE。
心に残るしこりを一旦は忘れて、今あるがままの音楽を受け入れた“真琴”だからこそ
あの卒業の歌に辿り着いたと思うと感慨も一入。新たな季節を迎える彼らに要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル