2022年08月08日

『精霊幻想記 22.純白の方程式』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第22巻は「神のルール」に縛られない方法を模索する
“リオ”の願いと七賢神“リーナ”が託した布石が交錯し、一縷の望みを繋いでいきます。
(イラスト:Riv 先生)

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あの後“セリア”だけが超越者となった“リオ”との記憶を繋ぎ止めている、という希望。
彼女が覚えた新魔法とあの仮面を託されたことで神のルールに抗えるのでは、という期待。
感動の再会から続くやり取りから一段と魅力的に映る彼女の描写は流石という他になくて。

“美春”たちと合流した“セリア”に同道する“ソラ”が“美春”に対しいちいちケチを
つける言動が微笑ましい。“セリア”の誘導もあってどうにか心を解していく姿も可愛い。
またみんなで一緒に暮らせるように願う皆の力に“ソラ”もなってほしい、と祈るばかり。

残る戦争の火種を危惧する“フランソワ”が勇者たちと対等にありながら、争いの抑止力
として助力を求める提案に“貴久”が理想論を掲げる姿。キャラクターに嫌悪感を与える
描き方も秀逸なのが 北山 先生の凄い所。エピローグが示す意味を求めて次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル