暁佳奈 先生が贈る、四季を顕現する者たちに纏わる物語。夏を綴る下巻は「暗狼事件」を
解決して凶兆扱いの払拭を図る“葉桜”姉妹、代行者たちに命を狙う陰謀が牙を剥きます。
(イラスト:スオウ 先生)
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「暗狼事件」解決のために“葉桜”姉妹と手を結ぶ“輝矢”。彼が出した宣戦布告が如き
声明に胸が熱くなります。鍵を握る彼の守り人“慧剣”が暗狼となった理由は聞くほどに
情状酌量の余地が生まれるのは否めないかと。“月燈”の献身もまた目頭を熱くさせます。
“あやめ”の婚約者“連理”が示す愛もさることながら、“瑠璃”の相手“雷鳥”が抱く
激情には驚嘆するばかり。彼が馬鹿をやらかしたからこそ夏の里長“青藍”が培ってきた
悪意にも抗えたと思えば御の字で。元の鞘に収まる夏の代行者と護衛官の姿に感慨も一入。
今回思い悩む立場にあった“さくら”に対して“凍蝶”が、そして“雛菊”がしっかりと
想いを伝えた点も、保守派「老獪亀」と革新派「一匹兎角」の衝突で暗躍した“伏竜童子”
の正体も今後どう影響するか気になる所です。総じて夏の話も印象深く素敵な物語でした。