2022年07月11日

『継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない』

TVアニメが放映開始を迎えた、紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第9巻は“いさな”の
才能に惚れこむ“水斗”と、それを危惧する“結女”。各々が抱く想いを見つめ直します。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322106001159.html
https://tsurekano-anime.com/


“いさな”の創作活動を後押しする喜びを、目指す将来すら変えようとするほどに感じる
“水斗”にまず驚きを感じる所で。そんな彼の機微を的確に突く“慶光院”の素性は話の
流れで察しがつくものの、今に至った経緯もまた驚くと共に考えさせられる要素があって。

“水斗”の心が“結女”から離れていくのを感じ、その身をもってしてでも繋ぎ止めよう
とする彼女の姿が切実すぎて、痛ましく思えるほどで。“いさな”の才能を知ってもなお
譲れない“結女”が想いを言葉にして彼にぶつける道を選べたのは一番の幸いだったかも。

「きょうだい会議」で挙げた様々な仮定の話を踏まえ、“結女”に対して“水斗”がどう
けじめをつけるのか。たかやKi 先生による挿絵の演出が全てを物語ってくれていてもう
大満足と言う他にはなくて。まだ最終巻じゃない、ということで次巻も楽しみに待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年07月08日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 5』

鹿角フェフ 先生が贈る異世界ファンタジー。第5巻は「レネア神光国」に後れを取った
“拓斗”が、“エラキノ”たちの驕りを完膚なきまでに叩き潰す悪意を振りかざします。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1372.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


「レネア神光国」で突如発生する聖騎士団員連続殺害事件。“拓斗”は生きているという
怪情報。“エラキノ”がGM権限を行使しても結びつかない2つの点。“アトゥ”ですら
ようやく閃くほどの秘密にどう迫るかが今巻の焦点。それでも相変わらずな彼女に苦笑い。

“エラキノ”が振るう《裁定者》の権能、その鍵となるTRPGシステムの特徴を知り尽くす
“拓斗”だからこそ取り得る“アトゥ”奪還に向けた奇策の数々にただ圧倒されるばかり。
「閑話」で語られた話が裏付ける、彼を怒らせることの意味を垣間見たような気がします。

“キャリア”や“メアリア”たちの下準備や活躍も踏まえ、“ペペ”が断言したあの言葉
通りの結末を迎えて一安心かと思えば事を収めるための代償は殊の外に大きかったようで。
“アトゥ”は今回の失態を補えるのか。彼女が取る選択の行く末を見守りたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年07月07日

『魔法使い黎明期6 深潭の魔術師と杖の魔女』

TVアニメが最終回の放送を迎えた、虎走かける 先生が贈る本格ファンタジー。第6巻は
新世界の人々を“ダナ・リル”の支配から解放すべく“セービル”たちが全力で抗います。
(イラスト:いわさきたかし 先生 一部キャラクター原案:しずまよしのり 先生)

https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/7/1.html
https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/


“セス”が“ウツワ”に告げた言葉。その言葉尻を理解した彼女の葛藤と考え方の変化は
変わりゆく新世界を象徴するかのようで。一方で、彼の語意に気づいた“クドー”たちが
その想いに着実に応えていく顛末が「禁足地」としての揺るぎない答えを示すかのようで。

そんな中、“トト・リル”の愚行に灸を据えた“セービル”が抱いた「嫌な気分」を巡る
“ホルト”たちの見解、そして“ロス”の講釈に彼の更なる成長が窺えるのも印象深くて。
様々な人々が抱く想いの果てに“ダナ・リル”が辿り着いた身の上も因果応報かも知れず。

『ゼロから始める魔法の書』から続く“ゼロ”たちのその後。彼女たちの物語に交錯する
“ロス”たちとの旅路を描いた 虎走 先生に、まずは「本当にお疲れ様でした」の一言を。
そして完結に向けて尽力された関係者の方々へ、その御礼とお祝いを申し上げる次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年07月06日

『英雄と魔女の転生ラブコメ2』

雨宮和希 先生が贈る青春ラブコメディ。第2巻は友だちとなった“護道”と“麻衣”が
元英雄・元魔女という頸木と積み重なる想いの間で揺れ動く不器用な恋愛模様を描きます。
(イラスト:えーる 先生)

https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/7/5.html


「友達になってくれ」と“護道”が言ってくれたのが嬉しくて、その感情が言葉や態度に
出てしまう“麻衣”が可愛いのなんの。それでいながら彼の言葉をそのままに受け止めて
一線を画してしまうあたり「面倒くさい人だな!」と呆れますし、もどかしく思いますし。

「やりたいことを見つけた」という“護道”の気持ちを嫌というほどに察した“比奈”の
切ない気持ち。彼女の想いを知った“麻衣”の頑なな決意。そこにタイミングが悪い彼の
あの発言がもたらした、身から出た錆とも言える展開は悲劇なのにどこか喜劇的でもあり。

拗れまくった“護道”と“麻衣”の関係を修復するには言葉しかない、ということで応酬
する姿は見ているこっちが恥ずかしくなるほど。世界を選び不幸になった2人だからこそ、
人を選んで幸せになってほしい。そう思える物語を描き切った 雨宮 先生に心から感謝を。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年07月05日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編7』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第7巻は迫る文化祭を前にBクラスへ
向けられる悪意、“長谷部”が抱く復讐の念と対峙すべく“綾小路”が表に裏に動きます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322202001156.html


“鈴音”たちのメイド喫茶がコンセプトカフェで対抗する“龍園”たちにどう打ち勝つか。
“高円寺”はさておき“長谷部”と“三宅”からも非協力的な態度を取られ分は補えるか。
「切り札」も含めて色々と折り込み済みで勝ちを狙いに行く“綾小路”がもうすごすぎて。

“長谷部”と“三宅”が考える“鈴音”と“綾小路”へ復讐する手段。目星はついている
“綾小路”が、彼女たちの心に響かせきれない一手を「あの人」が補うのは実に印象深い。
ここに辿り着くまでの展開が更に「ある人物」を陥れる罠にも繋がるのがまた空恐ろしい。

Dクラスに落ちた“一之瀬”たちに発破をかけたり“南雲”を改めてその気にさせてみたり、
と不確定要素を楽しみと捉える余裕すら見せる“綾小路”がどんな未来を見据えているか。
裏で暗躍する者たちの思惑も気にしつつ、ひとまずは“茶柱”先生に心から同情と御礼を。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル