2022年07月29日

『EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の超能力学園OO〈下〉』

川上稔 先生が贈る、とある惑星の天地創造物語。3話下巻は立川で発生した謎の水害を
どうにかするはずが、さらに怪現象も加わって混迷を極める一連の騒動に決着をつけます。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/kamigami/322111000141.html


“ポセイドン”と相対する“団”が持つ策と、それが後々の対応で利いてくる話の構成に
二度驚かされます。“ポセイドン”が「オネエニキ」という設定にもしっかり裏があって、
そこを突いてくる“住良木”が冴えてます。普段は乳のことばかり考えている彼ですけど。

渦中に“TJ”が“バランサー”に示した提案。その意図と実現の難度を察した“宗子”の
一人語りが度々差し込まれる意味。折々で触れられる「コミケ」の話題が牙を剥く展開に
なるのが面白いですし、“TJ”と“宗子”の相対を見届ける“住良木”のやり取りも見所。

話の決着に向けて塀洲夫妻、特に“奮登”が奮起する一連の顛末も「ようやく来たか」と
盛り上がる局面です。要所で“木戸”無双なのはもう驚きませんが、都度圧倒はされます。
“先輩”のうっかりな私生活の乱れで纏まった所から物語がどう続くか注目しておきます。

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2022年07月28日

『あおとさくら』

伊尾微 先生の「第14回GA文庫大賞・金賞」受賞作。クラスに馴染めず一人図書館で過ごす
少年と、彼を気にかける屈託ない少女が織り成す青春ボーイミーツガールストーリーです。
(イラスト:椎名くろ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616281/

高校二年生の春を迎えても放課後になれば公立図書館に通い、一人で読書に勤しむ“蒼”。
ある日、彼と打ち解けたいという少女“咲良”が現われ、何度となく声を掛ける様になる。
「笑ってほしい」と言う彼女に「笑えないんだ」と返す彼。その理由を聞いた彼女は──。

なし崩し的に“咲良”と言葉を交わす仲になった“蒼”が日常生活でも振り回されていく
うちに変わっていく自分がいることに、そして淡い想いを抱いていることに気が付く展開。
まさに青春ど真ん中、こそばゆいです。あるきっかけを境に彼女と音信不通になるまでは。

“咲良”について知らない話が山ほどある。いなくなって愕然と思い知らされた“蒼”が
「彼女が彼を笑わそうとした本当の理由」を告げられて何を思うか、どう動くのかをぜひ
見届けていただきたい。2人がどんな自分の姿を形作っていくか、興味深い所であります。

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2022年07月27日

『スパイ教室08 《草原》のサラ』

2023年のTVアニメ放送に向け準備が進む、竹町 先生の痛快スパイファンタジー。第8巻は
「蛇」そして“白蜘蛛”の執念で窮地に陥る「灯」を目にした“サラ”が覚悟を決めます。
(イラスト:トマリ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/322203002018.html


「灯」に対し“アメリ”は冷静に構えるものの、CIM全体としては蔑視の対象でしかなく。
“白蜘蛛”の備えとしてCIMに裏切者がいることを想定する“グレーテ”の打診も響かず。
“モニカ”が問うた「理想のスパイ像」を掴む“サラ”の決意も及ばないのがもどかしい。

“白蜘蛛”が“クラウス”必殺を誓う「人類史上最悪の極罪を犯す」とはどういうことか。
「蛇」の一員となる過程や錚々たるスパイたちを裏切らせてきた能力、そして確執を抱く
決定的瞬間の流れから“クラウス”や「灯」の面々が窮地に陥った理由も得心がいきます。

“モニカ”が「蛇」を倒すために頼れと言った「炯眼」とは誰なのか。かの人物は本当に
「灯」の切り札となるのか。最後まで優劣が入れ替わり、手に汗握る話運びには只々驚嘆。
生き延びた「灯」掴んだ「焼闇計画」の一端がどんな嵐を巻き起こすか、次巻も注目です。

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2022年07月26日

『サマータイム・アイスバーグ』

新馬場新 先生の「第16回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。三浦半島に突如出現
した氷山を契機にかけがえのない一度きりの夏を経験する少年少女の恋と青春の物語です。
(イラスト:あすぱら 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530803


夏は叔父“鉄矢”の家で過ごすのが恒例となった“進”。近所の三浦海岸に現れた巨大な
氷山で世間が大騒ぎする中、浜辺に倒れている少女を助けた彼はその姿を見て言葉を失う。
交通事故で昏睡状態にある幼馴染“天音”の小さい頃に瓜二つな彼女は一体誰なのか──。

「“天音”=“日暈”」という可能性を求める“進”。彼の想いを前に卑屈になる“羽”。
彼女の思慕を配慮して、“天音”不在でも3人で過ごせる夏という道を模索する“一輝”。
ちぐはぐな3人が“日暈”に振り回されながら過ごす日々の様子が、どこかもどかしくて。

氷山の謎を探る人々の思惑が“進”たちを巻き込み、散逸していた物語の要素が結びつけ、
構築されていく少し不思議な世界観の中で各々が「夏の主役」を全うしていく展開は圧巻。
また冒頭と結末で思いを馳せる「私」に哀愁を覚えずにはいられない。お見事な一作です。

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2022年07月25日

『わたしはあなたの涙になりたい』

四季大雅 先生の「第16回小学館ライトノベル大賞・大賞」受賞作。全身が徐々に塩化する
奇病で母を喪った少年が出会う少女との数奇な縁を描く涙で始まり、涙で終わる物語です。
(イラスト:柳すえ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530810


福島県郡山市にある小学校へ通う“八雲”が、塩化病に罹った母の欠損していく体を見て
その「空白」を埋めようと日々模索する中、校庭でピアノの美しい音色を耳にする。彼は
向かった音楽室で目を奪われるほど美しい少女“揺月”と出会い、絆を深めていくが──。

母の死を機に厭世的になる“八雲”を支える“揺月”。彼女もまた孤独に苛まれる環境に
あって慰める彼。惹かれ合いながらも、ピアニストとして有望な彼女のこと、自身の父と
生い立ちに引け目を感じる彼の心情が分かるほどに、彼女の抱く悲しみと相まって切ない。

“八雲”と“揺月”が歳を重ね、3月11日に故郷も絆も揺らされ、喜びも悲しみも共有し、
音楽に救われながら、やがてあの秘密基地へと還っていくプロローグの余韻は圧巻の一言。
「わたしはあなたの涙になりたい」という魔法の言葉がもたらす奇跡を、ぜひご高覧あれ。

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2022年07月22日

『はたらく魔王さま! おかわり!!』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。TVアニメ第2期の放送を記念し
『電撃ノベコミ』アプリ上で連載していた短編、書き下ろしの特別編を収録した一冊です。
(イラスト:029 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maousama/322111000151.html
https://maousama.jp/


「おかわり!!」とあるように食べ物、食文化に関する“真奥”たちのあれこれが時系列を
問わず描かれるのがまず新鮮といいますか。カレーに纏わる逸話が多いのが実に興味深い。
“アシエス”はいま見ても面倒な子ですが、彼女も驚くであろう“真季”のアレも驚きで。

口絵で思わぬ醜態を晒す“芦屋”が今回イチ押しです。時には暴力的な幸せを味わっても
いいんじゃないかと思った次第。ガラリと雰囲気を変えた“漆原”も面白い。日本の生活
にすっかり順応している“鈴乃”の様子は見ていて微笑ましく、安心して見ていられます。

『電撃ノベコミ』用に用意していた短編はアプリユーザ獲得のために使いつつ、集約して
書籍という商材にも活用できるかどうかを問う、試金石としての意味合いも本作は担って
いるのかな、と勝手に想像しつつ順調な続刊とアニメが上手くいくことを願うばかりです。

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2022年07月21日

『ミミクリー・ガールズ』

ひたき 先生の「第28回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。脳と脊髄を人工素体に移植する技術
をもって第三次世界大戦を生き抜く特殊部隊が、世界の巨悪に立ち向かう顛末を描きます。
(イラスト:あさなや 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mimicrygirls/322110000039.html


どんな重傷を負っても人工素体「ミミック」に着替えれば元通りに戦線復帰できる大戦下、
アメリカ合衆国大統領の乗る飛行機が爆破され、その娘がイタリアに残される事態が発生。
護衛任務に就くべく新素体に着替えた男性兵“クリスティ”の体は何故か少女の姿で──。

戸惑いが隠せない“クリスティ”の様子や、同じ境遇にある“マーリン”との絡みなどを
楽しみつつ、我儘な大統領の娘“メアリー”が彼、というか彼女らとの触れあいを通じて
心解けていく描写に微笑ましさを覚えます。まさに「可愛いは正義」を体現しているかと。

世界を股にかけミッションをクリアしながら敵の首謀者に迫っていく展開はまるで映画を
見ているかのような爽快があって。可愛い中にもミリタリー要素が全開で意外性もあって。
話の落としどころも面白くて。うまく一冊にまとめてきたと思います。オススメできます。

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2022年07月20日

『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います5』

香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する大人気シリーズ。第5巻は
リゾート地での職員旅行を実現させた“アリナ”が遭遇する騒動と陰謀に鉄槌を下します。
(イラスト:がおう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322203002164.html


限られた予算を駆使して観光都市での職員旅行を満喫、と素直にいかないのが“アリナ”
らしいというか。“ジェイド”も早々に気づいていながら様子見していたのは平常運転か。
鍵を握る「予言の巫女」にも彼女が食って掛かる流れは面白い、というか興味深くもあり。

かねてから“ライラ”が匂わせていた思わせぶりな行動の裏もようやく見えてきた場面で、
命の危機どころか世界の存亡すら懸けた局面を迎えて、彼女がどう対処するのか。そこに
彼女が過去に縛られながらも今を生きていることが窺えて悲壮さを感じずにはいられない。

そんな“ライラ”にも、ねじ伏せられそうな理不尽にも物理で圧倒していく“アリナ”の
姿に本作の根底にある面白さを改めて見せつけられた思いです。そんな中“ジェイド”が
仕掛けた布石が“アリナ”にとって功を奏するのか否か。次巻でそれを確かめたい所です。

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2022年07月19日

『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!2』

なかひろ 先生が贈る、親と娘で、先生と生徒な2人の日常系ラブコメ。第2巻はGWを
前に“藍良”から受ける猛烈なアプローチに“桜人”がどう対応するか、気概を問います。
(イラスト:涼香 先生)

https://dengekibunko.jp/product/musumama/322112000017.html


“藍良”が望む夢と“桜人”が抱く夢との隔たり。彼女のもどかしさを慮った“祭里”が
彼との昔話を語る場面で「大人になったと感じた時」について話した内容がまず印象的で。
“祭里”が彼に恋していたからこそ“藍良”の恋を、彼の背中を押そうとする姿が切ない。

“彩葉”が“藍良”の里親として“桜人”の適性を判断するくだりでも、“藍良”の昔を
知るからこそ彼に思う所があった複雑な心情を吐露する顛末も、胸を打つものがあります。
“トレジャー”や“流梨”の存在が“藍良”に与えていた救いには感謝すら覚えるほどで。

暗所や閉所に恐怖を感じる心を克服するために暗闇の中で就寝する訓練を続ける“桜人”。
“藍良”のぬくもりがその突破口になると知りつつ目を背け続ける彼に彼女ができること。
夢を抱く大人がいてもいい。そう思わせてくれる彼の冒険を引き続き見守りたいものです。

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2022年07月18日

『恋は双子で割り切れない4』

高村資本 先生が贈る初恋こじらせ系双子ラブコメ。第4巻は“那織”を家に泊めた話が
“琉実”にも伝わり、拗れた恋を保留し続けてきた“純”に待ったなしの解が迫られます。
(イラスト:あるみっく 先生)

https://dengekibunko.jp/product/futakire/322202000067.html


母親からの強烈な指摘から入る今巻。あれだけ迫ってもまだなびかない“純”に苛立ちを
覚えるのも無理はない“那織”ですが、彼も勢いに任せて事に至るのは間違ってると固い
意志で耐えているのが分かるのでまさに難しい局面。ショック療法が過ぎる気もしますが。

そんな“那織”に負けじと“琉実”も“純”の気持ちを確かめようと前のめりになったり、
後輩にせっつかれたり、情緒不安定になったり、でこちらも見ていてつらい所があります。
姉妹共に流す涙が譲れない想いの表れで、切羽詰まっていることはもう言うまでもなくて。

わだかまる空気も言葉を使って乗り越えて、改めて互いの気持ちと向き合った“琉実”と
“那織”が“純”の誕生日をどう過ごすか決めた一方、彼も遂にある決断を下そうとする。
三者三様、思った通りの結末を迎えることできるのか。次巻の展開は特に目が離せません。

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2022年07月16日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2022年上期」エントリー


声優ラジオのウラオモテ#07 柚日咲めくるは隠しきれない?
 【22上ラノベ投票/9784049144499】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189606231.html

魔女学園最強のボクが、実は男だと思うまい
 【22上ラノベ投票/9784049141504】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189293090.html

サキュバスとニート(2) 〜くえないふたり〜
 【22上ラノベ投票/9784049142846】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189536844.html

楽園ノイズ(4)
 【22上ラノベ投票/9784049142174】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189395990.html

僕たち、私たちは、『本気の勉強』がしたい。
 【22上ラノベ投票/9784046814807】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189582710.html

剣と魔法の税金対策(5)
 【22上ラノベ投票/9784094530506】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189364549.html

灰原くんの強くて青春ニューゲーム(2)
 【22上ラノベ投票/9784798628455】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189585112.html
  
Unnamed Memory ―after the end― I
 【22上ラノベ投票/9784049138702】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189358454.html

異世界黙示録マイノグーラ 〜破滅の文明で始める世界征服〜 (5)
 【22上ラノベ投票/9784867163115】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189650147.html

占い師オリハシの嘘
 【22上ラノベ投票/9784065276556】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/189480006.html


◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2022年上期
 https://lightnovel.jp/best/2022_01-06/

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2022年07月15日

『EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の超能力学園OO〈上〉』

川上稔 先生が贈る、とある惑星の天地創造物語。3話上巻は“住良木”たちが住む立川の
高台側で発生する謎の大雨、妙な洪水を引き起こした創世神を探る学園ミステリー編です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/kamigami/322111000140.html


“先輩”のレベルアップ契機にも関わっていく“木戸”が“住良木”の母たる立場を元に
冷静沈着ながらもブッ飛んだ言動を見せていくのが面白いのなんの。挙句、神列会議でも
大鉈を振るう立場に食い込むなど、創世神の間でもある意味やりたい放題なのがまた良い。

その神列会議で行われる犯人探しの中で語られる創世神たちの権能に新たな発見もあれば
1990年代に限らない昔話、蘊蓄の数々には世代としても直撃する内容で感慨深くもあって。
今回“デメテル”からも雑な扱いをされる“ゲッサン”がいよいよ不憫になってきました。

知識神たる“桑尻”の知見にも助けられて、「無罪」と「無罪該当」の神が絞られていく
と思ったらあの引き具合。学園都市が山梨となるのが先か、“江下”が山梨にされるのか、
そもそも本件は罪に問えるものなのか、解決につながると信じつつ下巻の刊行を待ちます。

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2022年07月14日

『緋弾のアリアXXXVII 第三の男』

シリーズ累計900万部突破。赤松中学 先生が贈る大スケールアクション&ラブコメディー。
第37巻は“シャーロック”の力を強化する財宝を求めて“キンジ”がインドに上陸します。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/shituren/322202001154.html


「第2回イ・ウー同窓会」という題目で集められた錚々たる顔ぶれに“シャーロック”が
「神秘的で絶対的で真実で最強で圧倒的な器」を必要とする理由、“モリアーティ”との
因縁、そして鍵となる神“カーバンクル”について語る内容が色々とぶっ飛んでいて凄い。

“エリーザ”の優秀なガイドにより表裏あわせたインド事情を教えられつつ、共に旅行を
楽しむような感覚を味わいつつ、やがて対峙する“カーバンクル”をどう倒すかが難題で。
ここで“猴”と“キンジ”の冒頭の件が「禍を転じて福と為す」ことになるとは露知らず。

“ルシフェリア”の奸計にも助けられて一件落着、では済まない“キンジ”のやらかしは
何度見せられても驚くしかないワケで。結局のところ「財宝」とは何だったのか、という
種明かしは“シャーロック”に任せるとして、ここからどう駒を進めるのか興味津々です。

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2022年07月13日

『聖剣学院の魔剣使い10』

志瑞祐 先生が贈る学園ソードファンタジー。第10巻は〈精霊王〉を退けた“レオニス”が
喪われた〈女神〉の声を突き止めるべく〈ヴォイド〉の支配する虚無世界の謎に迫ります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322202001151.html
https://mfbunkoj.jp/special-contents/seikengakuin/sp.html


虚無世界とは何か。“レオニス”が示唆する、一つの推測が現実味を帯びてくるにつれて
彼の聞いた〈女神〉の声、そして〈女神〉の存在そのものに不信を感じずにはいられない
展開が続きます。あれだけ強気だった〈影の女王〉が放つ捨て台詞を気になるところです。

“レギーナ”も指摘する通り、これまでにだいぶ無理を重ねてきた“レオニス”。そんな
彼の所業を見せつけられてきた“咲耶”だからこそ出来るツッコミの鋭さに思わず苦笑い。
一連の流れで見せる、彼女の思いがけない一面も窺えて可愛らしいやら、微笑ましいやら。

話が進むにつれて重要な立場を担っていく“リーセリア”に今回も注目。“レオニス”も
思いも寄らない方法で彼の過去にも触れていく彼女が、彼の物語にどう踏み込んでいくか。
まずは新たに対峙してくる敵に抗う術を模索する過程を描く、次巻を楽しみしておきます。

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2022年07月12日

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典21』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第21巻は“グレン”が
不在の中で熾烈を極めるフェジテでの最終決戦で希望と絶望が入り交じる結末を描きます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201411rokudenashi/322202001187.html


あの“リィエル”が、“アルベルト”が、“イヴ”が相対する敵に圧倒されていく絶望感。
そこへ畳みかけて、人であることをやめなければ勝てない、と敵から甘言を弄される始末。
各々に渦巻く感情も相まって、逆転の余地はあるのかと疑うほどに緊迫する場面の連続で。

死に直面する窮地の中、それでも誰しもが「あの男」の影を頭によぎらせることで運命の
歯車が思いがけない方向へと狂い始めていく流れの変転が熱いのなんの。切返しの演出が
絶妙なのもさることながら、これだけページ数を割いていてもスルッと読めることに驚き。

もちろん簡単には勝たせてくれない強敵だからこそ戦いの幕を引くのはやはり「あの男」。
これほど格好良い登場は中々お目にかかれないのでは。圧倒される展開へさらにひと手間
加えてくるあたり 羊太郎 先生も容赦がなくて潔い。真の最終幕、見届けたいと思います。

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2022年07月11日

『継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない』

TVアニメが放映開始を迎えた、紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第9巻は“いさな”の
才能に惚れこむ“水斗”と、それを危惧する“結女”。各々が抱く想いを見つめ直します。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322106001159.html
https://tsurekano-anime.com/


“いさな”の創作活動を後押しする喜びを、目指す将来すら変えようとするほどに感じる
“水斗”にまず驚きを感じる所で。そんな彼の機微を的確に突く“慶光院”の素性は話の
流れで察しがつくものの、今に至った経緯もまた驚くと共に考えさせられる要素があって。

“水斗”の心が“結女”から離れていくのを感じ、その身をもってしてでも繋ぎ止めよう
とする彼女の姿が切実すぎて、痛ましく思えるほどで。“いさな”の才能を知ってもなお
譲れない“結女”が想いを言葉にして彼にぶつける道を選べたのは一番の幸いだったかも。

「きょうだい会議」で挙げた様々な仮定の話を踏まえ、“結女”に対して“水斗”がどう
けじめをつけるのか。たかやKi 先生による挿絵の演出が全てを物語ってくれていてもう
大満足と言う他にはなくて。まだ最終巻じゃない、ということで次巻も楽しみに待ちます。

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2022年07月08日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 5』

鹿角フェフ 先生が贈る異世界ファンタジー。第5巻は「レネア神光国」に後れを取った
“拓斗”が、“エラキノ”たちの驕りを完膚なきまでに叩き潰す悪意を振りかざします。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1372.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


「レネア神光国」で突如発生する聖騎士団員連続殺害事件。“拓斗”は生きているという
怪情報。“エラキノ”がGM権限を行使しても結びつかない2つの点。“アトゥ”ですら
ようやく閃くほどの秘密にどう迫るかが今巻の焦点。それでも相変わらずな彼女に苦笑い。

“エラキノ”が振るう《裁定者》の権能、その鍵となるTRPGシステムの特徴を知り尽くす
“拓斗”だからこそ取り得る“アトゥ”奪還に向けた奇策の数々にただ圧倒されるばかり。
「閑話」で語られた話が裏付ける、彼を怒らせることの意味を垣間見たような気がします。

“キャリア”や“メアリア”たちの下準備や活躍も踏まえ、“ペペ”が断言したあの言葉
通りの結末を迎えて一安心かと思えば事を収めるための代償は殊の外に大きかったようで。
“アトゥ”は今回の失態を補えるのか。彼女が取る選択の行く末を見守りたいと思います。

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2022年07月07日

『魔法使い黎明期6 深潭の魔術師と杖の魔女』

TVアニメが最終回の放送を迎えた、虎走かける 先生が贈る本格ファンタジー。第6巻は
新世界の人々を“ダナ・リル”の支配から解放すべく“セービル”たちが全力で抗います。
(イラスト:いわさきたかし 先生 一部キャラクター原案:しずまよしのり 先生)

https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/7/1.html
https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/


“セス”が“ウツワ”に告げた言葉。その言葉尻を理解した彼女の葛藤と考え方の変化は
変わりゆく新世界を象徴するかのようで。一方で、彼の語意に気づいた“クドー”たちが
その想いに着実に応えていく顛末が「禁足地」としての揺るぎない答えを示すかのようで。

そんな中、“トト・リル”の愚行に灸を据えた“セービル”が抱いた「嫌な気分」を巡る
“ホルト”たちの見解、そして“ロス”の講釈に彼の更なる成長が窺えるのも印象深くて。
様々な人々が抱く想いの果てに“ダナ・リル”が辿り着いた身の上も因果応報かも知れず。

『ゼロから始める魔法の書』から続く“ゼロ”たちのその後。彼女たちの物語に交錯する
“ロス”たちとの旅路を描いた 虎走 先生に、まずは「本当にお疲れ様でした」の一言を。
そして完結に向けて尽力された関係者の方々へ、その御礼とお祝いを申し上げる次第です。

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2022年07月06日

『英雄と魔女の転生ラブコメ2』

雨宮和希 先生が贈る青春ラブコメディ。第2巻は友だちとなった“護道”と“麻衣”が
元英雄・元魔女という頸木と積み重なる想いの間で揺れ動く不器用な恋愛模様を描きます。
(イラスト:えーる 先生)

https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/7/5.html


「友達になってくれ」と“護道”が言ってくれたのが嬉しくて、その感情が言葉や態度に
出てしまう“麻衣”が可愛いのなんの。それでいながら彼の言葉をそのままに受け止めて
一線を画してしまうあたり「面倒くさい人だな!」と呆れますし、もどかしく思いますし。

「やりたいことを見つけた」という“護道”の気持ちを嫌というほどに察した“比奈”の
切ない気持ち。彼女の想いを知った“麻衣”の頑なな決意。そこにタイミングが悪い彼の
あの発言がもたらした、身から出た錆とも言える展開は悲劇なのにどこか喜劇的でもあり。

拗れまくった“護道”と“麻衣”の関係を修復するには言葉しかない、ということで応酬
する姿は見ているこっちが恥ずかしくなるほど。世界を選び不幸になった2人だからこそ、
人を選んで幸せになってほしい。そう思える物語を描き切った 雨宮 先生に心から感謝を。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2022年07月05日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編7』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第7巻は迫る文化祭を前にBクラスへ
向けられる悪意、“長谷部”が抱く復讐の念と対峙すべく“綾小路”が表に裏に動きます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322202001156.html


“鈴音”たちのメイド喫茶がコンセプトカフェで対抗する“龍園”たちにどう打ち勝つか。
“高円寺”はさておき“長谷部”と“三宅”からも非協力的な態度を取られ分は補えるか。
「切り札」も含めて色々と折り込み済みで勝ちを狙いに行く“綾小路”がもうすごすぎて。

“長谷部”と“三宅”が考える“鈴音”と“綾小路”へ復讐する手段。目星はついている
“綾小路”が、彼女たちの心に響かせきれない一手を「あの人」が補うのは実に印象深い。
ここに辿り着くまでの展開が更に「ある人物」を陥れる罠にも繋がるのがまた空恐ろしい。

Dクラスに落ちた“一之瀬”たちに発破をかけたり“南雲”を改めてその気にさせてみたり、
と不確定要素を楽しみと捉える余裕すら見せる“綾小路”がどんな未来を見据えているか。
裏で暗躍する者たちの思惑も気にしつつ、ひとまずは“茶柱”先生に心から同情と御礼を。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル