2022年06月20日

『竜殺しのブリュンヒルド』

東崎惟子 先生の「第28回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。神命を受けた白銀の竜が守る島で
育った人間の少女が竜殺しのいる帝国に運命を翻弄される様を描く本格ファンタジーです。
(イラスト:あおあそ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/ryugoroshi_brunhild/322110000036.html


「エデン」を守る竜に殲滅された人々の中で、唯一生き残った少女“ブリュンヒルド”。
その竜に育てられた少女は竜を愛し、竜に愛されるようになるが、再び島を狙う帝国軍に
竜を殺され、囚われる。そこで彼女は帝国が誇る竜殺しの家の末裔だと知らされるが──。

“ブリュンヒルド”の実父である“シギベルト”が彼女へ愛を示さない様子に業を煮やす
“ザックス”の気遣い。家督争いで彼女に一度は妬みの感情をぶつけた“シグルズ”との
本音の語らい。帝国軍人として祭り上げられていく彼女の想いに響くのかが興味深い展開。

竜の狂信者たちに果たした説明責任。身を挺して竜から守った帝国の街並み。竜殺しの力
に隠された秘密。何度もフラッシュバックする「エデン」での思い出と遵守すべきルール。
竜として、人として生きた“ブリュンヒルド”が選んだ道の悲愴さに胸打たれる物語です。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル