白金透 先生が贈る異世界ノワール。第2巻は迷宮都市の治安維持のため配備された聖護隊
に“ヴァネッサ”の兄が、彼女の死の真相を突き止めるべく“マシュー”をつけ狙います。
(イラスト:マシマサキ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/himekishisamanohimo/322201000060.html 】
やがて訪れる、かもしれない迷宮攻略の時を迎えた時ことを“マシュー”が示唆した際に
“アルウィン”が取った行動。これを見て彼女は彼とどう在りたいのか、尋ねてみたいと
改めて感じました。恋だの愛だの、単純には推し量れない彼女の心境、実に気になります。
そんな姫騎士様に今回も迷惑をかけてしまう形になる“マシュー”の身から出た錆な話の
数々に苦笑が絶えません。しかし、彼も彼女の迷宮病を何とかしようと「清濁併せ呑む」
方法で尽力しているのが見て取れるので、今巻も憎めない立ち居振る舞いに魅せられます。
迷宮都市に来た“ヴィンセント”が“マシュー”をどう見極めたのかも見所の一つですが
今回の騒動につながる“太陽神”の手口が、見方を変えればさも悪魔のようで憎たらしい。
都市の危機、そして姫騎士様の窮地が迫る中、ヒモとして選ぶ決断を見届けたいものです。