佐野しなの 先生が贈る青春泥沼トライアングル。第2巻は“桜子”の彼女となったはずの
“安芸”が“小麦”から過去の想いをぶつけられて揺れ動く、泥沼必至の展開を描きます。
(イラスト:あるみっく 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815611583/ 】
“安芸”に関しては、彼の恋愛相談に答えた姉の辛辣な言葉がすべてを表しているとしか
言えなくて。結婚を前提にしている訳でもないにしろ、“桜子”がいない間に“小麦”と
元の関係に戻るのを受け入れるなんて誠実さが欠けていて情状酌量の余地もないというか。
“小麦”にとって不幸なのは、“安芸”への気持ちを引きずったまま、彼の心境を知って
しまったということ。諦めたはずなのに、諦めきれない。易々と割り切れないのが人の心
とは言え恋か友情か、二者択一を迫られれば選ばざるを得ないのが彼女の業というものか。
“桜子”にしてみれば“安芸”も“小麦”も求めてしまっている時点でもう救う手立てが
無いように見えて。彼の気持ちも、彼女の心情も察してしまうことができる“桜子”故に
進む道は唯一つ、と突っ切るのがつらい。このラストを繋ぐ 佐野 先生の腕の見せ所です。