手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第15巻は
〈ネフェリム〉たちの新たな拠点となる街づくりを担う“フォル”の頑張る姿を描きます。
(イラスト:COMTA 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1507 】
未だ残る魔術師と聖騎士との確執。そんな二大組織の融和への鍵となる“バルバロス”と
“シャスティル”のやり取りに今巻もニヨニヨ。“レイチェル”の信仰も捗るというもの。
“ゴメリ”に至っては拗らせた“アルシエラ”の愛で力にもあてられて幸せそうで何より。
“フォル”が預かった魔王“アスモデウス”の身柄。記憶がないという言動の真偽を問う
うちに見えてくる、《蒐集士》たる魔王の所以が切なさを誘います。信じる“フォル”が
言葉で、力で相対する姿は相手にどんな影響を与えるか、見届けたくなるというものです。
“ネフィ”とのデートに全神経を集中する“ザガン”に水を差した「あれ」が鉄拳制裁を
食らうのも無理はなく。対して振るった剣の無駄さに気づく遅さから見ても面倒な御仁で。
終わってみれば、彼が用意した誕生日プレゼントも粋な計らいで実に心温まる一幕でした。