手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第15巻は
〈ネフェリム〉たちの新たな拠点となる街づくりを担う“フォル”の頑張る姿を描きます。
(イラスト:COMTA 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1507 】
未だ残る魔術師と聖騎士との確執。そんな二大組織の融和への鍵となる“バルバロス”と
“シャスティル”のやり取りに今巻もニヨニヨ。“レイチェル”の信仰も捗るというもの。
“ゴメリ”に至っては拗らせた“アルシエラ”の愛で力にもあてられて幸せそうで何より。
“フォル”が預かった魔王“アスモデウス”の身柄。記憶がないという言動の真偽を問う
うちに見えてくる、《蒐集士》たる魔王の所以が切なさを誘います。信じる“フォル”が
言葉で、力で相対する姿は相手にどんな影響を与えるか、見届けたくなるというものです。
“ネフィ”とのデートに全神経を集中する“ザガン”に水を差した「あれ」が鉄拳制裁を
食らうのも無理はなく。対して振るった剣の無駄さに気づく遅さから見ても面倒な御仁で。
終わってみれば、彼が用意した誕生日プレゼントも粋な計らいで実に心温まる一幕でした。
2022年06月09日
2022年06月08日
『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。5』
YouTube漫画として展開されている同シリーズを、脚本を務める 天乃聖樹 先生が小説化。
第5巻は同棲の噂を逸らすため、“陽鞠”が“才人”のニセ恋人を演じる顛末を描きます。
(イラスト:成海七海 先生 キャラクター原案・漫画:もすこんぶ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/daikirai_kekkon/322201000776.html 】
少なくとも“陽鞠”には同棲の件がバレたことで俄然、彼女のやる気は引き出される訳で。
“糸青”や“真帆”では務まらない彼女役を介して“陽鞠”が次々と夢描いていた場面を
実現させていき、“才人”と本当の彼女になることも目指す姿は輝かしくて、また強くて。
対する“朱音”は状況ゆえに、かつ身から出た錆として“陽鞠”の行動を止められる訳も
なく、後手に回ることにもどかしさと苛立ちを隠せない様子が微笑ましいやら、何とやら。
“朱音”かの風当たりが一段と強くなる“才人”には同情を禁じ得ませんが致し方なしで。
“陽鞠”からの決定的なアピールを受けて、黙っていられない“朱音”がついに明かした
過去の逸話。互いに譲らない、諦めない2人がまるで好敵手のように喧嘩する様子が強く
印象に残ります。ただ一人、真実を知らない“才人”が示す立ち居振る舞いに要注目です。
第5巻は同棲の噂を逸らすため、“陽鞠”が“才人”のニセ恋人を演じる顛末を描きます。
(イラスト:成海七海 先生 キャラクター原案・漫画:もすこんぶ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/daikirai_kekkon/322201000776.html 】
少なくとも“陽鞠”には同棲の件がバレたことで俄然、彼女のやる気は引き出される訳で。
“糸青”や“真帆”では務まらない彼女役を介して“陽鞠”が次々と夢描いていた場面を
実現させていき、“才人”と本当の彼女になることも目指す姿は輝かしくて、また強くて。
対する“朱音”は状況ゆえに、かつ身から出た錆として“陽鞠”の行動を止められる訳も
なく、後手に回ることにもどかしさと苛立ちを隠せない様子が微笑ましいやら、何とやら。
“朱音”かの風当たりが一段と強くなる“才人”には同情を禁じ得ませんが致し方なしで。
“陽鞠”からの決定的なアピールを受けて、黙っていられない“朱音”がついに明かした
過去の逸話。互いに譲らない、諦めない2人がまるで好敵手のように喧嘩する様子が強く
印象に残ります。ただ一人、真実を知らない“才人”が示す立ち居振る舞いに要注目です。
2022年06月07日
『灰原くんの強くて青春ニューゲーム 2』
雨宮和希 先生が贈る、強くてニューゲームな学園ラブコメ。第2巻は“詩”からの好意を
感じつつ“夏希”が“陽花里”への想いを貫けるか、周囲の関係も交えて描いていきます。
(イラスト:吟 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1502 】
“美織”が“夏希”に対して“詩”を「キープしとく」と評するあたりは性格が出ている
というか、納得できるというか。その“美織”が仕掛けたダブルデートで彼がループした
からこそ気付けた彼女の悩みが、本音を明かせなかった彼自身と重なるのが実に印象深い。
一度は引き下がって、“夏希”が“美織”に対して格好をつける所を目にして、夏祭りで
願い事を変えたりして、それでもなお彼に気持ちを示した“詩”には適わない。脱帽です。
そんな彼が敗北した姿をたまたま見かけた「彼女」の独白が気になって仕方がありません。
清々しいほど潔い“竜也”の強いんだか弱いんだか謎な振舞いを微笑ましく思う暇もなく
“怜太”が示した意外にも強い意思。“陽花里”や“七瀬”も意味ありげな言動も含めて
“夏希”が選ぶのは友情か、恋愛か、共存か。未曽有の夏で彼が辿る道程に興味津々です。
感じつつ“夏希”が“陽花里”への想いを貫けるか、周囲の関係も交えて描いていきます。
(イラスト:吟 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1502 】
“美織”が“夏希”に対して“詩”を「キープしとく」と評するあたりは性格が出ている
というか、納得できるというか。その“美織”が仕掛けたダブルデートで彼がループした
からこそ気付けた彼女の悩みが、本音を明かせなかった彼自身と重なるのが実に印象深い。
一度は引き下がって、“夏希”が“美織”に対して格好をつける所を目にして、夏祭りで
願い事を変えたりして、それでもなお彼に気持ちを示した“詩”には適わない。脱帽です。
そんな彼が敗北した姿をたまたま見かけた「彼女」の独白が気になって仕方がありません。
清々しいほど潔い“竜也”の強いんだか弱いんだか謎な振舞いを微笑ましく思う暇もなく
“怜太”が示した意外にも強い意思。“陽花里”や“七瀬”も意味ありげな言動も含めて
“夏希”が選ぶのは友情か、恋愛か、共存か。未曽有の夏で彼が辿る道程に興味津々です。
2022年06月06日
『僕たち、私たちは、『本気の勉強』がしたい。』
「15歳でも俺の嫁!」の 庵田定夏 先生が贈る新作は、真面目に分相応に生きる少年が
学年首席の少女と関わり、真剣に勉強と向き合う顛末を描く新世代受験ストーリーです。
(イラスト:ニリツ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/honben/322202001159.html 】
夢を追い、道を誤る父をもつ“正太”は凡人として恙なく生きる日々を送る真面目な少年。
ある夜、彼は教室で勉強する“灯”と遭遇し「本気でやろうと思えば東大に合格できる」
と豪語される。訝しむ彼は彼女の理論を否定するべく夜の教室で共に勉強を始めるが──。
頭が良いとはどういうことか。本気の勉強とは何か。試験の本質をコミュニケーションの
ツール、ミステリー小説のように例えながら展開する“灯”の持論に、成人したからこそ
得心のいく点が幾つも感じられました。端々に子供っぽさを残す言動も印象に残る要素で。
もう一人、夜に出会う“美空”の背負う過去が兎角「脱落者」に厳しい日本の縮図を示す
かのようで心苦しく思いつつ、彼女もまた東大を目指す動機を得る顛末に幾らか救われる
気がしました。決して甘くはない道のりを行く3人に思わず声援を送りたくなる作品です。
学年首席の少女と関わり、真剣に勉強と向き合う顛末を描く新世代受験ストーリーです。
(イラスト:ニリツ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/honben/322202001159.html 】
夢を追い、道を誤る父をもつ“正太”は凡人として恙なく生きる日々を送る真面目な少年。
ある夜、彼は教室で勉強する“灯”と遭遇し「本気でやろうと思えば東大に合格できる」
と豪語される。訝しむ彼は彼女の理論を否定するべく夜の教室で共に勉強を始めるが──。
頭が良いとはどういうことか。本気の勉強とは何か。試験の本質をコミュニケーションの
ツール、ミステリー小説のように例えながら展開する“灯”の持論に、成人したからこそ
得心のいく点が幾つも感じられました。端々に子供っぽさを残す言動も印象に残る要素で。
もう一人、夜に出会う“美空”の背負う過去が兎角「脱落者」に厳しい日本の縮図を示す
かのようで心苦しく思いつつ、彼女もまた東大を目指す動機を得る顛末に幾らか救われる
気がしました。決して甘くはない道のりを行く3人に思わず声援を送りたくなる作品です。
2022年06月03日
『呪剣の姫のオーバーキル 〜とっくにライフは零なのに〜4』
川岸欧魚 先生が贈る痛快スプラッターファンタジー。第4巻は“メッソル”の〈縁砕き〉
に〈屍喰らい〉で対抗する“シェイ”を“テア”が極限まで支援し、決着の時を迎えます。
(イラスト:so品 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530674 】
“シェイ”、というより〈屍喰らい〉に終始こだわる“メッソル”が目をつける“テア”。
魔法鍛冶師としての成長著しい彼が、彼女とはまた違った方向性で人並外れていく様子が
どこかあぶなかっしいくて。その彼を気遣う“ホフマン”の辿る結末が不憫でなりません。
“エレミア”が示す持ち前の明るさにも助けられ、決戦を前にした小休止で“シェイ”と
“テア”が見せた何気ないやり取りから未来を予感させる絆が感じられたのは印象深くて。
それ故に“メッソル”との戦いの凄まじさから、勝ち筋が読めない緊迫感に圧倒されます。
戦いだけでなく、様々なエゴが渦巻く中、徹頭徹尾“シェイ”のパートナーで在り続けた
“テア”が共に、命を懸けて掴み取った結末がもたらしたものは、あのレリーフが如実に
物語ってくれていると信じます。2人の未来に幸あれ、ということで完結を祝う次第です。
に〈屍喰らい〉で対抗する“シェイ”を“テア”が極限まで支援し、決着の時を迎えます。
(イラスト:so品 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530674 】
“シェイ”、というより〈屍喰らい〉に終始こだわる“メッソル”が目をつける“テア”。
魔法鍛冶師としての成長著しい彼が、彼女とはまた違った方向性で人並外れていく様子が
どこかあぶなかっしいくて。その彼を気遣う“ホフマン”の辿る結末が不憫でなりません。
“エレミア”が示す持ち前の明るさにも助けられ、決戦を前にした小休止で“シェイ”と
“テア”が見せた何気ないやり取りから未来を予感させる絆が感じられたのは印象深くて。
それ故に“メッソル”との戦いの凄まじさから、勝ち筋が読めない緊迫感に圧倒されます。
戦いだけでなく、様々なエゴが渦巻く中、徹頭徹尾“シェイ”のパートナーで在り続けた
“テア”が共に、命を懸けて掴み取った結末がもたらしたものは、あのレリーフが如実に
物語ってくれていると信じます。2人の未来に幸あれ、ということで完結を祝う次第です。