ふか田さめたろう 先生が贈るすれ違いゼロの甘々ラブコメディ。第6巻は婚約者となった
“小雪”と“直哉”が高校3年生、大学生、そして家族となるまでを描く最終巻となります。
(イラスト:ふーみ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815613549/ 】
“小雪”を全力で推す“恵美佳”の目を逸らそうと白羽の矢が立った一見強面の“竜一”。
“直哉”の洞察力を裏付けに、2人をくっつけようと“小雪”の努力が空回りする間にも
実はラブコメ体質な“竜一”がやる時はやる、と魅せてくれるのが微笑ましくて良いです。
新聞部の部長“文乃”も驚きの、そして納得の“直哉”と“小雪”の「普通」を踏まえて
大学生活に突入していく2人がいつ一線を超えるのか。互いに互いを思い遣る結果として
迎える未来において、“小春”が2人の変わらない絆の深さを語ってくれるのが印象深い。
ラストは両親の能力を面白い形で継承した“小春”に振り回される“良太”少年の苦悩を
描きながら、新たな物語が始まるような雰囲気を感じさせつつ話を纏めるところも好感触。
最後まで安心して読み切れるラブコメでした。無事の完結を、心よりお祝い申し上げます。
2022年06月23日
2022年06月22日
『友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。2』
真代屋秀晃 先生が贈る青春恋愛劇。第2巻は“夜瑠”からの熱い恋情よりも友情を優先
しきれない“純也”の葛藤とは別に、親友五人組の関係が揺れ動いていく兆しを描きます。
(イラスト:みすみ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tomodachinoushirode/322202000065.html 】
GKD、こと「グループ内で彼女を作らない同盟」を守りたい気持ちは今も持ち続けながら
“夜瑠”からの「内緒で付き合う」という提案を振り払いきれない“純也”の心の描写が
生々しくて。彼しかいない、と背水の陣で臨む彼女が病んでしまうのかと不安になる程で。
綱を渡るかのような“純也”と“夜瑠”の距離感、揺らぐ感情を“青嵐”がバンド活動に
燃える文化祭や、恋に焦がれた彼女が辿った生き様がこれでもかと追い込んでいく展開は
これまた驚愕。「秘密で後ろめたくて、誰にも言えない裏切りの物語」へと誘われました。
同盟を揺るがす決定的な事案とは別に“新太郎”が本音を打ち明けたと思えば、前々から
思わせぶりな“火乃子”も動き出して。思う所ある“青嵐”、「秘密」を抱える“純也”、
秘密の恋に泥濘する“夜瑠”、それぞれの関係がこの先どう歪んでいくのか気になります。
しきれない“純也”の葛藤とは別に、親友五人組の関係が揺れ動いていく兆しを描きます。
(イラスト:みすみ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tomodachinoushirode/322202000065.html 】
GKD、こと「グループ内で彼女を作らない同盟」を守りたい気持ちは今も持ち続けながら
“夜瑠”からの「内緒で付き合う」という提案を振り払いきれない“純也”の心の描写が
生々しくて。彼しかいない、と背水の陣で臨む彼女が病んでしまうのかと不安になる程で。
綱を渡るかのような“純也”と“夜瑠”の距離感、揺らぐ感情を“青嵐”がバンド活動に
燃える文化祭や、恋に焦がれた彼女が辿った生き様がこれでもかと追い込んでいく展開は
これまた驚愕。「秘密で後ろめたくて、誰にも言えない裏切りの物語」へと誘われました。
同盟を揺るがす決定的な事案とは別に“新太郎”が本音を打ち明けたと思えば、前々から
思わせぶりな“火乃子”も動き出して。思う所ある“青嵐”、「秘密」を抱える“純也”、
秘密の恋に泥濘する“夜瑠”、それぞれの関係がこの先どう歪んでいくのか気になります。
2022年06月21日
『友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。』
真代屋秀晃 先生が贈る新作は、中学からの仲良し男子三人組が、高校進学と共に加わった
少女二人をあわせた親友五人組となって友情と恋心の狭間に揺れる青春の日々を描きます。
(イラスト:みすみ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tomodachinoushirode/322111000161.html 】
高校生になった“純也”は恋人を作るよりも友人たちとの青臭い思い出を大切にしたいと
考え、“青嵐”や“新太郎”に“夜瑠”“火乃子”を交えてバカ騒ぎする日々を謳歌する。
ある日、“青嵐”に気があるらしい“夜瑠”から“純也”は衝撃の「告白」を受ける──。
“純也”たちが提唱する「彼女を作らない同盟」に相反する考えを辛辣なまでにぶつける
“夜瑠”が見せる二面性にまず驚かされます。同盟を組むに至る彼の苦い過去を知らない
彼女にやられ放題の展開に、五人組破滅の時が早くも訪れるのかとやきもきさせられます。
“夜瑠”が恋をする背景にも深すぎる心の傷があることを知った上で、本作の題名にある
状況へ陥るのか。その導線と、“純也”が知る由もない心の変化に戸惑うのも無理はなく。
難しい選択を迫られる彼は同盟を死守することができるか。続きが実に気になる物語です。
少女二人をあわせた親友五人組となって友情と恋心の狭間に揺れる青春の日々を描きます。
(イラスト:みすみ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/tomodachinoushirode/322111000161.html 】
高校生になった“純也”は恋人を作るよりも友人たちとの青臭い思い出を大切にしたいと
考え、“青嵐”や“新太郎”に“夜瑠”“火乃子”を交えてバカ騒ぎする日々を謳歌する。
ある日、“青嵐”に気があるらしい“夜瑠”から“純也”は衝撃の「告白」を受ける──。
“純也”たちが提唱する「彼女を作らない同盟」に相反する考えを辛辣なまでにぶつける
“夜瑠”が見せる二面性にまず驚かされます。同盟を組むに至る彼の苦い過去を知らない
彼女にやられ放題の展開に、五人組破滅の時が早くも訪れるのかとやきもきさせられます。
“夜瑠”が恋をする背景にも深すぎる心の傷があることを知った上で、本作の題名にある
状況へ陥るのか。その導線と、“純也”が知る由もない心の変化に戸惑うのも無理はなく。
難しい選択を迫られる彼は同盟を死守することができるか。続きが実に気になる物語です。
2022年06月20日
『竜殺しのブリュンヒルド』
東崎惟子 先生の「第28回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。神命を受けた白銀の竜が守る島で
育った人間の少女が竜殺しのいる帝国に運命を翻弄される様を描く本格ファンタジーです。
(イラスト:あおあそ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/ryugoroshi_brunhild/322110000036.html 】
「エデン」を守る竜に殲滅された人々の中で、唯一生き残った少女“ブリュンヒルド”。
その竜に育てられた少女は竜を愛し、竜に愛されるようになるが、再び島を狙う帝国軍に
竜を殺され、囚われる。そこで彼女は帝国が誇る竜殺しの家の末裔だと知らされるが──。
“ブリュンヒルド”の実父である“シギベルト”が彼女へ愛を示さない様子に業を煮やす
“ザックス”の気遣い。家督争いで彼女に一度は妬みの感情をぶつけた“シグルズ”との
本音の語らい。帝国軍人として祭り上げられていく彼女の想いに響くのかが興味深い展開。
竜の狂信者たちに果たした説明責任。身を挺して竜から守った帝国の街並み。竜殺しの力
に隠された秘密。何度もフラッシュバックする「エデン」での思い出と遵守すべきルール。
竜として、人として生きた“ブリュンヒルド”が選んだ道の悲愴さに胸打たれる物語です。
育った人間の少女が竜殺しのいる帝国に運命を翻弄される様を描く本格ファンタジーです。
(イラスト:あおあそ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/ryugoroshi_brunhild/322110000036.html 】
「エデン」を守る竜に殲滅された人々の中で、唯一生き残った少女“ブリュンヒルド”。
その竜に育てられた少女は竜を愛し、竜に愛されるようになるが、再び島を狙う帝国軍に
竜を殺され、囚われる。そこで彼女は帝国が誇る竜殺しの家の末裔だと知らされるが──。
“ブリュンヒルド”の実父である“シギベルト”が彼女へ愛を示さない様子に業を煮やす
“ザックス”の気遣い。家督争いで彼女に一度は妬みの感情をぶつけた“シグルズ”との
本音の語らい。帝国軍人として祭り上げられていく彼女の想いに響くのかが興味深い展開。
竜の狂信者たちに果たした説明責任。身を挺して竜から守った帝国の街並み。竜殺しの力
に隠された秘密。何度もフラッシュバックする「エデン」での思い出と遵守すべきルール。
竜として、人として生きた“ブリュンヒルド”が選んだ道の悲愴さに胸打たれる物語です。
2022年06月17日
『声優ラジオのウラオモテ #07 柚日咲めくるは隠しきれない?』
二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第7巻は“夕陽”と“やすみ”が頑張り続ける姿を
見守る“めくる”の想いに触れつつ、彼女が考える声優としての在り方、矜持を描きます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322202000055.html 】
声優ファンでありながら声優になった“めくる”だからこその葛藤や想いが伝わってきて
読み進める内にどんどん彼女の魅力に惹かれていく内容。『じゅーどるラジオ』の顛末が
その最たるもので「声優を活かす声優」を目指した彼女だからこそ見せられる感情が熱い。
オーディションに対して本気になれない。“めくる”の更なる躍進を切望する“成瀬”も
指摘せざるを得ない、彼女も自認する弱み。声優業を続けられなかった人たちのためにも
変わらなければいけない、と考え抜いた末の彼女の決断は見る側にも重く、そして切なく。
気合の入れ直し方を間違えた“めくる”に対して、親友の“花火”が活を入れ直す方法が
今巻の副題やイラストから窺えるのも面白い。ベテラン声優と相対しても臆することなく
臨める“めくる”に「らしさ」を残しているのもまた良い。彼女に対する株が急上昇です。
見守る“めくる”の想いに触れつつ、彼女が考える声優としての在り方、矜持を描きます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322202000055.html 】
声優ファンでありながら声優になった“めくる”だからこその葛藤や想いが伝わってきて
読み進める内にどんどん彼女の魅力に惹かれていく内容。『じゅーどるラジオ』の顛末が
その最たるもので「声優を活かす声優」を目指した彼女だからこそ見せられる感情が熱い。
オーディションに対して本気になれない。“めくる”の更なる躍進を切望する“成瀬”も
指摘せざるを得ない、彼女も自認する弱み。声優業を続けられなかった人たちのためにも
変わらなければいけない、と考え抜いた末の彼女の決断は見る側にも重く、そして切なく。
気合の入れ直し方を間違えた“めくる”に対して、親友の“花火”が活を入れ直す方法が
今巻の副題やイラストから窺えるのも面白い。ベテラン声優と相対しても臆することなく
臨める“めくる”に「らしさ」を残しているのもまた良い。彼女に対する株が急上昇です。