「漫画エンジェルネコオカ」のマンガ動画で脚本を担う 柚本悠斗 先生が自ら編む恋物語。
第3巻は“葵”のもとを離れたはずの母親が来訪し、“晃”も彼女も選ぶ道を模索します。
(イラスト:magako 先生 キャラクター原案:あさぎ屋 先生)
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“葵”の父親に対する肩透かしから一転、母親のクズさに対して怒り心頭に発する“晃”
には同意しかない導入部分。学園祭の準備で彼と彼女の雰囲気が更に睦まじさを増す中で
冷や水を浴びせる展開を前に、母と娘が出す結論を待つしかない彼のもどかしさたるや。
クズとはいえ、母親と一緒にいるのが娘として幸せかもしれない。そんな一縷の望みすら
打ち砕く現実に悲痛な思いを吐露する“葵”の、何と痛ましいことか。彼女を守れるのは
自分だけ、とうぬぼれていた“晃”自身との決別にも似た顛末にどこか虚しさが残ります。
タイトルにある趣意を反転させる学園祭の出し物、という演出もさることながら“泉”や
“瑛士”、バイト先の店長にも気遣われて何とか成功へ漕ぎ着けていく“葵”と“晃”の
様子が印象的。共に花火を見ながらつぶやいた彼女の願いがどこへ向かうか気になります。