2022年04月21日

『占い師オリハシの嘘』

なみあと 先生が贈る新作は、カリスマ占い師でありながら失踪する癖もある姉を持つ妹が
普通の女子大生でありながら持ち前の推理力で占いを代行する顛末を描くミステリーです。
(イラスト:美和野らぐ 先生)

http://taiga.kodansha.co.jp/author/namiato.html#link9784065276556


「奏ちゃん、しばらく代役をよろしくね」と言葉を残した姉の“紗枝”はすでに音信不通。
妹の“奏”は神秘の力などないが様々な情報を分析し、依頼を代行すべく今日も奔走する。
評判の占い師“オリハシ”としてより良い未来を、迷える依頼者へと授けるためにも──。

“奏”なりの占いの仕方を、まずはお手並み拝見とばかりに「魔女と結婚運」にまつわる
依頼を通じて魅せつつ、続く短編からは別々の依頼が絡み合ってあるオカルトめいた謎に
迫っていくことになる連作としての構成の妙でも惹き込ませてくれます。実に面白い展開。

“奏”とバディっぽい関係にありながら適切な距離を置かざるを得ない“修二”には同情
を覚えずにはいられない。その上で、“紗枝”が失踪する「本当の理由」を知って驚いて
もらいたい物語かと。単巻で終わらせるのはもったいないので是非シリーズ化を希望です。

posted by 秋野ソラ at 00:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル