三上延 先生が贈る“栞子”と“大輔”のその後を描く大人気ビブリオミステリ。第3巻は
ある古書店の蔵書を形見として相続する少年の事情に“扉子”たちも深く関わっていきます。
(イラスト:越島はぐ 先生)
【 https://mwbunko.com/product/biblia/322105000045.html 】
「虚貝堂」の古書が息子の“恭一郎”に遺されず、彼の祖父に売却されそうなのを止めたい。
その依頼を“佳穂”から受けた“栞子”は“智恵子”の仕事を引き継いで日本を数日離れる。
戻ってくる間に“扉子”が問題の古本市で関係者の話を聞く手伝いをするという珍しい導入。
“大輔”同様に本を読む習慣がない“恭一郎”は本好きの父から千冊の本を譲り受けたいか。
祖父“正臣”はなぜ本を売ろうとするのか。“佳穂”はなぜ息子に蔵書を相続させたいのか。
話を聞くごとに当初の依頼だけで済まない事情も見えて着地点を探りながら読むのが面白い。
依頼の影にちらつく“智恵子”の姿。母親の頸木を外れたはずの“栞子”が、掴み切れない
その思惑を含め彼女を評価したあの一言が印象深い。知る由もなく新たな頸木をかけられる
者たちがどんな道を選ぶのか、選ばされるのか。空恐ろしさすら覚えながら続きを待ちます。